こんにちは、ライターの長谷川智治と申します。
この連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 では、独学で勉強しこの資格に挑み、2回の挑戦で合格を勝ちとった筆者が、科目別勉強のコツや、試験に一度落ちた経験からわかる様々なことをお伝えしていきます。
今回は、筆記試験5つ目の科目「一般用電気工作物の検査方法」の勉強法について解説します。
安全な電気設備を造るためには、入念な検査が不可欠です。
ただ、筆者が第二種電気工事士の勉強をしているとき、次のように考えることがありました。
「検査の重要性は何となくわかるけど、試験に出やすいのはどこらへんだろう?」
検査といっても様々な種類があり、現場を経験していない受験生にしてみれば、どれを重視すべきか定かではありませんよね。
そこで今回は、試験に出やすい項目もあわせて紹介していきます。
第二種電気工事士 科目別勉強法 |
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筆記試験(1)電気に関する基礎理論 |
筆記試験(2)配線理論及び配線設計 |
筆記試験(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 |
筆記試験(4)電気工事の施工方法 |
筆記試験(5)一般用電気工作物の検査方法 ←今回はココ! |
筆記試験(6)配線図 |
筆記試験(7)一般用電気工作物の保安に関する法令 |
技能試験 |
「一般用電気工作物の検査方法」の概要と配点
第二種電気工事士の仕事は、電気工事の施工が完了したからといって、終わりというわけではありません。
施工した電気設備が「感電・漏電・火災」 の恐れなく動作するか、入念な検査を終えて初めて仕事が完了するのです。
検査を行う目的とは何か、怠るとどのような災害に繋がるのか、「一般用電気工作物の検査方法」は、それらについて学ぶ科目となります。
一方で、学ぶ重要性が高いにもかかわらず、筆記試験の配点は低い傾向にあり、筆記試験50問のうち例年3問ほどしか出題されません。
「電気に関する基礎理論」や「配線図」などの配点が高い科目に比べて、勉強する優先度は低いといえるでしょう。
ただ、筆者のアドバイスとしては、やはりこの科目についても、しっかりと勉強していただきたく思います。
なぜなら、この科目から出題される検査手順や目的は、電気を利用する方々の安全に繋がる内容だからです。
検査の知識不足が故に感電事故を起こしてしまい、裁判に発展するというのは珍しい話ではありません。
安全を意識できる電気工事士になるために、正しく着実に知識を付けていきましょう。
試験に最も出やすい内容!検査の手順と目的について
「一般用電気工作物の検査方法」から最も出やすい内容は、検査の手順とその目的です。
以下の検査手順について、しっかり覚えておくようにしましょう。
・目視点検
・絶縁抵抗測定
・接地抵抗測定
・導通試験
また、各手順の目的を把握しておくことも重要です。
第二種電気工事士として働いていなくても、目視点検や導通試験については、その目的をイメージできるのではないでしょうか。
この2つはその名の通り、目で視て異常がないか確認したり、実際に電気を通して動作確認をしたりすることです。
一方で、絶縁抵抗(測定)や接地抵抗(測定)については、あまり馴染みのない言葉に感じるでしょう。
この2つは、筆者も理解するまで時間がかかりましたが、手早く納得するために、「家電製品に触れても感電しない理由」を深掘りしていくことをおすすめします。
一般的に家電製品は、コンセントによって電気と繋がっていますが、触れても感電しないのは、電気を外部へ漏らさないために絶縁抵抗が高く保たれているから。
つまり、絶縁抵抗測定の目的は、漏電させないために絶縁性が保たれているかを確認するためといえるのです。
また、家電製品は、消費しきれなかった電気を家電本体に帯電しないように、接地線を通じて大地に電気を逃す構造になっています。
接地抵抗が低ければ低いほど、より電気を大地に逃がしやすく、感電の恐れも低くなる、という仕組みです。
紹介した4つの検査の目的は、すべて安全と関連付けることができます。
各検査が何の安全性を確認するためのものか考えると、より良い勉強法になるでしょう。
検査基準値は特に重要!測定器具について
検査では、様々な種類の測定器具を使用するため、それらについても知っておかねばなりません。
しかし「一般用電気工作物の検査方法」の科目では、測定器具の名称や使い方など、覚える内容が多くあるため、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、より効率的な勉強法として、次の点を意識して勉強することをおすすめします。
・測定器具の写真
・使い方
・測定目的
・検査基準値
測定器具の写真は、テキストの写真だけでなく、検索エンジン等を駆使して、様々な種類があることを知っておくとよいでしょう。
電流を計るにしても、直接電線に当てて測定するタイプと、電線に当てなくても、電流が生み出す磁力線から測定するタイプがあるように、メーカーによって各測定器具の形状や使い方が異なるためです。
また、基本的に測定器具の名前には、「電流計」や「電圧計」のように、測定箇所の名称が含まれています。上で説明した「絶縁抵抗」の例のように、名称の意味を理解しておくことで測定目的も理解できるでしょう。
そして、どのような値を示せば異常なしと判断できるのか、検査基準値に関する問題は筆記試験に頻出します。
法定速度が60キロと定められているから、速度超過を判断できるように、法定電圧等の基準値を知らなければ、正しく検査をすることができません。
異常の有無を正しく判断できるようになるためにも、絶縁抵抗値や接地抵抗値など、必要な数値をしっかりとインプットしておきましょう。
連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 、今回は、試験科目の1つ「一般用電気工作物の検査方法」の勉強法について解説しました。
この科目では「絶縁抵抗」や「接地抵抗」など、馴染みのない専門用語が出てきますが、試験合格のためには必要な知識です。
動作確認のため、感電や火災などの災害防止のためなど、検査の種類によって目的が違うことを意識すれば、より覚えやすくなるでしょう。
ぜひお試しください。
さて次回は、筆記試験6つ目の科目「配線図」について取り上げます。
出題されやすい図記号や、効率的に覚える勉強法を解説していきますので、そちらも参考にしていただけると幸いです。
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