こんにちは、ライターの長谷川智治と申します。
この連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 では、独学で勉強しこの資格に挑んだ筆者が、科目別勉強のコツや、試験に一度落ちた経験からわかる様々なことをお伝えしていきます。
2回目の挑戦にて合格となりましたが、もっと効率良く勉強しておけば、1回目でも合格できたはず…。筆者の経験が、少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
今回解説するのは、筆記試験の科目「配線図」です。
配線図の問題は、一見すると複雑なため、初めて学ぶ人にとって難しく感じるのではないでしょうか。
筆者自身も、未経験から第二種電気工事士の勉強に取り組んだため、次のように思うことが度々ありました。
「配線図の問題は、どこから勉強すべき?」
「図記号は、どうやって覚えていくのが効率的だろう?」
そこで今回は「配線図」の勉強法について、わかりやすく解説していきます。勉強を進める際の参考にしてください。
第二種電気工事士 科目別勉強法 |
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筆記試験(1)電気に関する基礎理論 |
筆記試験(2)配線理論及び配線設計 |
筆記試験(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 |
筆記試験(4)電気工事の施工方法 |
筆記試験(5)一般用電気工作物の検査方法 |
筆記試験(6)配線図 ←今回はココ! |
筆記試験(7)一般用電気工作物の保安に関する法令 |
技能試験 |
知識の実用性も高い!「配線図」の概要と配点
「配線図」とは、電気機器に電気を供給するための設計図のことであり、読み方や図記号について学ぶことが、この科目の目的となります。
学ぶ知識の実用性も高く、第二種電気工事士として従事するのであれば、配線図を見ない日はないといえるほどです。
その分、この科目の配点も高くされており、例年この科目からは10問ほど出題されています。
得点全体の2割程度を占める配点となるため、しっかり対策をしておくと、大きな得点源となるでしょう。
出題される問題の形式もパターン化しており、図記号の意味や、使用目的について問う問題が多く出題されます。
覚える種類も多く、大変そうに感じるかもしれませんが、次章より解説する勉強法で進めると、より効率的にインプットできます。ぜひ、試してみてください。
また、技能試験の複線図は、「配線図」の考えを応用して作図することになるので、やはり配線図をしっかりと理解しておく必要があります。
そのため、1回で勉強を済ませるのではなく、繰り返し復習するつもりで、じっくり着実に進めていくとよいでしょう。
3つのステップで覚えよう!「配線図」の勉強法について
第二種電気工事士の筆記試験に出題される「配線図」の勉強法は、以下3つのステップで進めると、より効率的に理解できるようになります。
ステップ① 配線図に使われる図記号を覚える
ステップ② 図記号が表す機器・器具の写真を確認する
ステップ③ 図記号が表す機器・器具の使用目的を理解する
それぞれ詳しく解説していきましょう。
ステップ① 配線図に使われる図記号を覚える
最初のステップは、配線図に使われる図記号を覚えることです。
図記号は種類も多く、やみくもに丸暗記しても、なかなか得点には結びつきません。
そこで各図記号について、グループ分けしたうえで覚えていくことをおすすめします。
九九を1の段、2の段とそれぞれ覚えたように、図記号に関しても、コンセントのグループ、スイッチのグループ、とそれぞれ分けて覚えた方が混同せず、より効率的になるためです。
ステップ② 図記号が表す機器・器具の写真を確認する
第2ステップは、図記号が表す機器・器具の写真を確認することですが、これは他の科目「電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」で学ぶ内容でもあります。
そのため、すでに知識が頭に入っているという人は、省略しても問題ありません。
ステップ③ 図記号が表す機器・器具の使用目的を理解する
そして第3ステップは、図記号の使用目的を理解することですが、これにも1つ覚えるコツがありますので、次節にて詳しく紹介したいと思います。
成り立ちから覚えよう!機器・器具の使用目的の勉強法について
例えば、「図記号ELBは何のために使用するものか」という問題が出題されたとき、「ELB=漏電ブレーカー」ということを知っていれば、正しい解答を選べるでしょう。 「漏電ブレーカー」とは名の通り、漏電を感知するものだからです。
しかしこれは、機器の名前から使用目的が比較的わかりやすいパターンです。
一方で、「図記号CBは何のために使用するものか」と出題されたパターンでは、「CB=小ブレーカー」だと知っていても、機器の名称から使用目的までは、なかなか結びつきづらいのではないでしょうか。
そこで、単純に図記号の示す機器・器具を覚えるのではなく、図記号の成り立ちに注目する勉強法をおすすめします。
「CB」の場合、「Circuit Breaker」の頭文字であり、直訳すると「回路ブレーカー」、つまり全体を「小」分けして、より小さな回路を形成するための「ブレーカー」なのです。
では、もし小分けしていなければ、どうなるでしょうか。
例えば家の周辺に雷が落ちて、家に大量の電気が流れ込んできたとき、回路全体にその影響が伝わるため、家電製品の故障は免れません。
そこで、小ブレーカー組み込むことによって、一定値以上の電気の流入を遮断しよう、というのが2番目の問題の答えであり、「CB=小ブレーカー」の使用目的です。
他にも、コンセントや照明等の図記号は、それぞれ実物から着想を得て、図記号の形状が定められています。
このように図記号は、その成り立ちが機器・器具の性質や形状からくるものだということを踏まえれば、図記号の使用目的について、よりスムーズに理解できるでしょう。
連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 、今回は、試験科目の1つ「配線図」の勉強法について解説しました。
覚える内容は多くありますが、丸暗記に頼るのではなく、図記号はグループごとに、また成り立ちを踏まえて覚えることが、より効率的な勉強法となります。
科目としての配点も大きいため、じっくり時間を掛けて、確実に習得していきましょう。
さて次回は、筆記試験最後の科目「一般用電気工作物の保安に関する法令」について取り上げます。
第二種電気工事士の法律について学ぶ科目となりますが、なるべく堅苦しくならないよう、わかりやすく解説していきますので、参考にしていただけると幸いです。
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