自信というのは、「大丈夫、できる!」と言い切れるまでに努力を積み重ねた証拠でもあります。だから自信満々の人を無条件に信頼してしまうし、きちんと知識やスキルがある人でも自信がなさそうにしていると「大丈夫なのかな」と身構えてしまうのです。
しかし、面接やプレゼンといった「いざというとき」に自信に満ちた姿を見せるのは、なかなか難しいものですよね。そんなとき取り入れたいのが「ハイパワーポーズ」です。
連載「自信を持ちたいときに読む話」、今回は、今からすぐに取り入れられる「ハイパワーポーズ」についてご紹介します。
ハイパワーポーズとはどういうもの?
ハイパワーポーズとは「自信に満ちたポーズをとることで、実際に心に自信がわいてくる」というもの。顔を上げ、胸を張り、肩を後ろへ引いた姿勢のことを指します。例えば、
- 腰に手を当てて仁王立ちした「スーパーマンのポーズ」
- イスの背もたれに体を預けた状態で両腕を頭にまわすポーズ
- テーブルに手をついて少し前傾姿勢になったポーズ
などが、ハイパワーポーズの代表例。
人はハイパワーポーズをとると、自然と心に勇気がわいて自信を持つことができるのです。ニュースなどでも、大統領や首相が腕を開き、胸を張っている様子を見ることができますよね。
顔を上げ、胸を張り、腕を広げている姿は、堂々としていて自信に満ちて見え「なるほど国を代表する人だな」と思わせます。
逆に「ローパワーポーズ」という姿勢もあります。これはハイパワーポーズの逆で、うつむき、肩を内側に向け、背中を丸めるポーズ。うなだれたり、肩を落としたりしている様子は自信なさげで、逆に「大丈夫よ」と声をかけたくなります。
国の代表が大勢の前でこんな姿を見せたら、多くの人ががっかりすることでしょう。
実は、こうしたポーズが明確に心身に影響を与えることが、実験によって明らかになっています。
ハイパワーポーズが心身に与える影響とは?
ハーバード・ビジネス・スクールの准教授であるエイミー・カディ氏が2012年に、姿勢が心身に与える影響についての実験結果を発表しました。
これによると、ハイパワーポーズをとったグループは
- 自信を高めるテストステロン(いわゆる男性ホルモン)が19%増加
- ストレスを感じさせるコルチゾール(副腎皮質から分泌されるステロイドホルモン)が25%減少
した一方、ローパワーポーズをとったグループは
- テストステロンは10%減少
- コルチゾールは17%増加
したことが判明。
つまり、自信に満ちたポーズをとると、実際に自信を高め緊張を和らげる状態になり、逆に自信のないポーズをとり続けるとさらに精神的な緊張が高まる、ということが実証されたのです。
また、カディ氏は、ハイパワーポーズをとるグループと、ローパワーポーズをとるグループにそれぞれ2分間ポーズをとらせたあと、精神的に負荷がかかる面接を受けさせました。
その後、面接を受けたグループとは別のグループに面接風景を見せ、「誰を採用したいか」アンケートをとったところ、「採用したい」とされたメンバーは全員、ハイパワーポーズのグループでした。
この結果についてカディ氏は、「自信のある態度が評価を高めた可能性がある」と述べています。
つまり、姿勢そのものが精神状態に影響を与える、と言えるでしょう。
ハイパワーポーズって、どういう場面で使うの?
エイミー・カディ氏の研究によって、ハイパワーポーズを2分間とると心に自信がわいてくることがわかりました。では、どういう場面で使えばいいのでしょうか。
それはもう「自信たっぷりに行動しなければならないけれど、できるかどうかわからなくて不安なとき」に限られます。
- プレゼンテーション
- 報告
- 面接
- 講演
などなど、人前で堂々と振る舞う必要があるときに効果を発揮すると言えますね。
また、商談や交渉の場面など、目の前の人の信頼を勝ち取りたいとき、侮られたくないときなどにも効果がありそうです。堂々とした姿は、相手に対し信頼だけでなく侮れない雰囲気を与えます。
プレゼンや面接、交渉の前に2分間、スーパーマンのポーズをとってみると、ホルモンの分泌量が変化して自信につながる心身の変化を得ることができるかもしれません。
ただ、人前でやっているとちょっと不思議そうな顔をされるので、トイレなど人の目がない場所でやることをおすすめします。
また、資格の勉強中で心が折れそうな時にも効果がありそうですね。
パソコンやスマホの操作、勉強する姿勢はうつむきがちで、肩を落とした姿勢になります。いわゆるローパワーポーズの姿勢になるので、パソコンやスマホの操作、勉強の姿勢が続いていると、気持ちも内向きになりやすいのです。
姿勢は精神に影響を与えるので、休憩がてらハイパワーポーズをとって、内向きな気持ちを中和させましょう。
今回は、その体勢をとるだけで自信がわいてくる「ハイパワーポーズ」についてご紹介しました。エイミー・カディ氏の「姿勢が心身に影響を与える」という実験結果は、驚きでしたね。
気持ちが落ち込んでいるときに前向きにがんばりたくなったら、実際に頭を上げて胸を張りましょう!
次回は「自信過剰な人」にならないための注意点についてご紹介します。
参考URL:
テストステロンと自信の関係性
https://trappy.jp/2019/06/06/testosterone/
コルチゾールとストレスの関連性
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/87-column-2.html
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