現代はストレス社会と言われています。ストレスが原因とされる病気も多く、うつ病などはその代表例ですね。資格試験の勉強をしていると、知らず知らずのうちに大きなストレスを受けてしまうものです。
また2015年12月から一部の企業では「ストレスチェック」が義務付けられるようになりました。それほど、ストレスは無視できないものになってきているのですが、そもそもストレスとは何を指すものなのでしょう?
今回から「ストレス対処術」と題して、「ストレスとの付き合い方」を5回にわたりお送りします。1回目は「ストレスの定義と心身への影響について」です。
ストレスとはどういうもの?ストレスの定義について
そもそもストレスというのは「外部からの刺激」全般を指します。もともとは物理で使われていた用語ですが、近年は医学や心理学の分野でも使われるようになりました。
医学・心理学分野におけるストレスとは、心身へ影響を与える要因のこと。心身に影響を与える要因のことを「ストレッサー」、様々な外部からの刺激に対応しようとして心身に影響が出ることは「ストレス反応」と言います。
心身に影響を与える外部の刺激は主に4タイプ。
気温や騒音といった「環境的要因」 病気やケガなどの「心身的要因」 不安や悩みなどの「心理的要因」 人間関係や仕事が忙しいといった「社会的要因」
ストレス要因はネガティブな要素が多いものですが、嬉しい出来事もストレスになることがあります。たとえば、進学や就職、結婚や出産などは、それまでの生活環境や生活スタイルががらりと変わることから、ストレスに感じる人も多いものです。
さらにストレスに弱い性格や体質なども関係してくるので、同じ音の大きさでも気になる人と気にならない人がいます。ストレスの受け取り方は人それぞれ異なる点が、ストレス対策を難しくしている点と言えますね。
ストレスの種類はライフステージで異なる
現代社会を生きていくうえで、日々の生活とストレスを切り離すことはできません。年代ごとに、それぞれ少しずつ異なる事情でストレスを抱えているのです。
20代は、学校を卒業して仕事に就くことが多い年代。それまでの生活とがらりと環境が変わってくるので大きなストレスを受けやすい年代でもあります。特に仕事の課題や人間関係に対する悩みを抱えることが多いのが特徴。
30代は仕事の忙しさや量に対するストレスが増えてきます。また結婚や転職などで生活環境ががらりと変わる人が増えてくるのもこの年代の特徴です。
40代は責任ある立場に立つことが増えるため、仕事の質について求められるようになります。部下を持つ人も増えてくるため、上司と部下との板挟みになりやすいのも40代の特徴。
50代は人間関係のほか、健康問題や親の介護問題などがストレスの要因になることが増えてきます。
こうしてみると、人間関係は全世代を通して共通のストレスになることがわかりますね。
ストレスの心身への影響とは?
ストレスの要因は様々、感じ方も様々ですが、本人が不快に感じればそれはストレスとなります。人はストレスを受けると「身体的反応」と「精神的反応」の2つが現れます。
身体的反応の主なものには頭痛、腹痛、血圧の上昇、疲労感など。学校や会社に行きたくなくて頭が痛くなったり、おなかが痛くなったりした経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は会社を辞める前の半年ほどは、出勤時に動悸が激しくなり、苦しくて歩けなくなることがよくありました。今思えば、これもストレスによる身体的反応だったのでしょう。
何か病気をしているわけでもないのに身体に不調が現れたのだとしたら、それはストレスによる身体的反応の可能性があります。心と体は密接につながっているため、心の不安が体の不調として現れることは珍しくはないんです。
精神的反応は段階的に表れてきます。
ストレスを受けて最初に現れるのは怒りや不安、緊張、悲しみといった「心理的反応」です。不快な出来事が起きて、まず心に生まれる感情ですね。次にその心理状態をなんとかしたくて、飲酒や喫煙といった「行動の変化」が起こります。この行動の変化は、ストレスを解消するものではなく不安をごまかすためのものなので、ストレスそのものが解消されない限り習慣として定着してしまう恐れがあります。
飲酒や喫煙などを頻繁に行うようになれば、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などを引き起こす要因となります。さらには脳卒中や心臓病などを招いて命を脅かすことになることも。
現代社会に生きる私たちにとって、ストレスは切っても切り離せない存在です。
ストレスは心身に影響を与えるだけでなく、放置すると健康を損なうリスクが高まります。ストレスを受けないことが難しいのなら、ストレスを軽減する工夫をしたり、ストレスを受けた場合の適切な対処方法を知ったりしておくことが重要です。
今回は、ストレスの定義とストレスの心身への影響についてご紹介しました。
ストレスの要因は
環境的要因 心身的要因 心理的要因 社会的要因
の4つ。
また、ストレスを受けると人は「身体的反応」と「精神的反応」の2つが現れます。ストレスを受け続けると心身にも大きな影響が現れてくるので、ストレスを軽減する工夫や、ストレスを受けていることに気付き、適切な対処を取ることが大切です。
ストレスは心身にとっていいものではありませんが、中には役立つストレスもあるんです。次回は「適度なストレスのメリット」についてご紹介しましょう。
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