初めまして、広原 大と申します。
私は、2018年の夏に第二種電気工事士の試験に未経験から約1ヵ月の独学で合格しました。
その後、都心のマンションから江戸時代に建てられた古民家に移り住み、その古民家に住みながらDIYでリノベーションをしています。
DIYを楽しんでいる皆さんは、DIY中に「ここをもっと変えたいのにできない…」という壁にぶつかったことはありませんか?
その壁を壊す1つの手段が、第二種電気工事士資格の取得です。
この記事では、第二種電気工事士という資格が、実際のDIYの場面でどのように役立つのかを、実体験と共にお伝えします。
また、第二種電気工事士試験に関する情報と、資格を取得するメリットもご紹介します。どうぞ最後までお読みください。
私が第二種電気工事士の資格を取得した理由
第二種電気工事士の受験申込をした当時、私は都心のマンションに住んでいましたが、ペットが飼える敷地の広い中古戸建に引っ越す計画を立てていました。
不動産屋に連れられて中古戸建を内見していると、ほとんどの物件で、天井や壁を張り替えるといったリノベーションが必要になることが想像できました。
その際、「自分で電気工事ができれば、照明やコンセントの移設にともなう配線変更が気軽にできて、節約にもなるだろうな」と思ったことが、第二種電気工事士に挑戦した理由です。
結果的には、中古戸建のなかでも大掛かりなリノベーションを必要とする古民家に引っ越しましたので、想像していた以上に電気工事士の資格が役立ちました。
この記事では、そのあたりの具体的なことを書いていきたいと思います。
電気工事士の資格はDIYのメリットをさらに拡大する
実際に第二種電気工事士の資格を取った私が感じた、DIYにおける資格取得のメリットを、具体的に紹介します。
メリット① DIYでできることが増える
私の経験からDIYのメリットには
・人件費や材料費などのコストが抑えられる
・今すぐ着手できるので待ち時間が発生しない
・完成イメージが曖昧でも暫定的に進められる
・方針転換や軌道修正が気軽にできる
などがあると感じますが、電気工事が自分でできるようになると、これらのメリットがさらに拡大します。具体例を挙げてみましょう。
・部屋の照明やコンセントの場所を変えたり増やしたりできる
・壊れたり変色したコンセントをカバーだけではなく、まるごと新品に交換できる
・大型のエアコンやIHクッキングヒーターに必要な200Vのコンセントが設置できる
・複数の家電製品を同時に使うとブレーカーが落ちてしまう問題に対応できる
・ライティングレールや間接照明などのおしゃれな照明を自分で付けられる
・天井や壁、あるいは床にスポットライトなどの埋め込み式の照明を設置できる
どうでしょうか。
これを見るだけでも、大幅にできることが増えたと思いませんか?DIY好きな人なら、きっと興味を持つ内容かと思います。
しかし、できることが増えるだけがメリットではありません。
他にもメリットは多数あります。
メリット② DIYの費用を抑えられる
電気工事における費用の少なくとも半分は、人件費です。
例えば、コンセントの増設などの簡単な工事でも、業者に依頼すれば技術料や出張費などの人件費が加算され、それなりの出費になってしまいます。
ところが、同じ工事を自分でやると、材料費のみの数百円で可能です。
材料に関しても、電気工事に必要なあらゆる材料はホームセンターで買えますし、高額なものを買う場合やまとめ買いをするなら、通販を利用すれば業者価格で買えます。
むしろ、業者に依頼したら材料に利益が乗せられて、同じものを高く買う結果になってしまう可能性すらあります。
どの程度コストが抑えられるかの具体例として、我が家のことをお話しましょう。
我が家のダイニングの天井には、全長3メートルのライティングレールを設置していますが、この材料費は1万円以下でした。
ライティングレール 筆者撮影
もし、これを業者に依頼したら、どんなに安くても3万円以上はかかると思います。
我が家は、ライティングレールを玄関、土間、キッチンなどの複数の場所に設置していますので、それだけでも10万円以上の費用を節約できています。
他にも、コンセント設置などは数知れずやっていますので、合計すると数十万円以上は節約になっているでしょう。
メリット③ DIYの方針転換や軌道修正がノンストレスになる
すでにお話したように、電気工事はコンセントの追加や、照明の場所を変えるといった小規模な変更が頻繁に発生しやすい分野です。
それが、たとえ簡単な電気工事であっても、資格がないとダメなことは業者に依頼するしかありませんので、それなりの費用が発生してしまいます。
また、業者が良心から無料で対応してくれた場合も申し訳ない気持ちが残り、次に変更したいことが発生した場合に、気が引けて伝えにくい気持ちになるかもしれません。
ちょっとの変更なのに費用が発生するのもストレスですが、変更したいのに気が引けて言いだせずに妥協するのもストレスになってしまいます。
しかしながら電気工事が自分でできれば、低コストかつ、妥協することなく思いどおりに変更できますので、このようなストレスを感じることがなくなるのです。
メリット④ 理想の作業環境を整えることができる
DIYをやっていると、
・夜も時間の許す限り作業したい
・作業効率アップのため現場で卓上丸ノコを使いたい
など、作業環境を改善したいと思う事もあるでしょう。
そんなとき、電気工事ができれば、臨時の照明やコンセントをすぐに設置して、作業を継続できます。しかしこれは、電気工事士の資格がなければできないことです。
さすがに、臨時のコンセントを設置するために費用をかけるのはもったいないので、このような場合は不便を我慢しながら作業することになると思いますが、これも第二種電気工事士の資格があれば解決します。
DIY好きな人なら、「こんなことまでできるようになるのか…」と夢が広がる内容だったのではないかと思います。「でも、資格を取得するほどでは…」と思っている方もいるかもしれませんね。
続いては、この資格がDIY以外にも役立つのか、どんな仕事ができるようになるのか、試験は初心者でも合格できるの?…ということに踏み込んで解説していきます。
第ニ種電気工事士とはどんな資格?
まずは、第二種電気工事士の資格について見ていきましょう。
どんなことができてどんな仕事に就ける?
第二種電気工事士の試験実施団体のサイトを見ると、第二種電気工事士試験に合格すると以下のようなことができると書いてあります。
一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、電力会社から低圧(600ボルト以下)で受電する場所の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物の電気工事の作業に従事することができます。
これだけではいまいちピンとこないと思いますので「どんな仕事内容で、どんな会社で働けるのか?」について具体的に説明します。
まず、電気工事士の仕事を大きく分けると、鉄道電気工事と建築電気工事に分かれます。
鉄道電気工事には主に、電車を走らせるための電気設備に関する仕事と、駅の設備に関する仕事があります。 具体的な工事は、変電設備工事や線路工事、駅の電気設備の工事や点検などです。
一方、建築電気工事は、建物の新築、リノベーション、管理業務において発生する様々な電気工事やメンテナンスを行う仕事。 具体的には、屋内配線工事や外線配線工事、冷暖房設備工事やビル管理などが挙げられます。
電気工事士の主な就職先としては、鉄道会社、電力会社、工務店、太陽光発電設備などの会社、建物や施設の管理会社、家電製品(主にエアコン)の販売会社、および、それらの関連会社などが考えられます。
電気工事士だからといっても就職先は電気関連会社だけでなく、建設業など幅広い業種に需要があることがわかります。
第二種電気工事士は将来安泰?
第二種電気工事士の資格を取ると仕事の幅が広がることがわかりましたが、実は第二種電気工事士は、需要の高い資格でもあります。
実際に、私も自宅のリノベーションのために取得した電気工事士の資格でしたが、電気工事の仕事を請け負ったことがあります。
小さな工務店を営む知人から頼まれ、コンセントの増設などの簡単な電気工事を手伝い、報酬をいただきました。このように、お小遣い稼ぎになる可能性もあるのです。
もちろんそれだけではなく、電気工事士の知人によると「電気工事士の高齢化が進み、視力や体力の衰えによる引退が相次いでいて、電気工事士が不足しつつある」とのことでした。
調べてみると、確かにそのような予測データが公表されおり、今後、さらに電気工事士不足が進む可能性が指摘されています。
そういった現状を考えると、電気工事士は意外と有望な仕事の1つかもしれません。
また、雑誌やテレビで「人工知能(AI)やロボットの進化によりなくなる職業」という特集が話題になることがありますが、さらなる先行きを考えた場合に、電気工事士はAIに取られづらい仕事といえると思います。
電気工事は、回路設計はともかく、配線工事はロボット化が難しい分野だと思われますので、その部分を担う第二種電気工事士は、将来的を見据えても安泰な仕事といえるでしょう。
実務経験なしの初心者でも第二種電気工事士に合格できる?
ここまで読んでいただけたということは、電気工事士の資格に興味をお持ちだと思いますが、同時に「実務経験なしの初心者が第二種電気工事士試験に合格できるのだろうか?」という不安も感じているのではないでしょうか?
結論から言いますと、合格できます。
それは、第二種電気工事士の試験は合格率60%前後で、そこまで難しい試験ではないということと、実例として、独学で一発合格した私の経験があるからです。
ここで、体験談をお話しします。
受験当時の私はいろいろと忙しく、学習を始めたのは筆記試験の10日前。
さすがに、その10日間は平均すると1日8時間は学習しました。筆記試験の学習はスキマ時間でもできるので、電車などで移動中のときも問題集を開いていました。
筆記試験は正解率60%で合格なので、苦手な問題は捨て、記憶だけで解ける問題と得意な問題を集中的に学びました。
結果は合格!
次は技能試験です。
筆記試験の合格を確認してから電気工事に必要な道具を買いましたので、技能試験の練習を始めたのは試験の20日前から。
1日3時間から5時間のまとまった時間をとって、やりました。電気工事の作業は疲れますので、筆記試験のような極端な短期集中は難しいです。
技能試験は、配線図を描くことも、結線の実技も、正確さとスピードが重要なので、繰り返しの練習がなによりも大切です。
上記のような学習で、初心者の私は独学で、約30日間200時間の学習で合格できました。
あくまでこれは一例ですが、このように、独学でもがんばれば合格することは可能です。
独学の注意点を1つお伝えするなら、教材選びがとても大切です。
なぜかというと、私の場合、1冊目の本ではまったく理解できず「もう無理だ!時間がない、今回はあきらめよう」と思ったほどでしたが、気を取り直して買った2冊目では、すらすら理解できたからです。
ですので、もし学習を始めて難しいと感じたら、違う教材や気軽に受けられるオンライン講座などを試してみると、突破口が見つかるかもしれません。壁にぶつかったときにぜひ思い出してみてください。
第二種電気工事士は、DIYのできることを大幅に広げてくれる、価値のある資格です。
試験の合格率の高さや、私の経験談からもわかるように、未経験からのチャレンジでもそこまで難しい試験ではありません。
難易度の割には実際の場面で役に立つ、コスパの高い資格だといえるでしょう。また、職業としても将来の可能性が広がる資格だと思います。
DIYが好き・DIYに興味があるという方は、この機会にぜひ、資格取得の検討をされてはいかがでしょうか。
参考URL:
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/016_05_00.pdf
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