「危険物乙4」という言葉を聞いて何のことかすぐわかる人は、かなり資格に興味のある人かもしれません。
危険物乙4とは、正確には危険物取扱者乙種4類といいます(ここからは乙4としますね)。
危険物取扱いの例として、一番身近でわかりやすいのはガソリンスタンドです。ここで扱うのはおもにガソリン、軽油、灯油など。これらはとても火がつきやすい液体です。
このような危険物を扱うガソリンスタンドには、資格が必要な仕事があります。そう、その資格こそが乙4です。
これから「合格者がやさしく語る。乙4学習体験記(全5回)」と題し、私が乙4に合格した体験をもとに、乙4の学習内容についてわかりやすく紹介します。
「危険物乙4」とはどんな資格?
「乙4」という言葉から想像できるのは、危険物に関わる資格にはいくつか種類がありそうだ、ということぐらいです。
はじめてその言葉を目にする人には何のことやらわからなくて当然です。乙4の学習体験者である私もそうでした。
まずは危険物について知りましょう。
危険物は性質の違いにもとづいて第1類~第6類まで6種類あります。
乙の文字は資格のレベルを表しています。甲、乙、丙(へい)のレベルのうち、真ん中のレベルが乙種です。
乙の場合、6類のうちどれかひとつについて資格が与えられます。例えば乙種1類であれば、1類の危険物を取り扱う仕事ができます。
つまり乙種4類(乙4)の資格を持っていれば、4類の危険物を取り扱う仕事ができるわけですね。
免状の種類 | 取り扱いできる危険物 | |
---|---|---|
甲種 | 全種類の危険物 | |
乙種 | 第1類 | 塩素酸塩類などの酸化性固体 |
第2類 | 硫化りんなどの可燃性固体 | |
第3類 | カリウムなどの自然発火性物質および禁水性物質 | |
第4類 | ガソリンなどの引火性液体 | |
第5類 | 有機過酸化物などの自己反応性物質 | |
第6類 | 過塩素酸などの酸化性液体 | |
丙種 | ガソリン、灯油、軽油、重油など |
乙4で扱うのはガソリン、軽油、灯油などの引火性液体です。いずれも燃料として身近なものですね。
車を運転する人であれば、セルフ式のスタンドでガソリンを入れた経験があるのではないでしょうか。まさにそのガソリンです。
乙4合格のためにまず勉強することは?
乙4で扱う危険物の内容について少しお話しましょう。
乙4で扱うのは引火性液体であるといいましたね。これらはいずれも火のつきやすい危険な物質です。
化学を学んだ私は今でもこれらを扱うときには「注意のギア」を一段アップさせます。それほど注意が必要な物質なのです。
しかし、同じ4類でありながら意外なものも含まれています。ヒントは皆さんの家の台所にもあるものです。さて何でしょう?
その答えは、料理によく使うナタネ油やオリーブ油です。
「ええっ~それだったら料理には乙4の資格がいるじゃない!」と早とちりしてはいけませんよ。
フライパンの中の油に火がついて、慌てた体験をしたことがある人もいるかもしれませんが、料理で扱う場合は量が少なく法律には触れませんので安心してください。
話を乙4の勉強に戻します。はじめに必要なのは7種類ある引火性液体について覚えることです。
「第4類危険物一覧表」という、引火性液体についてまとめた表がテキストなどにあります。まずは区別できるように覚えていきましょう。
危険物の覚え方|キャラが立つものから覚える!
こんなにどうやって覚えるの?すぐにそう思うかもしれませんね。そこで、わかりやすい覚え方をお教えします。
第4類危険物一覧表の7種類のグループ、ひとつずつをキャラクターにするのです。中でも「特殊引火物」は性質が際立っています。ここから覚えはじめるといいです。
なお、危険物一覧表の上の物質ほど引火性が大きく、下ほど小さいと覚えましょう。
乙4で扱う量は一定量以上(これを指定数量といい、よく出題されます)が対象です。この指定数量は引火性とは逆に、表の上の物質ほど指定数量が小さく、下ほど大きいと覚えます。
性質の違いを知り覚えることがコツです。
表の一番上にある「特殊引火物」は、乙4の中でも特に引火しやすい性質です(そのため指定数量は50リットルと少なくなっています)。
例えば、特殊引火物の中のジエチルエーテルは数十メートル離れた場所のタバコの火で引火することがあるぐらいです。私はジエチルエーテルのドラム缶を開けるときに大変緊張した経験があります。
このように、すぐにメラメラと特殊引火物みたいに怒るキャラの人が身近にいませんか?いたらその人を「特殊引火物」のキャラにしましょう。
では次へ行きましょう。7種類のうち「動植物油類」は名前から察しがつくと思います。キャラ設定は一番簡単かもしれませんね。
普段はおとなしいけど、怒らせると机を投げかねない「動植物油」のようなキャラは…?
それから「第4石油類」のひとつには機械油があります。自動車に使っているエンジンオイルなど機械をスムーズに摩擦なく動かすために必要な油です。
結構な高温になるまで火のつかない性質の油で、指定数量は6000リットルと多くなっています。温厚でおだやかな性格の、大柄な体格の人をイメージするといいかもしれませんね。
このように、自分でストーリーを作ってそれぞれキャラクターにしてみると覚えやすいでしょう。
乙4の危険物7種類を性質の違いで区別した覚え方をご紹介しました。イメージはつきましたか?
次回は私の体験にもとづいて、乙4の学習分野である「危険物に関する法令」のお話をします。お楽しみに♪
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