国家資格である危険物乙4の資格が実際に就職や転職に有利なのか、社会人にとってどのように役立つのか、危険物乙4のメリットについて調べてみました。
個人で取得できる資格としては比較的メジャーな危険物乙4(乙種第4類危険物取扱者)。ガソリンや軽油・灯油、油性塗料などを取り扱うための資格として多くの人が取得しています。
限られた分野で活用されているイメージのある危険物乙4ですが、意外に多くの職場で必要とされている資格です。就職や転職、昇進の際に有利になる危険物乙4についてご紹介します。
目次
危険物乙4はどんな職場で役立つ?
危険物乙4の資格が実際に役立つのは、多くの危険物を扱う職場です。ガソリンスタンドや化学系の工場など、引火性の燃料や油性塗料を大量につくったり保管したりする職場では必須の資格と言えます。
危険物乙4が必要な職場を具体的にいくつかご紹介します。
ガソリンスタンド
街中にガソリンスタンドはたくさんありますね。各ガソリンスタンドに最低1人は、危険物取扱者の資格取得者を置くことが定められています。ガソリンや軽油・灯油を扱うガソリンスタンドでは、危険物取扱者が監督することで、危険物の資格を持たない人も車にガソリンを入れるなど危険物の取り扱いができるのです。
石油の運搬・貯蔵企業
タンクローリー車でガソリンなど引火性の液体を運ぶ仕事も、車の免許だけでなく危険物取扱者の資格も必要です。石油タンクの管理など貯蔵の仕事も含め多くの人々が従事していて、危険物取扱者の資格の需要が高い職場と言えます。
塗装業・外装工事業・塗料メーカーや塗料販売店
油性塗料は引火する危険性があるので、一定量以上を扱う企業では危険物乙4の資格を持った人が必要です。油性塗料を常に大量に保管している大手の塗装業・外装工事業者や塗料メーカーの工場、油性塗料の販売店などには、危険物取扱者が常駐しています。
ビル管理
ビルにボイラーの設備があると、危険物である燃料を指定数量以上使用するので、危険物乙4の資格を持った人が必要になります。ビルには多くの人が働いていたり住んでいたりしますから、ビル内で過ごす人々の安全と快適さを守る職場です。
社会人にとっての危険物乙4の位置づけ
次に、社会人にとっての危険物乙4の位置づけを見ていきましょう。
乙種危険物取扱者には、4類含めいろいろな危険物が取り扱える資格が6種類あります。その中でも危険物乙4は、燃料系や油性塗料系やビル管理系の企業の求人票を見るとわかるように、資格を持った人が多く求められている状況です。
つまり、危険物を取り扱っている企業に勤務している社会人なら、危険物乙4の資格を取得することによってできる仕事の幅が広がり、企業から歓迎されるでしょう。なかには、はっきりと危険物乙4の資格手当が給与に加算される企業もあります。
ほかには、例えばガソリンスタンドのように大勢の職員の中で自分1人だけが危険物乙4の資格があれば、危険物保安監督者になって基本給自体がアップする可能性もあるでしょう。
また危険物取扱者には、丙種、乙種(1類から6類まで)、甲種という区分があります。その中でもほぼすべての危険物を取り扱える甲種危険物取扱者は一番レベルの高い資格です。
丙種・乙種は誰でも受験できますが、甲種は受験資格が必要です。化学系の単位を取得できる大学などを卒業するか、乙種の資格を持って危険物製造所などで2年の実務経験を積むか、もしくは乙種の資格を4種類取得(一部指定あり)して初めて受験が可能となります。
甲種危険物取扱者は幅広い危険物の取り扱いが可能となるため、管理者の資格として非常に有用です。甲種危険物取扱者の試験を受けるための準備段階として、危険物乙4を取得するという使い方もあります。
このように社会人によって危険物乙4は、仕事においても役立つ資格と言えるでしょう。
危険物乙4で収入アップする可能性はある?
資格を取得する人は、どうしても必要な場合を除けば、収入アップにつながるからと考えて取得する人も多いのではないでしょうか。危険物乙4の資格も、企業によっては資格手当がつきます。
危険物乙4はそこまで難易度が高い資格ではないので、ものすごく高額の収入がすぐに得られるという訳ではありません。ですが、例えばガソリンを運ぶタンクローリーの運転手など、危険物乙4の資格を持つ人しかできない仕事の場合は、他の運転手の仕事に比べて高収入が得られる可能性はあります。
ある調査会社がサラリーマン36万人の平均年収を調査したところ、20代男性が367万円、30代男性が487万円という結果でした。これに対して、危険物取扱者の資格を使って仕事をしている人の平均年収は約500万円といわれているので、危険物乙4も収入アップに有利な資格だということでしょう。
危険物を扱う仕事をする可能性があるときは危険物乙4を取得しておけば損はしない、ということが言えそうです。
難易度・合格率と勉強法就職活動におけるメリットは?危険物乙4取得の効果
就職しようとしている人にとって、その資格が新卒入社時の就職活動に役に立つのか、メリットがあるのかというのは気になるポイントでしょう。
高校や大学、大学院の在学中に資格取得しようとすれば、本来の勉強や就職活動以外に資格試験のための勉強をする時間が必要です。また、多少なりとも受験費用やテキスト代などの負担がありますから、資格取得の効果は欲しいですよね。
危険物乙4の場合、特殊な場合を除いて役に立たない資格なのかというとそうではありません。危険物乙4で取り扱える範囲の危険物は、世の中にはたくさんあります。一般の人が思っているよりもいろいろなところで、危険物は製造、運搬、保管されているのです。ですから、一見関係なさそうな職場でも持っていることで有利に働くことはあります。
特に、就職先として石油や軽油・灯油・油性塗料など引火性の液体を取り扱う企業を考えている場合、危険物乙4の資格があれば危険物を使用する現場で即戦力になれます。就職後に資格を取得することもできますが、新卒の入社前から資格を持っていれば面接で好印象を持たれて、採用の可能性が上がるでしょう。
直接危険物を取り扱わない企業や、大量の危険物は扱わないので危険物乙4の資格までは必要ないという企業もあります。しかし、資格を持っていることで、危険物に対する危機意識の高い人間だということが就職活動でアピールできます。また、応募した企業の仕事に直接関係がなくても、努力ができる人間であることを認めてもらえるでしょう。
就職活動での危険物乙4のアピール方法転職組にも有利!危険物乙4が転職で役立つ理由とは
危険物乙4は、新卒入社時の就職活動だけでなく転職する場合にも役に立ってくれます。
転職で中途入社する人に求められることは、即戦力として役に立つことです。職務経歴や取り組んできた仕事の内容も採用されるかどうかの重要なポイントですが、資格が必要な仕事の場合は、資格を持っていれば即戦力として採用されやすいでしょう。危険物取扱者の資格が必要な職場を転職先に選ぶなら、あらかじめ資格を取得しておいた方が有利です。
転職を決める理由としてキャリアアップ、収入アップを目的としている人は多いでしょう。危険物を取り扱うという特殊な仕事をする以上、普通の職種よりも高給になる傾向にありますし、職場での危険物管理者、安全管理者、管理職など将来的なキャリアアップにつながる可能性もあります。転職先を決め切れていないという人でも、資格を持つことで就職先を選ぶ範囲が広がるというのもメリットです。
危険物乙4で扱える危険物の種類自己研鑽にもおすすめ!危険物乙4を取得しよう
危険物乙4の勉強をすると、一般の企業に就職する場合でも、石油ストーブの灯油や自動車に入れるガソリンなど、危険物を取り扱う時のリスクを認識できます。また、家庭内でもDIYで油性塗料を使う時など、事故防止のために気をつけるべきことが身に付きます。
危険物の中には、水をかければ火が消えるという単純な性質ではないものもあるので、とっさに誤った判断をしてしまうと思わぬ大事故につながる可能性があります。
危険物乙4はほどよい難易度なので比較的取得しやすい資格です。高額な費用を払って資格のスクールに通う必要はなく、独学でコツコツと勉強すれば取得できます。また、受験資格もないため、これまでまったく危険物について学んだことがない人でも資格取得を目指すことができます。
自己研鑚で何かしてみようかと考えているなら、危険物乙4の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
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