皆さんこんにちは!
この連載「第二種電気工事士の最短勉強法」 では、フルタイムで仕事しながら独学で第二種電気工事士に合格した筆者が、その体験に基づいて、第二種電気工事士資格取得のための効率的な勉強法についてお話ししていきます。
連載第3回の今回は、「第二種電気工事士の勉強期間や勉強時間について」です。
第二種電気工事士に挑戦しようと興味を持った方にとって、試験準備がどれくらい大変なのかは、最も気になる点ではないでしょうか。
今回の記事では、第二種電気工事士の試験に向けて、どのくらいの勉強期間をとれば安心なのか、日々の勉強時間はどのくらいとればよいのかを、筆者の体験を踏まえて解説していきます。
第二種電気工事士の勉強期間はどのくらい必要?
第二種電気工事士の試験は、年2回行われます。例えば2022年の上期は、筆記試験が5月30日で技能試験が7月23日または24日、下期は筆記試験が10月30日で技能試験が12月24日または25日となっています。
連載第1回でお話しした「技能試験の公表候補問題」が発表されるのは1月初旬で、上期筆記試験の6ヵ月前です。
筆者も含めて周りの合格者の傾向を聞くと、筆記試験の準備を始めるのは6ヵ月前が多いようでした。
そのため、筆記試験の準備については6ヵ月を1つの区切りと考えれば十分かと思います。さらに6ヵ月を、3つの勉強期間(1ヵ月、4ヵ月、1ヵ月)に区切るのが、筆者のおすすめです。詳しい勉強時間については、次の章で紹介します。
次に技能試験の勉強期間ですが、筆記試験後からの2ヵ月間で、短期集中で準備するのがおすすめです。
長い期間をかけると練習する間に作業の記憶が薄れて、練習の度に再度確認する時間が必要となり、効率が悪いと筆者は感じました。
短期集中でも毎日練習を行ったほうが、作業手順や実際の手の動きがしっかり記憶できたと感じています。
ただし、技能試験用の工具セットの購入については、品薄になる場合もあるようなので、早めに揃えておくのがおすすめです。
筆者は試験のテキストを購入する段階で、一緒に購入してしまいました。遅くとも、技能試験対策を行う前までには準備しておきましょう。
筆記試験のおすすめスケジュール!
ここからは、筆記試験の勉強期間と勉強時間について詳しく掘り下げていきます。
先ほど、筆記試験の勉強は、必要である6ヵ月を3つの勉強期間(1ヵ月、4ヵ月、1ヵ月)に区切るのがおすすめと話しました。この1つの期間ずつ、勉強法や日々の勉強時間について見ていきましょう。
最初の1ヵ月は基本用語を完璧にしよう
最初の1ヵ月は、基本用語問題のみを繰り返し解いて、 専門用語への苦手意識を無くして欲しいです。
どのみち、基本用語をしっかり理解していないと、次の段階の問題さえ読み解けないので、まずは基本知識を備えることがとても大切です。
なお基本用語問題 とは、「4つの選択肢」が文章や数字ではなく「写真・名称・記号のみ」の短い問題のことで、テキストの「配線図記号」「配線器具・工具」の単元にあります。
問題文の短い単純な問題を毎日ピックアップして、4つの選択肢に出てくる基本用語をすべて暗記していくイメージです。
基本用語問題は、1問あたりの解答時間が1分もかかりません。パッと写真を見て、すぐに名称などの解答を選ぶという問題ばかりなので、一瞬で正解できたかどうかがわかります。
そのため、電車の中で10分しか勉強時間がとれなくても、着実に勉強が進みます。
まずは毎日30分の勉強時間をとることを目標に、基本用語問題のみを積み上げていくとよいと思います。
筆者はこの最初1ヵ月のプロセスがあったからこそ、勉強が進んでいる充実感を得られて、専門用語への苦手意識がなくなりました。
続く4ヵ月間で、しっかりテキストを読み終えよう!
そこから先の4ヵ月ほどの勉強期間は、すべてのテキストページを、章ごとにコツコツと進めることを目標にしましょう。
この期間のおすすめの勉強は、平日は朝に20分・夜に20分同じ章を復習する、そしてその章は2日間で終える、というサイクルを繰り返して、着実にテキストを進めるという方法です。
そして週末などの休日には、1週間分の復習を2時間ほどかけて行うのが、堅実な勉強時間の使い方ではないかなと思います。
テキストでは、1つの章が見開き2ページという場合が多いのですが、2ページを2日間でやるサイクルですと、4ヵ月続けると、自然と一通りの全分野テキストを読む計算になります。
この4ヵ月で、テキストを読み終えられるように進めてみてください。
最後の1ヵ月は、試験時間を意識して過去問に取り組もう
そして、筆記試験直前1ヵ月は、筆記試験の試験時間が120分であることを意識して、テキストに載っている過去問題やホームページで公開されている過去問題を解く勉強を行いましょう。
平日は、過去問題を解く時間として30分以上確保することを目標にするのをおすすめします。そうすると、3~4日で1回分の過去問題を終えられるからです。
そして、週末などの休日は、120分以上のまとまった勉強時間を確保して、時間を計りながらの実践形式で、1回分の過去問題を解く練習をするのがおすすめです。
筆記試験のおすすめスケジュール
勉強内容 | 勉強時間 | |
---|---|---|
6ヵ月前 | 基本用語を覚える(基本用語問題のみを繰り返し解く) | 毎日30分 |
5ヵ月~2ヵ月前 | テキストを読み込む | 平日:朝晩20分ずつ 休日:2時間 |
1ヵ月前 | 過去問を解く | 平日30分、休日120分以上 |
技能試験のおすすめスケジュール!
最後は、技能試験の勉強期間や勉強時間について詳しく掘り下げます。
筆記試験の日程は技能試験の約2ヵ月前で、筆記試験の合格発表は技能試験日程の約2週間前です。
筆記試験の合否を確認してから技能試験の対策をしようかな…と考える人もいるかと思いますが、あまりおすすめできません。
それは、まさしく筆者自身が、本格的な対策を筆記試験の合格発表後2週間で行って、準備不足で落ちてしまった経験があるからです。
筆者のこの経験からも、筆記試験を受験した後、すぐに技能試験の本格的な勉強を始める、2ヵ月間の短期集中対策をおすすめします。
筆記試験の対策は、電車に乗っている10分間でもできるので場所を問わないのですが、技能試験は工具を使うので机に向かってやらなければなりません。
片手間とはいかないため、短期集中で行ったほうが効率もよいと思います。
初めの1ヵ月半は、とにかくコツコツ学ぼう
2ヵ月間の初めの1ヵ月半は、第1段階です。
平日は毎日、1日10分ほど動画やテキストの写真を見たり解説を読んだりし、その後20分ほど工具で実際に配線作業を行うなど、合計30分ほどの練習をしてみましょう。
そして週末などの休日に2時間ほどまとまった時間をとり、候補問題を実際に1、2問解いてみる、という勉強時間の取り方が効率がよいです。
実際の実技試験時間は40分ですが、この時間内に問題を終えないといけません。しかし、慣れないうちは、1つの問題を終えるのに2時間ほどかかる人もいます。
筆者も最初は手順を忘れてしまい、いったん手をとめて再度動画や解説を見る、ということを繰り返し、2時間以上かかりました。
そんな筆者の経験からも初心者の人は、休日に2時間ほどまとまった時間を取り、一通り完成させる日を作るのはとても大事だと思います。
試験前2週間は、公表問題13問を時間内に終える練習を
そして試験直前の2週間は第2段階です。
毎日1問以上、40分の時間を計って実践形式で問題を解きましょう。
実際の試験を想定して、30分程度で配線を終え、残りの時間で手直しや見直しを行うように時間配分をするのが理想です。
その後、テキストや動画で解答を確認して、自己採点を10分以上行いましょう。だいたい毎日1時間程度で1問を完璧にするイメージです。
公表問題は13問ですので、試験のおよそ2週間前から毎日行うと、すべての候補問題が網羅できるでしょう。
実技試験の練習に取り組む皆さんに筆者がお伝えしたいのが、オンライン動画を活用するメリットです。
動画では、テキストではわかりづらい工具使用時の手さばきや配線の順番をわかりやすく確認でき、それを真似すればいいので、とても便利です。
また、「上手な人はこのくらいの時間でこの配線作業をするのか!」という、目安がわかるのでおすすめです。ぜひ、効率のよい勉強法として活用してみてください。
技能試験のおすすめスケジュール
勉強内容 | 勉強時間 | |
---|---|---|
2ヵ月前 | 平日:動画や写真を見た後、工具で配線作業を行う 休日:実際に候補問題を解く |
平日:30分 休日:2時間 |
0.5ヵ月前 | 実際の試験時間を想定して候補問題を解く | 平日・休日:40分以上 |
今回は、第二種電気工事士の勉強期間や勉強時間について、体験を交えてお話ししました。
筆記試験は、1ヵ月で用語の名称に慣れ、4ヵ月でテキストを一通り勉強。最後の1ヵ月で過去問題を何度も解くような段階を踏むのがおすすめです。
技能試験は、2ヵ月の短期集中で、毎日手を動かしたり動画で手順を確認したりして、最後は時間を計って候補問題全てを練習しましょう。
第二種電気工事士の試験は、初心者がコツをつかむまでに少々時間がかかるかもしれませんが、きちんと対策すれば半年の勉強期間でも充分に間に合います。
効率のよい勉強方法で、最短合格を目指してくださいね!
次回は、第二種電気工事士の勉強法を深堀りします。
筆者自身は、独学が中心だったため、コツをつかむまでに大変苦労しました。その経験から得た、最短勉強法を解説していきます。ぜひご覧くださいね!
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