こんにちは。管理業務主任者の堤 大晴です。連載「管理業務主任者とは?魅力と活かし方ガイド」、第3回は管理業務主任者の具体的な働き方や役割についてまとめました。
第4回の今回は、不動産の知識ゼロから管理業務主任者に合格した筆者が、管理業務主任者試験の学習の楽しさや、管理業務主任者としての仕事をする上でのやりがいについてお伝えします。
実際の経験をもとに紹介するので、試験学習や実務のイメージができる内容になっていますよ。
身近な知識が身に付く|管理業務主任者の学習
管理業務主任者試験対策において、不動産や建築・設備といった普段の生活に身近な知識を得られるのも、学習を通したやりがいの1つです。
実際の管理業務主任者試験の問題を例にご紹介します。
【問 18】
消防法第9条の2に規定する住宅用防災機器である住宅用防災警報器に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 住宅用防災警報器とは、住宅における火災の発生を未然に又は早期に感知して報知する警報器をいう。
2 消防法の規定により住宅用防災警報器を設置する必要がある場合には、その住宅用防災警報器は、天井又は壁の屋内に面する部分に設置しなければならない。
3 住宅用防災警報器は、市町村の火災予防条例による別段の定めがある場合を除き、台所にのみ設置すればよい。
4 住宅の関係者には、住宅用防災警報器を設置する義務に加えて、適切に維持する義務が課せられている。
最も不適切なものは、
3 住宅用防災警報器は、市町村の火災予防条例による別段の定めがある場合を除き、台所にのみ設置すればよい。
です。
住宅用防災警報器とは、音や音声によって警報を出して火災を知らせる機器のことで、就寝時の火災の危険性が高くなる寝室などに設置しなければなりません。
このように生活に関連している出題は多いです。
設備に関する問題に限りませんが、背景や理由を理解して知識が身に付くのが楽しいと感じながら学習を進めることが、管理業務主任者試験の合格への近道でしょう。
幅広い見識を得て、得意分野も活かせる|管理業務主任者の仕事
管理業務主任者試験では、民法や区分所有法などといった法令、建築・設備、管理実務、管理組合会計など幅広い分野から出題されます。
筆者自身、経済学部を卒業後に新卒で不動産管理会社に入社したため、法律や不動産について学んだ経験はありませんでした。また、不動産管理会社に勤めているといっても事務職として仕事をしていたため、現場の知識は皆無。
しかし、試験学習や管理業務主任者としての仕事を通してマンション管理の現場を見る機会が増えると、管理組合のためになっていると実感してやりがいを感じ、仕事が楽しいと思うようになりました。
一方で、得意分野を活かすこともできます。私自身、管理組合会計に関しては詳しい方で、他の管理業務主任者から会計処理方法などについて相談を受けるということもよくありました。
管理組合にとっても、収支の面においてマンションを適正に運用できているかは気になるポイントです。専門知識を活かして丁寧にわかりやすく説明できると楽しいですし、管理組合の方々から安心してマンション管理を任せられると言っていただけることもありました。
幅広い分野の知識を得て、得意分野を活かしながら人の役に立てるというのは、管理業務主任者として仕事をする醍醐味でしょう。
管理組合から感謝も得られる|専門知識を活かした一例
管理業務主任者として働く中で管理組合の方から感謝されることもあり、それがやりがいになり楽しいと感じる場面も多いです。
筆者の実体験ですが、火災保険の切り替えの提案を行って管理組合の方に感謝されたことがありました。
管理業務主任者としてある管理組合会計の帳簿を精査していると、火災保険料が割高でした。事務職として保険商品やプランの比較検討を行った経験があったことから違和感を覚え、管理組合に適正な火災保険料を提示したところ、結果的に経費削減に繋がる提案を行うことができました。
分譲マンションの所有者の資産を守り運営していくのは重要な課題です。管理業務主任者として知識の幅を広げて得意分野の知識を活かすことで、単に契約締結や管理事務を行うにとどまらず、管理組合に感謝されるような管理業務主任者として仕事ができるでしょう。
連載「管理業務主任者とは?魅力と活かし方ガイド」、今回は、楽しいと感じられる管理業務主任者の学習内容や、仕事のやりがいについてお伝えしました。
次回は、管理業務主任者の就職・転職状況や不動産の市場も絡めた今後の見通しをお話しします。
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