この連載「中小企業診断士の独学最短勉強法」では、中小企業診断士試験に独学で1年ストレート合格した筆者が、試験挑戦で得た体験や知識に基づいて、最短で資格取得できる勉強法を様々な角度からお話ししてきました。
今回は、ついに最終回!これまでにお伝えしきれなかった試験勉強のコツや、中小企業診断士試験本番のコツを紹介します!
中小企業診断士試験の勉強のコツ
1次試験勉強のコツは2次試験を見据えた学習
1次試験だけなら、ひたすら過去問を解いて答え合わせをするだけで合格できると考えます。
ただこれまでの連載でお伝えしたように、中小企業診断士試験は2次試験が最大の難関になります。ですので、1次試験勉強のうちから2次試験を見据えた勉強をしておくことが大事です。
具体的には、1次試験の7科目のうち、2次試験の試験範囲に関わる科目を重点的に勉強していきます。
2次試験の試験範囲は、「組織・人事」「マーケティング」「生産・技術」「財務・会計」から出題されます。この科目は1次試験の科目でいうと「企業経営理論」「運営管理」「財務・会計」の3科目の範囲です。
1次試験対策では、この3科目の勉強に力を入れましょう。
1次試験の過去問題集が一通り解けるようになったら、この3科目を優先してテキストなどで理解を深めておくと、2次試験勉強がスムーズになるでしょう。
2次試験勉強のコツは要点をまとめること
2次試験の勉強のコツは、過去問題集にある合格者解答例を分析して、頻出単語や論点をまとめておくことです。その理由は、2次試験本番の解答で大事な「問題の意図を読み取る」ことの手がかりになるからです。
普段から頻出単語や論点が思い浮かぶようにしておけば、「この問題はこの論点やこの単語を使うんだな」ということがわかるようになってきます。
さらに問題の意図が読み取れなかった場合には、「解答欄にとにかく何か書いておく」というのも大事なコツです。
2次試験は、明確な解答のない記述式の問題のため、明確な不正解もありません。
そこで、とりあえず何か書いておくことで部分点を狙え点数を伸ばせるのです。
勉強の段階で頻出単語や論点を覚えることで、実際の試験で部分点を拾える確率が高まります。
最短合格のための試験当日のコツ
中小企業診断士に最短合格するための試験当日に使えるコツは、普段から試験当日のタイムスケジュールに慣れておくこと。理由は、試験本番に集中力を保てるようにするためです。
中小企業診断士試験の日程は、1次試験は1日目に4科目、翌日に3科目と、丸2日がかりです。
2次試験は4科目の1日のみですが1科目あたり80分あり、1次試験の1日目よりやや長い上に、非常に頭を使います。ですので、試験当日はとても疲れます。
勉強を万全にしてきても、当日疲れから集中力が途切れ普段の力が出せなければ、当然点数は下がってしまいます。
筆者は、1次試験当日は、普段の勉強時間と休憩時間のリズムの違いに疲れも加わり、集中力が途切れてしまうことがかなりありました。
そこで、例えば普段の休日から、試験当日の時間割で勉強時間と休憩時間を設定するようにしておくと、本番でも集中力を保ちやすくなります。
筆者も2次試験勉強では、休日に本番と同じタイムスケジュールで問題を解くという方式を取り入れました。その結果、本番では集中力を保ちつつ試験に臨めるようになりました。
ぜひお試しください。
最後の大詰め!口述試験合格のコツ
2次試験(筆記試験)合格後にある口述試験は、10分位の面接形式で試験内容に関する2~3質問の受け答えをするというような、ごく簡単なものになります。
ですので、落ち着いて受け答えができれば大丈夫です。
ただ念のために、不合格につながる恐れのある注意点を2点お伝えします。
注意点① 試験勉強の内容を忘れてしまう
2次試験合格を目指して長期間がんばって勉強してきたのに、内容を忘れてしまうなんてありえないと思われるかもしれません。
しかし口述試験は、2次試験の筆記試験日から2ヵ月後に合格通知が届いて、その1週間後に受ける流れです。
しかも2次試験はその性質上、明確な解答がありません。自己採点ができないため、受かっているかどうか全くわからない状態でこの2ヵ月間を過ごすことになるのです。
実は筆者は、口述試験本番での質問になかなか解答できず、かなり焦ってしどろもどろになってしまいました。
理由は、口述試験までの2ヵ月間、合否は非常に気になるものの、気にしていてもしょうがないので、なるべく試験のことは考えないようにして過ごしていたからです。
合格通知がきてから、1週間で慌てて口述試験対策をしたのですが、あのような結果。
結果的に合格はしたものの、試験直後は「落ちてしまったかもしれない」と青ざめるありさまでした。
今から試験を受ける方に、わたしのような失敗をしないためにお伝えするコツは、筆記試験数日後までに「再現答案」という、筆記試験の解答を思い出して記述したものを残しておくことです。それを見返せば、試験勉強を思い返しやすくなるでしょう。
口述試験や翌年度の再受験を見据えた対策の復習でも、役に立つはずです。
注意点② 人との会話が苦手で、言葉が出なくなってしまう
筆者の知り合いは普段あまり人と会話しない職業であるうえ、さらに緊張してしまいまともに会話できなかった結果、口述試験に落ちてしまったそうです。
筆者も面接というものが非常に苦手で、当日は緊張で言葉がスムーズに出てこない状態になってしまいました。
筆者のように話すことに自信がないという方は、予備校などの模擬試験で練習しておくことをおすすめします。
実は予備校の中には、予備校の受講生でなくても模擬試験を受けられるところがあります。また、中小企業診断士受験サークルなどが無料の模擬面接を開催することもあるので、調べてみてください。
もしくは、事前に知り合いに模擬面接をお願いするのでもいいでしょう。とにかく面接形式での質問の受け答えに慣れておくことをおすすめします。
筆者も口述試験はかなり怪しい状態でしたが、それでも合格できました。
口述試験のコツとしては、とにかく落ち着いて普通に受け答えするということだと思います。
緊張するとは思いますが、口述試験にたどり着いた時点でほぼ100%受かっている試験なので、大丈夫と言い聞かせて挑んでみてくださいね。
連載「中小企業診断士の独学最短勉強法」、今回は、試験本番に向けたコツを中心にお伝えしました。
中小企業診断士に最短合格するうえで重要なのは、試験勉強では試験本番を見据えた勉強法を取り入れ、試験当日は落ち着いて勉強の成果を出せるようにすることです。
勉強してきた成果が出せるよう、日ごろから取り組んでみてくださいね。
さて、今回含め連載5回にわたり、中小企業診断士を最短で合格する勉強法についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか。
中小企業診断士は合格を目指して独学で勉強している人が多いことから、勉強の情報交換などを目的としたサークルもあり、これらに参加するのもいいと思います。
近年はコロナ禍もあって、自宅で受講できるオンライン講座も充実しているので、最短合格に向け活用してみてください!
今から中小企業診断士取得を目指す全ての皆さんに、参考にしていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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