皆さんこんにちは!
この連載では、筆者が第二種電気工事士に合格した体験に基づいて、資格取得への「最短勉強法」についてお話ししていきます。
第1回の今回は「第二種電気工事士の難易度について」です。
第二種電気工事士は技能試験もある技術系資格なので、建設業界はもちろん、その他の分野でも「手に職」を持っていることのアピールになる資格だと思います。
今回の記事では、第二種電気工事士はどのくらいの難易度なのか、そして、試験のどの部分が難しいのか・簡単なのか を、筆者の体験をふまえて解説していきます。
筆者自身は、自宅のコンセントを自分でUSBコンセントへ取り替えたい!という野望をきっかけに、フルタイムで仕事しながら第二種電気工事士に挑戦し、合格しました。
資格のおかげで自宅のコンセントを自分で取り替えるなど、DIYも楽しめています。
第二種電気工事士は「日常生活でも役立つ一生モノの国家資格」となるので、この記事をきっかけに、ぜひ興味を深めてみてください。
第二種電気工事士は文系でも大丈夫!
第二種電気工事士は、年齢制限も無く、誰でも受験できる資格です。実際、試験会場には制服を着た高校生の受験者もたくさん来ていました。
筆者も、専門用語に慣れてしまえば、試験勉強は決して難しいものではないと感じています。
第二種電気工事士の試験は、国家資格の中での難易度は中程度とされており、2020年の筆記試験の合格率は約62%、技能試験の合格率は約72%でした。
また、年に2回試験が実施されているので、チャンスも2回ある、取得しやすい資格です。
建設工事関係の資格ということで、「工学系の学校を卒業していなければ難しい?」「建設系の仕事じゃないと難しい?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、試験に合格した筆者は、理系ではなく文系学部の出身です。配線いじりなど全くしたこともなかったですし、専門用語も知らない状態でも合格できましたので、安心してください。
また「工事士」と聞くと男性の多いイメージですが、筆者は試験会場で、女性の受験者が意外と多かったのが印象に残っています。
筆記試験はもちろん、技能試験も机の上で配線を行う試験ですので、体力は関係ありませんし、実際に女性である筆者も全く心配なく取得できました。
以上のことから、第二種電気工事士の試験は合格率も高めで、受験資格や男女差も無い、きちんと対策をすれば誰でも合格を目指せる資格だと思います。
筆記試験の合格ラインは60点!基礎用語をスキマ時間でひたすら暗記
第二種電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験の2つの試験があり、筆記試験に合格しないと技能試験に進むことができません。
そこで、まずは筆記試験について詳しく紹介していきましょう。
筆記試験の例年の合格ラインは60点となっており、それを超えれば合格できます。
解答方式は、マークシートに四肢択一方式で解答していくやり方です。
では次に、この筆記試験で、どのあたりが簡単で難しいのか、科目別に紹介していきましょう。
こちらの表は、例年の出題数の目安です。
筆者の感じる難易度も列記したので、参考にしてください。
第二種電気工事士 筆記試験 科目 | 配点(1問=2点) | 難易度 |
---|---|---|
一般問題 | 30問(60点) | |
(1)電気に関する基礎理論 | 5〜6問 | 難 |
(2)配電理論及び配線設計 | 5〜6問 | 難 |
(3)電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 | 4〜5問 | 易 |
(4)電気工事の施工方法 | 5〜6問 | 易 |
(5)一般用電気工作物の検査方法 | 3〜4問 | 易 |
(6)一般用電気工作物の保安に関する法令 | 3〜4問 | 易 |
配線図 | 20問(40点) | |
(1)図記号 | 10〜12問 | 易 |
(2)複線図 | 4〜5問 | 難 |
(3)配線器具・工具・施工方法 | 7〜8問 | 易 |
50問(100点) |
筆記試験の簡単なところは?
筆記試験の科目の中でも、筆者が比較的簡単だと感じたところは、以下の科目です。
【一般問題】
(3)電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料および工具
(4)電気工事の施工方法
(5)一般用電気工作物の検査方法
(6)一般用電気工作物の保安に関する法令
【配線図】
(1)図記号
(3)配線器具・工具・施工方法
ここだけでおおよそ65点以上の配点があることと、これらの科目は名称や用途などを暗記すれば解ける問題が中心になっていることから、ここをメインにしっかり学んでいくことをおすすめします。
市販のテキストは、易しい科目から順に構成されていることが多いので、上記の科目を意識しつつ、順番に勉強していくといいでしょう。
勉強を始めると、専門用語や記号などに馴染みがないため、最初は難しいと感じるかもしれません。
しかしその用語は、実は日常生活で目にする電気器具の名前であることが多いです。
一見難しいと思う専門用語でも、実物が身近にあると思いのほか簡単に暗記できるので、不安に思わず進めていってくださいね。
筆記試験の難しいところは?
【一般問題】
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
【配線図】
(2)複線図
以上の科目は難易度が高めで、おおよそ35点分の配点構成になっています。
こちらは、配線を考えたり、計算をして答えを導いたりといった問題が多く、筆者自身も少し難しいなと感じました。
この難しい科目では、自分が覚えやすいと感じた1科目で満点(おおよそ10点分)を目指すくらいの勉強をしておけば、簡単な科目でミスをした場合でも安心です。
全部を理解しようとせずに、“簡単な科目の65点分に追加点を狙う科目”と捉えてしまってもいいでしょう。
あくまでも合計で60点を確実にとることを目標にするのが、最短合格への近道だと思います。
筆者自身は、難しい科目のうち、配線図の「(2)複線図」は得意なほうだと思ったので、この1科目について追加点を狙う目標で勉強しました。
きちんと解ける科目に集中して、苦手な科目は1つくらい捨ててしまっても、合格を目指すことは可能だと思います。
また、試験はマークシート方式なので、工具の名前などはうろ覚えでも、選択肢を見て正解を判断できるレベルの暗記で大丈夫です。
まずは、簡単な電気器具や工具の名前をスキマ時間で1つ1つ暗記していくことが、合格への近道となるでしょう。
技能試験は公表候補問題の反復練習あるのみ
続いては、第二段階の技能試験についてです。
技能試験は、問題用紙の配線図通りに実際に配線を組み立てる、実技の試験となります。
作業を行うドライバーなどの工具は自分で用意しなければなりませんが、電気工事士受験用の工具セットが販売されているので安心してください。筆者も、その受験用の工具セットのみで試験を受けました。
この技能試験で、筆者的にどのあたりが簡単でどのあたりが難しかったか、紹介していきましょう。
技能試験の簡単なところは?
技能試験で筆者が比較的簡単と感じたところは、毎年事前に試験候補問題が公表されるという点です。
よくある資格試験では、どんな問題が出題されるかわからないため、過去問で傾向と対策をとるなどして勉強をしますよね。
しかし第二種電気工事士の技能試験は、毎年の候補問題13問が公式に公開され、その中から1問だけ出題される仕組みになっています。
そのため、候補問題の練習さえしっかりしておけば、それ以上の応用知識を求められることはありません。
この、応用知識の必要がないという点は、電気工事未経験で資格を受ける方にとっては、試験に挑戦しやすいと感じる条件ではないでしょうか。
実際に筆者も、候補問題の配線だけを確実できるように練習し、あとはクオリティやスピードを高めることだけに集中しました。
ただし公表候補問題の中で、どの1問がでるかは予想できません。
そのため、全部のパターンを一通り練習しておくことが大切でしょう。
技能試験の難しいところは?
技能試験で筆者が難しいと感じたところは、配線を40分の試験時間で正確に完成させるスピードを習得することでした。
実際の試験では、問題用紙に書かれた配線図をすばやく理解して、試験会場で配られた箱に入っている配線を切り揃え、正しい配線のつなげ方をして、40分で配線を完成させなければなりません。
筆者は工具の使い方に馴染みがなかったので、なかなか要領良く時間内にできずに苦労しました。
技能試験は、試験が終了して退出した後に、採点官が細かくチェックして採点するのですが、完成していない状態のものは、細かいチェックの前に不合格となってしまいます。
そのため、まずは完成させるスピードを鍛えることが合格への近道だと思います。
時間内に完成するスピードを鍛えるには、時間を計りながら、繰り返し同じ問題を反復するしかないと思います。
筆者は、1年目の受験では完成できずに不合格になったので、2年目からはDVD動画・オンライン動画を見て、それを真似することを取り入れたのですが、とても効果的だったのでおすすめです。
見本となる方の作業を目で見て学び、それを真似して何度も反復してスピードを鍛えるのが、合格への近道となるでしょう。
ここまで第二種電気工事士の難易度や、合格ラインなど試験についての概要をお話ししました。試験のどのような点が難しくてどのような点が簡単なのか、お分かりいただけたでしょうか?
筆記試験は、問題の難易度が易しい、比較的簡単な分野から確実に60点をとる勉強法をすることが大事です。技能試験は、時間内にきちんと仕上げるための反復練習に励みましょう。
どちらの試験も、電気の基礎知識がない状態からでも、コツコツ勉強することで合格を目指せます。テキストやオンライン講座・動画など、使えるものをフル活用して、最短合格を目指しましょう!
次回では、第二種電気工事士を独学で学ぶというテーマを深堀りします。
筆者は、1年目の受験は独学のみで挑戦したため、コツをつかむまでに大変苦労したので、その経験から得た最短勉強法を解説していきます。ぜひご覧くださいね!
参考URL:
https://www.shiken.or.jp/zyukenannai/zyukenannai_k1.html
https://www.shiken.or.jp/situation/s-construction02.html
https://www.shiken.or.jp/examination/e-construction02.html
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