皆さん、こんにちは!
この連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 では、独学で勉強しこの資格に挑み、技能試験で一度落ちたもの、再度の挑戦で合格を勝ちとった筆者が、科目別勉強のコツや、試験に一度落ちた経験からわかる様々なことをお伝えできればと思います。
連載3回目となる今回は、前回解説した「電気に関する基礎理論」に続く2番目の科目、「配電理論及び配線設計」の内容とおすすめ勉強法について解説していきます。
「科目の1つである『配電理論及び配線設計』って、どんな内容なの?」
「どこがポイントで、効率的な勉強法はなんだろう?」
といった疑問が解決いただけるのではないかと思います。
科目別勉強の対策として、ぜひ読んでみてください。
第二種電気工事士 試験科目 |
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筆記試験(1)電気に関する基礎理論 |
筆記試験(2)配線理論及び配線設計 ←今回はココ! |
筆記試験(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 |
筆記試験(4)電気工事の施工方法 |
筆記試験(5)一般用電気工作物の検査方法 |
筆記試験(6)配線図 |
筆記試験(7)一般用電気工作物の保安に関する法令 |
技能試験 |
「配電理論及び配線設計」の概要と配点
「配電理論及び配線設計」の内容は、大きく以下の3項目に分類されます。
・配電方式
・配線設計
・接地工事と省略条件
問題の特徴としては、簡単な計算問題と知識について問われる問題から構成され、例年5~7問ほど出題される傾向にあります。
また、どの問題についても、時間をかけてじっくり解くような問題ではなく、知識があれば1問につき10秒も掛からない問題が大半です。
そのため、試験当日は、時間が足りず得点を取りこぼしてしまうことのないよう、この科目の問題は、開始直後に着手することをおすすめします。
それでは、上記3項目のそれぞれの内容と勉強法について紹介します。
電気はどのようにして届くの?配電方式について
配電とは、発電所から電線を通じて、電気が使われる末端箇所まで電気を送り届けることです。また、電気の使用目的に合わせて、適切な電圧を供給する方式を配電方式と言います。
第二種電気工事士の筆記試験に出題される代表的な配電方式は、「単相2線式」「単相3線式」「3相3線式」があり、各配電方式において、最大いくらまでの電圧を出力できるかについて問う問題が頻出です。
加えて、変電所や変圧器、高圧線、低圧線、引込線など、送電網の構造についても出題されます。これについては、現物を知っておくといいでしょう。
そのため、おすすめの勉強法としては、テキスト文章だけで学ぶのではなく、配電方式と上記の電気設備を目で見て学ぶことです。
自宅の配電方式は何か、それぞれの電気設備はどのように接続されているのか、現物を確認することによって、記憶の定着率がより向上するでしょう。
安全な電気回路を作るためには?配線設計について
第二種電気工事士の仕事は、現場で実作業に従事するだけではありません。
住宅や店舗の屋内線が、漏電したり、ブレーカーが切れたりしないよう適切な回路を設計することも仕事の1つであり、これを配線設計といいます。
また例年の試験問題において、回路図と特定の条件から、適切な電線やブレーカーを選択させる問題は頻出です。
そのため、電線の種類や許容値、各ブレーカーの切れる条件など、必要な知識をインプットしておく必要があります。
細かな数字を覚えることになるので大変ではありますが、現役の作業者には忘れている人も多く、知識を備えておけば現場で重宝される人材になれるでしょう。
おすすめの勉強法としては、電線やブレーカーの特徴について、小さい規格から押さえていくことです。
電線であればより細いもの、ブレーカーであればより容量の小さいものから意識してインプットしてみてください。
理由としては、小さい規格になるほど、より出題されやすい傾向にあるためです。
そしてぜひ一度、自宅のブレーカーも確認してみてください。
メインとなる大きなブレーカー1つに対し、複数の小型ブレーカーが取り付けてあることが確認できると思います。
実現場においても、小さい規格の電線やブレーカーがより多く使われるため、出題される頻度もその分高くなると認識しておくといいでしょう。
接地工事と省略条件
接地は「アース(大地)」とも表記され、接地工事とは、電気を「アース(大地)」に逃がして感電を防ぐための工事です。
また、接地工事は以下の4種類に分類され、使用電圧によって工事内容が異なります。
・A種接地工事(高電圧用)
・B種接地工事(変圧器用)
・C種接地工事(300V超過)
・D種接地工事(300V以下)
筆記試験では、これら接地工事に関する問題が毎年1問は出題されており、特に第二種電気工事士の工事範囲に含まれる、C種接地工事とD種接地工事は頻出です。
問われる内容もパターン化しているため、以下のポイントを押さえることで問題を解けるようになるでしょう。
・接地抵抗値
・接地工事が省略可能か
接地抵抗値とは、それぞれの接地工事における「電気の逃がしやすさ」のことです。 例えば、エアコンの室外機なども接地工事が施されていますが、接地抵抗値が高い、つまり電気を地面に逃がしにくい構造になっていれば、触った時に感電する恐れがあります。
また、接地工事は安全上義務付けられた工事ですが、特定の条件を満たすことで省略することが可能です。
「次のうち、接地工事を必要としない電気工作物はどれか?」このように問われる問題も多いため、省略条件についてしっかり理解しておくといいでしょう。
そして、この科目おすすめの勉強法は、「水気」「乾燥」など、工事条件に注意して、上記のポイントを覚えていくことです。
理由としては、接地抵抗値や省略条件は、工事条件によって異なることもあるため、一生懸命覚えたとしても、工事条件の見落としによって不正解となることも考えられるからです。
また、筆記試験では1問程度しか出題されないとはいえ、技能試験においても、接地の取り付け工事は出題範囲となります。
なぜ接地工事を行う必要があるのか、その目的を理解することで施工ミスの防止にも繋がりますので、納得できるまで深掘りしておくといいでしょう。
連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 、今回は試験科目の1つ「配電理論及び配線設計」について、その内容と勉強法をお伝えしました。
「配電理論及び配線設計」は、他の科目と異なり、身近にある電気設備の内容も多いため、よりインプットしやすくするには現物の確認がおすすめです。
自宅や現場で確認するのが難しいという方は、ホームセンターや金物店でも取り揃えているため、そちらで確認してみるのもいいでしょう。
さて次回は、3つ目の科目「電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」の勉強法についてです。
筆記試験だけでなく技能試験にも関わる科目になりますので、しっかり学んでいきましょう。次回もお楽しみに!
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