皆さん、こんにちは!
電力会社に就職後、独学で勉強しこの資格に挑み、技能試験で一度落ちたもの、再度の挑戦で合格を勝ちとった、現ライターの長谷川智治と申します。
この連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 では、第二種電気工事士試験の科目別勉強のコツや、試験に一度落ちた経験からわかる様々なことをお伝えできればと思います。
今回取り上げる内容は、第二種電気工事士試験の中で最初に学ぶ科目「電気に関する基礎理論」になりますが、筆者は電気系出身ではなかったため、しょっぱなから疑問を抱えることとなりました。
読者の皆様も、筆者と同じように、次のような疑問を感じたことはないでしょうか?
「電流と電圧の違いって何だろう?」
「交流回路って、どのような回路?」
これら電気の基礎知識は、第二種電気工事士の試験合格に向けて、最重要となる知識です。
筆記試験科目の1つである「電気に関する基礎理論」には、他科目においても必要となる基礎知識が、たくさん詰まっているのです。
そこで連載2回目となる今回の記事では、「電気に関する基礎理論」の勉強法について、「各電気量の性質」「交流回路の基礎知識」「基礎計算問題」の3項目に分類し、それぞれ解説したいと思います。
第二種電気工事士 試験科目 |
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筆記試験(1)電気に関する基礎理論 ←今回はココ! |
筆記試験(2)配線理論及び配線設計 |
筆記試験(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 |
筆記試験(4)電気工事の施工方法 |
筆記試験(5)一般用電気工作物の検査方法 |
筆記試験(6)配線図 |
筆記試験(7)一般用電気工作物の保安に関する法令 |
技能試験 |
「電気に関する基礎理論」の概要と配点
第二種電気工事士の試験の中における「電気に関する基礎理論」の分野は、その名の通り、基礎理論を学ぶ科目です。
主に、「各電気量の性質」「交流回路の基礎知識」「基礎計算問題」の3項目に分類され、この分野をしっかり覚えることが、他の科目の勉強をスムーズに進めるためにも大切になります。
また例年、この科目からは5問ほど出題される傾向です。
筆記試験の配点は全50問あるため、この科目だけで1割を占めていることになります。
繰り返しになりますが、この科目は他の科目の土台となる知識です。
そのため、全科目の中で最も重要度は高く、最初に取り組むべき科目といえるでしょう。
まずは何事においても基礎が重要であり、基礎が身に付くほど、他の科目も理解しやすくなるというものです。
もし、他の科目で躓いた時は、一度この科目に戻って、改めて基礎から学び直すというのも、1つの方法でしょう。
電流と電圧の違いとは?各電気量の性質について
第二種電気工事士の試験対策として、一番に覚えるべき内容は、電流・電圧・抵抗・電力など、各電気量の性質についてです。
中でも、特に混同しやすい電流と電圧の違いについては、きちんと理解しておくことが必要です。
この電流と電圧の違いについては、滝をイメージするとより覚えやすくなるでしょう。
滝の勢いは、水の高低差、そして流れる水の量によって決まりますが、その構図が電気エネルギーと似ているのです。
水の高低差は電圧、流れる水の量は電流に例えることができます。
どんなに高低差がある滝でも、そもそも水が流れなければ、滝とはいえません。
それと同じで、どんなに高電圧であったとしても、電流が流れなければ、電気エネルギーを持たないのです。
重要である電流と電圧の違いについて、覚えるコツとして使ってみてくださいね。
これらの各電気量は、直接出題されることはありませんが、問題文に頻出する語句になります。各電気量の知識がなければ、問題文すら理解できないといったことが起きるかもしれません。
ここをきちんと理解しておくことが、試験合格のために必須となる、前提の知識なのです。
交流ってどんなしくみ?交流回路の基礎知識について
交流という概念は、高校物理で少し触れられる程度であるため、「電気に関する基礎理論」を通じて、初めて学ぶという人も多いでしょう。
交流とは、時間の変化によって電気の流れが、プラスとマイナスへ交互に入れ替わるしくみのこと。そして、この交流を電源に持つ回路を「交流回路」と呼びます。
試験で出題される回路は、ほぼすべて交流回路であるため、交流回路の基礎を重点的に理解することが、効率的な勉強法となるでしょう。
試験に出題される交流回路の代表例は、以下の回路になります。
・RC回路
・RL回路
・LC回路
・三角結線
・Y字結線
それぞれの回路図は、似た形状を持つ種類もあるため、見ないでも書けるというレベルまで、記憶に定着させておきましょう。
より理解を深めるために、それぞれの回路における、電気と電圧の関係性を理解しておくことも、おすすめの勉強法です。
なぜなら、例年の傾向として、「この回路では、電流は電圧より〇〇の状態である」といった、関係性について尋ねる問題が出題されるためです。
また、電気と電圧の関係性の理解は、次に必要となる「電気回路の公式」をより円滑にインプットする手助けになります。
得点源になりやすい!基礎計算問題について
第二種電気工事士の筆記試験には、例年3割ほどの基礎計算問題が出題されています。
問題自体も全体の中では簡単な部類であり、ほぼすべての問題が公式に当てはめて解く形式のため、必要な公式とその使い方を理解していれば、大きな得点源となる分野といえるでしょう。
基礎計算問題の効率的な勉強法は、次の2つの知識をインプットすることです。
① オームの法則
オームの法則とは、電気抵抗に流れる電流は電圧に比例する、という法則です。
電流、電圧、抵抗の関係性については、中学生の理科の授業でも習う内容ですので、まだ覚えているという方も多いのではないでしょうか。
② 電気回路の公式
電気回路の公式は、電圧と電流の関係を示すものです。
公式は、交流回路ごとに決まっているため、それぞれ暗記しておかなくてはいけません。
これらオームの法則と電気回路の公式は、コンピューターとソフトの関係性に似ているといえます。
土台となるオームの法則に、電気回路の公式を組み込むことで、必要な数値が算出できる、といった構造になっているのです。
回路ごとにどの公式を当てはめれば良いのか、繰り返し問題を解くことで、知識の定着化を図ってください。
連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 、今回は、試験科目の1つ「電気に関する基礎理論」の概要や重要度、その勉強法についてお伝えしました。
「電気に関する基礎理論」で学ぶ内容は、今後紹介する他科目の前提知識となっていますので、第二種電気工事士を合格するために、最重要視すべき科目です。
一度ですべてを覚えようとせず、繰り返し学習を行って、知識の定着化を図ってみてくださいね。
さて次回は、「配電理論及び配線設計」の勉強法を取り上げる予定です。
この科目を学ぶことで、なぜ家まで電気が届くのか、その理由がわかると思います。参考にしていただけますと幸いです。
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