この連載「親必見！家庭でできる英語教育のポイント」 、小学校で英語教育が必修化したことを受けて起こった変化をお伝えしてきました。
小学3・4年生では英語活動が始まり、小学5・6年生では英語が必修教科に。それに伴い、中学英語は範囲が広く難しくなっています。これまでの記事で、英語教育の現状について、ご理解いただけたのではないでしょうか。
そんな中で、ずっとお伝えしていたことが1つあります。それは、親が子どもに寄り添い、楽しく英語を学ばせてあげることです。
そのためにも私がおすすめしたいのが、親が中学英語を学ぶことです。
連載最終回である今回は、親が中学英語を学ぶメリットをお伝えします。
小学校で英語教育が必修化したことで変化した中学英語を親が学ぶと、親だけでなく子どもにもメリットがたくさんありますよ！ぜひ最後までご覧ください。
親が中学英語を学ぶメリット
まずは、親が中学英語を学ぶメリットをいくつかご紹介します。
学ぶことの大切さを教えられる
子どもに「自主的に勉強する子に育ってほしい」と思う親は多いはず。子どもはいつも親の姿を見ています。
親が学習する姿を子どもに見せると、子どもにとっても学習が身近に感じられるようになります。
他にも、「勉強は大人になっても続く、とても大切なことなんだ」と、言葉でなく行動で示すこともできるでしょう。
親が子どもに学習する姿を見せるときに重要なことを1つお伝えします。
それは「楽しんでやる」ということです。
親の皆さんは、イキイキと楽しそうに学習に取り組んでください！
子は親の鏡です。
親子で教え合い、励ましあえる
親が英語を学ぶと、親子で英語を教え合い、励ましあって学習を進められるようになります。
学ぶ際に、親子で英語の目標を設定してみませんか？
例えば、親は中学校卒業時の目標英語レベルである英検3級、子どもはレベルに応じて英検や英検Jr.（ジュニア）などを目標にしてはいかがでしょうか。
毎日決まった時間に学習する習慣をつけてみてください。設定した目標日に向けて一緒に取り組むと、目標を持った者同士の連帯感が生まれます。
励ましあい、教えあい、目標を共有することによって、親子の絆が深まるかもしれません。
自信をもって英語を教えられるようになる
親の皆さんが中学英語を学ぶと、お子さまへ自信をもって英語を教えられるようになります。
この記事を読んでいらっしゃる親世代の方たちは、ご自身のお子さまに英語の質問をされたときに、自信をもって答えられますか？
この連載でお伝えしているように、小学校で英語教育が必修化し、中学校で学習する英文法は親世代が中学生だった時に比べ、範囲が広くなり、また内容も難しくなっています。
お子さまは「小学校や中学校で習う英語くらい、親が答えられるのは当然だ」と思っているかもしれませんよ！
子どもに質問されたときに自信をもって答えるためには、親の方も知識が必要です。もし中学英語に自信がなければ、今が学習を始めるチャンスです。
仕事に活かせる・自信がつく
親が中学英語をマスターすると、英語の基礎力を身に付けたことになります。
単語や文法は日常会話には十分ですし、旅行の会話だけでなく、ネイティブと英語を使って仕事をすることもできるでしょう。
中学英語ができると、英語メールは基本的な意味を理解できます。
難しい単語も、調べることで対処できるようになるでしょう。
書くことにいたっては、中学レベルの英文法と英単語だけで、ビジネスメールにも十分に対応できます。
仕事に英語を活かせば、自信もつくし、周りの人が見る目も変わるかもしれません。
他にもあります！親が英語を学ぶメリット
親が英語を学べば、当然ですが英語のホームページが読めるようになります。
趣味のあれこれについて英語で調べることができますので、楽しみの範囲が広がるでしょう。また、同じ趣味や悩みを持った人とSNSでつながるのも容易になります。
筆者は、海外の教育事情について英語で調べるのは当たり前になっています。海外の教育者と、メールやSNSを通して連絡を取り合うのも簡単です。
日本だけの情報でなく、幅広い地域の情報や見解を聞けることは、生きていく中でとても役立ちます。
おまけですが、筆者は「Pokémon Go（ポケモンゴー）」というゲームアプリに、子どもと一緒にはまってしまったのですが、その際にも英語がとても役立ちました。
海外地域限定のポケモンをゲットするために、Twitterでアメリカの人やヨーロッパの人とつながり、バトルに招待しあいます。そうして、海外限定ポケモンを入手したのです。もちろんやり取りは全て英語でした。
親が中学英語を学ぶと、子どもに英語を教えられるだけでなく、親本人が様々な時間を有意義に過ごせるなど、メリットは盛りだくさんなのです。
最低限知っておきたい英語知識テスト
これまでの連載でも一部をご紹介しましたが、小中学校で学習する英語のレベルは難化しています。ここでも内容を少しご紹介しますね。
小学校で習う英単語
次の英単語は、小学校で学習する単語です。小学校で英語が必修化した後の、レベル感をご確認ください。
和訳は何になるか考えてみましょう！
【小学校英単語クイズ】
1. home economics
2. shrine
3. zookeeper
4. astronaut
5. rectangle
今の小学生は卒業までに600～700語の英単語を学習します。小学生で学習する単語、全部わかりましたか？それでは答えをどうぞ。
【答え】
1. 家庭科（教科）
2. 神社
3. 動物園の飼育員
4. 宇宙飛行士
5. 長方形
引用: 文部科学省 We Can! 2 （新学習指導要領対応小学校外国語教材）
中学校で習う基本英文
続いては、中学校で習う英文です。日本語にできますか？
文法項目も意識してみてくださいね。
【中学校レベル英文和訳クイズ】
2年生レベル
Q1 The stage makes me nervous.
Q2 We were able to communicate well because we talked in English.
3年生レベル
Q3 It’s an experience that will broaden your world view.
Q4 I wish I were a bird. If I were a bird, I would fly to you.
文法項目は、親世代が高校で学習していた内容の一部が、今では中学生が学習する内容となっています。
小学校での英語活動が早期化・必修化した後、中学校で学習する範囲は拡大しました。
【答え】
2年生レベル
A1「その舞台は私を緊張させる。」「ステージでは緊張します。」など。
使役動詞「make+人+形容詞」の使い方がポイントです。
A2「英語で話したので、うまくコミュニケーションが取れました。」
接続詞「because」の使い方がポイントです。
3年生レベル
A3「それはあなたの世界観を広げる経験です。」
関係代名詞thatの使い方がポイントです。
A4「鳥だったらいいのに。もし私が鳥だったら、あなたのところへ飛んでいきます。」
仮定法現在の使い方がポイントです。現在の願望を過去形で表しています。
学校で学んだ英語の内容を思い出してきましたか？
当時は理解できたけど、今はわからない…という人もいるかもしれませんね。
大人が英語レベルを上げる学習方法って？
最後は、大人の皆さんが英語のレベルを上げるための、おすすめの学習方法をご紹介します。
ここまで記事を読んでくださった方の中には、「もう一度、英語学習にチャレンジしてみようかな？」と思った方もいるでしょう。
学生時代に丸暗記主義の英語学習で挫折した方、今はそのやり方と同じ方法でチャレンジする必要はありませんよ。
大人の皆さんは、限られた時間の中で、効率を考えて、ご自身にとって最良と考えられる勉強方法を選択してくださいね。
一から学習をスタートしたい方向け
一から学習をスタートしたいという大人の方は、中学英語を学習してみてはいかがでしょうか。
まずは中学校レベルの、大人向けに書かれた初級英語の本を読んでみたり、Webサイトを閲覧したりすることからスタートするとよいかもしれません。
インターネットで「中学英語」「やり直し」と検索すると、たくさんの本やサイトがヒットしますよ。
時間をかけて体系的に勉強したいなら、オンライン講座も選択肢の1つです。
オンライン講座ならいつでもどこにいても、スマホやPCがあれば学習できます。リスニング学習をするのにも手軽で便利ですよ。
楽しみながらコツコツやりたい方向け
趣味を活かしながら、英語に楽しく取り組むのも1つの手です。
歌が好きなら、カラオケで洋楽を歌うのを目標にしてみてはいかがですか？
家で洋楽の歌詞と意味をチェック、それだけでも勉強になります。YouTubeを見て歌手の歌い方を真似するのも良いでしょう。
そして、カラオケに行って好きな歌手の真似をして、英語字幕で歌ってみてください！
これだけでも飛躍的に英語のレベルアップを実感できますよ。
ほかの趣味のこと、例えば料理なら、英語レシピやクッキング動画を見て海外の郷土料理作りをしてみるのはいかがでしょうか。
ドラマや映画を英語で見るのも鉄板の英語学習方法です。
具体的な目標がある方向け
大人ならではの方法として、資格試験、旅行、ビジネスなどの目標設定をして、英語学習をするのもおすすめです。
インターネットで検索すれば、たくさんの対策講座がヒットします。予算や時間など、それぞれのニーズに応じて1つ選んで、学習のスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
連載「親必見！家庭でできる英語教育のポイント」、は、今回で最終回となります。
連載を通して、小学校の英語教育必修化で起こっている変化やその背景、高度化・早期化・難化している小学・中学英語や、家庭でできる家庭学習のポイントや親の心がまえについて解説しました。
子どもの英語学習は、子どもの将来にわたって影響がある可能性のある教科です。
しっかりと学習に向き合わなくてはいけない教科である一方、やり方によっては楽しく取り組める方法もあります。
お子さまにとっても学習が楽しい時間となるよう、いろいろな方法をご紹介してきましたので、ぜひともご参考くださいね。
そしてぜひ、大人の皆さんも今一度、新たな中学英語を学んでみてください。
大人が英語を学ぶとメリットがたくさん！自信がつき、子どもや知り合いからの見る目が変わるかもしれません。何より、自分自身がより楽しく暮らせるきっかけにもなるはずです。
英語学習のやり方についても、子どものために一緒に学習する方法や、趣味や興味の範囲を広げる手段として英語を学習する方法など様々です。
ぜひ、自分に合う方法を見つけてチャレンジしてみてください。子どもも、そんなあなたの姿をしっかりと見ているはずですよ。
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