体がだるい、頭が重い、気力が起こらない…そんな日もありますよね。でもそんな日が続くのなら、もしかしたら物を考えるのに必要な栄養が不足しているのかも。
脳の栄養源である糖分は取っているから大丈夫、栄養ドリンクを飲んでいるから大丈夫…と思っているなら、ちょっと危ないかもしれません。
連載「やる気が出ないときに読む話」、今回は、「寝不足」「風邪」など、はっきりとした心当たりがない不調は、食事の内容に原因があるかもしれないというお話です。
食事内容が原因でやる気をなくすこともある
賃貸営業をしていた20代の頃、私の食生活は無茶苦茶でした。
朝は通勤途中にあるベーカリーで買ったパンとコーヒー、昼はコンビニのおにぎりにサラダ、夜は帰宅途中に購入した惣菜と自炊した白米。
2年目以降は、朝は目が覚めないので栄養ドリンク、やる気が低下してくる夕方にも栄養ドリンク。栄養ドリンクを選んでいたのは、食生活が乱れている自覚はあったので、コーヒーや清涼飲料水よりは栄養ドリンクのほうが体にいいだろうと思ったからです。
しかしある時、風邪をひいているわけでも寝不足というわけでもないのに、どうしても体がだるくて起き上がるのがやっと、という時期がありました。あまりにも体がだるいので上司に断りを入れ、応接室で横になっていたことも。
そんな時、実家の父が近所の人に分けてもらったというイノシシの肉を持ってきてくれました。なんでも畑を荒らすので捕まえて解体したとのこと。
この時の私は「食費が浮いた」程度にしか思いませんでしたが、シシ肉を焼いて食べたところ、不調がたちまち改善。
その時ようやく私は、ダイエットの敵だからと意図して避けていた肉類、つまりタンパク質が足りていなかったということに気づきました。
体のすべてはタンパク質でできているため、タンパク質が不足すれば全身の機能が低下するのは当たり前ですよね。
さらに、「糖質過多」の食生活もやる気に悪影響を与えるということを知りました。糖を摂り過ぎると、やる気の源となるドーパミンの分泌量が低下してしまうのです。
糖分はむしろやる気を出してくれると思っていたので、ちょっと驚きでした。
やる気を出すのに必要な栄養とは?
やる気をなくす原因として
- タンパク質不足
- 糖質過多
この2つがあることがわかりました。その理由についてご紹介しましょう。
必要な栄養「タンパク質」
筋肉のみならず、髪の毛や内臓、骨に至るまで、人の体はタンパク質でできています。ご存知の通り細胞は新陳代謝を行っており、古くなった細胞は役目を終えて体の外へ排出され、新たな細胞が体内で生み出されていきますが、その新たな細胞の材料となるのが食事で取り入れたタンパク質なのです。
ということは、タンパク質が不足すると体のあらゆる機能が維持できなくなり、機能低下を招くのは当たり前のこと。
またタンパク質は、例えば内臓に必要な分が足りなくなりそうなら、髪に使われるはずだった分が内臓に回されるというような具合に、タンパク質は足りなくなると体内でお互いに融通しあうので、不足していることに気づきにくい栄養素でもあります。
タンパク質には動物性と植物性の2種類がありますが、栄養素として取り込みやすいのは動物性タンパク質の方です。
摂り過ぎNG「糖質」
続いて糖質についてですが、タンパク質は意識して摂らなければいけないのに対し、現代の生活環境では、糖質は意識しなくても摂り過ぎになりやすいので注意が必要です。
というのも、お菓子のような甘いものだけでなく、ごはんやパン、麺類といった主食はもちろん、ジュースや果実類、根菜類にも糖質が含まれているからです。
糖質は脂質とともに体を動かすエネルギー源ですが、急激に糖質を摂るとその分解のためにインスリンが分泌されます。このインスリンが自律神経に作用すると、やる気をつかさどるホルモン、ドーパミンの分泌が低下。
つまり、糖質を頻繁に摂ると、その都度インスリンが出る→ドーパミンの量が低下してやる気が減退する、というサイクルを繰り返してしまうのです。
やる気を出すための食事のポイント
やる気を出すには、タンパク質を摂りつつ糖質の摂取量は控える食生活が好ましいことがわかります。
さて、このタンパク質ですが、食材選びには注意が必要です。
まず、体の材料として変換されやすいので、動物性タンパク質を選びましょう。
添加物が多く含まれている食材はタンパク質の補給源としてはベストとは言えません。その添加物の中には糖質も含まれているため、加工食品を多く摂取すると糖質過多になるおそれがあるからです。
また、脂質を多く含んだものは肥満予防の観点から好ましくないため、選ぶなら脂質が少ない部位がおすすめ。
牛・豚ならモモ、ヒレ、鶏肉ならムネやササミなどです。卵や豆腐も良質なタンパク質を含む食材です。
糖質に関しては、砂糖をたっぷり使っているものや、米や小麦からできているものは糖質が多いことがわかるため、ある程度コントロールが可能です。
気を付けたいのは、「一見すると糖分が含まれているようには見えないが、意外に糖分を多く含んでいる食べ物」。
例えば、ビタミンや食物繊維をたっぷり含んで体によさそうな果実類や根菜類、豆類には、糖分も多く含まれています。お酒も、日本酒やワイン、カクテルやサワーには糖分が含まれているので、選ぶのならウイスキーなどの蒸留酒がおすすめ。
野菜をしっかり摂りたい場合は、根菜を中心にするのではなく、青菜やもやしなどをあわせると糖質カットに役立ちます。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉の通り、体のコンディションはメンタルにも影響します。
体は食べたものでできるため、できるだけバランスのいい食生活を心がけることが大切です。
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次回は「やる気を出すのに効果的な運動」についてお伝えします。
参考URL:
https://www.weider-jp.com/protein/columns/detail/?id=100&category=health
https://www.otsukakj.jp/healthcare/iv/nutrition/
https://www.glico.co.jp/navi/dic/dic_04.html
https://toyokeizai.net/articles/-/139238
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