この連載「情報セキュリティマネジメントの最短勉強法」では、情報セキュリティマネジメント試験に短期間で効率よく合格するための勉強法やコツについて、5回にわたりご紹介しています。
情報セキュリティマネジメント試験は独学でも合格できますが、そのためには効率的な勉強を行うことが大事です。では、情報セキュリティマネジメント試験に合格するためには、どのくらい時間をかければいいのでしょうか?
今回は、情報セキュリティマネジメント試験合格に必要な勉強時間・勉強期間、効率的なスケジュールについてお伝えします。
情報セキュリティマネジメント試験の勉強時間の目安は?
情報セキュリティマネジメント試験に合格するための平均勉強時間は、200時間が目安といわれています。ちなみに筆者は、以下のタイムスケジュールで合格できました。勉強時間は合計130時間です。
① 情報セキュリティに関する知識を身に付ける:約30時間
② 基本的なIT知識を身に付ける:約20時間
③ 過去問を解くことで苦手な分野を把握して、その分野を復習する:約80時間
前回の記事でも述べた通り、ある程度知識が身に付いたと感じたらすぐに過去問に取り組み、理解できていない分野を洗い出してそこを集中的に復習するという勉強法で、効率的に勉強できたと思います。
また筆者は、もともとWeb制作に携わっており専門用語について少し知識があったことも、合計130時間程度という、目安より短い時間で合格できた理由かなと思っています。
このように、200時間という勉強時間はあくまで目安です。
あまり長期にわたり勉強しても、知識を忘れてしまったりモチベーションが下がったりしてしまうことも。毎日の生活の中で、勉強時間をできるだけ確保する、確保できた時間によってやる勉強を変える、などの工夫をして、勉強時間の短縮を目指しましょう!
勉強時間から計算する勉強期間の目安は?
先ほどお伝えした勉強時間の目安200時間ですが、仮に1日数時間程度を勉強に割けるとすると、合格のための勉強期間は2~3ヵ月ということになります。
しかし社会人の方は、1日に試験勉強に割ける時間は少ないと思います。筆者も実際、平日は1日1時間程度しか勉強時間が取れず、毎日数時間勉強するというのは難しかったです。
1日1時間しか勉強時間が取れないと、どうしてもテキストを読む程度の対策しかできなくなってしまいます。しかし、それでは対策として不十分と思った筆者は、週末にだいたい3時間を確保して、学びを深めました。
この週末にやったことは、2年分の過去問を集中して解き、苦手な分野を把握すること。
ここで把握できた弱点を平日に勉強して克服する、というのをルーチンワークにしていました。
このようにして筆者は、平日1時間+休日3時間を勉強時間として費やしたところ、3ヵ月程度の勉強期間で合格できました。
1日の勉強時間がもっと多く取れる方は、勉強期間を短くすることができると思います。
1日3時間程度の勉強時間を確保できれば、2ヵ月ほどで合格することも夢ではありません!
勉強時間から計算する勉強期間の目安は?
情報セキュリティマネジメント試験では、「テクノロジ系のセキュリティ分野」と「ストラテジ系の法務分野」の2分野が重点分野であり、そしてこの2分野こそが最も難しいところだと筆者は考えています(連載第1回「情報セキュリティマネジメント試験で難しいところとは?」参照)。
重点分野以外の分野では、基礎知識が出題されるので、この重点分野とそれ以外の分野の2つに大きく分けて、効率よくスケジュールを立てるのがおすすめです。
それともう1つ、情報セキュリティマネジメント試験の午後試験は、たった3問ながら長い文章問題&応用問題であるため、個別にしっかり対策を取ることが必要だと考えます。この点もあわせて、スケジュールを立てましょう。
以下は筆者が考えた、初心者の方が3ヵ月で合格するためのスケジュールです。ぜひ参考にしてみてください。
時期 | 午前問題対策 | 午後問題対策 | |
---|---|---|---|
1ヵ月め | 前半 | テキストで出題範囲全体の知識をざっと身に付ける | ― |
後半 | テキストで重点分野(テクノロジ系のセキュリティ、ストラテジ系の法務)を復習する | ― | |
2ヵ月め | 前半 | 過去問に取り組み、わからない・自信がない箇所をテキストで復習する | 過去問を時間を気にせず解いてみて、解き方を把握する |
後半 | 過去問を時間を測って解き、本番の時間感覚を身に付ける | ||
3ヵ月め | 前半 | 特に苦手な分野の過去問に取り組み、苦手箇所を克服する | |
後半 | 予想問題に取り組み、わからない・自信がない箇所をテキストで復習する | 予想問題に取り組み、わからない・自信がない箇所を解説で復習する |
重点分野は優先的に時間を割り振ろう
重点分野(テクノロジ系のセキュリティ、ストラテジ系の法務)は、優先的に時間をかけるのがおすすめです。
筆者はこの2分野の知識を習得するのに20時間程度、過去問の復習に30時間程度をかけました。それ以外の分野では知識の習得に10時間、過去問の復習に15時間程度なので、いかに重点分野に優先的に勉強時間をかけたかがわかると思います。
なぜこんなに時間をかけるのかというと、この2分野は覚えなければならない知識が他の分野に比べてかなり多く、出題数も多いためです。
逆に言うと、この2分野をしっかりと押さえておけば、得点を確実に積み重ねられるということ。
復習するときはこの重点分野を優先的に行いましょう。過去問を解き終わったら、まずはこの2分野を確認するようにして、知識を定着させることが大切です。
重点分野以外の比較的簡単な分野は、スキマ時間を活用しよう
ITパスポートなどのIT系資格をお持ちの方のように事前知識がある方は、重点分野以外の分野は、テキストを流し読みする程度で大丈夫でしょう。
一度取り組んでいる内容であればすぐ思い出せるので、過去問で間違えた際にテキストを見直すくらいで問題ないと思います。
一方で事前知識がない方は、重点分野以外は少ない時間で効率的に勉強を進めるのがおすすめです。重点分野以外は比較的覚える内容も少なく、簡単なものが多いため、ちょっとしたスキマ時間に学習するとよいでしょう。
オンライン講座を活用すれば、移動時間やちょっとした空き時間に映像や音声を使って学習できます。また、テキストと併用してすれば効率的に勉強を進められるというメリットもあるでしょう。
午後問題は勉強期間の後半、まとまった時間がとれる時に
午後問題対策に取り組むタイミングは、午前問題の勉強がある程度進んでからがおすすめです。理由は、午後問題は午前問題の基礎知識を応用したものだからです。
午前問題を解けるほどの知識が身に付いていれば、まずは難解な文章問題を読み解くことに集中することができます。
また、午後問題はたった3問ですが、文章量が相当多い問題のため、過去問を解くだけでもかなり時間がかかってしまいます。午後問題の対策は、勉強時間がしっかり確保できる休日などにやるのがおすすめです。
筆者は、3時間ほど勉強時間がとれる週末に、午後問題の過去問に取り組みました。
ただ解くだけではなく、ホームページで公開されている講評で、
・筆者がポイントだと思ったところと、問題制作者がポイントとしたところがずれていないか
・不正解だった問題を間違えないようにするにはどのように文章を読めばよかったか
という部分を確認していました。
1年分やるだけで、3時間まるまる使ってしまうことも多かったですが、午後問題の対策としては大きな効果があったように思います。
これを毎週末繰り返していましたので、勉強期間3ヵ月で、36時間程度を午後問題の対策に費やしたことになります。
午後問題の対策は、時間もかかりますし問題自体も難しいため、挫折しそうになるときがあります。実際に筆者も、途中で諦めそうになってしまいましたが、合格するためには午後問題をどうしても乗り越えなければならないと、自分を鼓舞してやり遂げました。
皆さんも、自分なりにモチベーションを上げる方法や、上手にリフレッシュできる方法を知っておくと、やる気がダウンした時に役立つかもしれませんよ。
移動時間も活用できる!効率的な勉強を意識しよう
勉強時間があまり取れない方は、移動時間を活用してみてはいかがでしょうか。
テキストなどには過去問対策スマホアプリのダウンロードサービスが付属していることもありますし、苦手な分野を克服するためにオンライン講座を見るという手もあります。
スマホアプリを利用したときは、解けなかった問題にマークを付けておけば、まとまった勉強時間が確保できたときに、解けなかった部分をインプットすることができるので、効率的な勉強に繋がります。
ぜひ皆さんも工夫して勉強してみてはいかがでしょうか。
今回は、情報セキュリティマネジメント試験合格に必要な勉強時間・勉強期間、効率的なスケジュールについてご説明しました。
勉強時間がどれくらい確保できるかは人によってまちまちですが、確実に合格できるレベルまで取り組むには、やはりある程度時間がかかります。そのため、日頃から勉強時間を確保する努力と効率的な勉強は不可欠です。
この2点をしっかり意識して、合格ラインに達するまでの勉強期間を少しでも短くできるよう、がんばってみてください。
さて次回は、情報セキュリティマネジメント試験に必要な知識を、効率的に身に付けるための具体的な勉強法についてご説明します。
午前問題と午後問題にそれぞれで、合格者ならではのアドバイスをお伝えできればと思います。ぜひご覧ください。
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