こんにちは、ライターの長谷川智治と申します。
この連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 では、独学で勉強しこの資格に挑み、2回の挑戦で合格を勝ちとった筆者が、科目別勉強のコツや、試験に一度落ちた経験からわかる様々なことをお伝えしていきます。
前回までは、筆記試験の科目別勉強法について解説しました。
最終回となる今回の記事では、筆記試験合格後に待ち受ける、第二種電気工事士になるための最終関門、「技能試験」について解説していきます。
技能試験について勉強するとき、次のような疑問を感じたことはないでしょうか。
「欠陥なしの状態で課題を完成させるためには、何がポイントなのだろう?」
技能試験では、課題に欠陥が1つでもあれば不合格となってしまうため、正しく施工する能力が極めて重要です。
筆者自身も欠陥に対する意識が甘く、一度不合格となりましたが、その後勉強法をあらためることで、無事合格できました。
日頃からどんなポイントを意識すればいいのか、おすすめの勉強法とは何か、本記事でしっかり紹介していきたいと思います。
第二種電気工事士 科目別勉強法 |
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筆記試験(1)電気に関する基礎理論 |
筆記試験(2)配線理論及び配線設計 |
筆記試験(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 |
筆記試験(4)電気工事の施工方法 |
筆記試験(5)一般用電気工作物の検査方法 |
筆記試験(6)配線図 |
筆記試験(7)一般用電気工作物の保安に関する法令 |
技能試験 ←今回はココ! |
第二種電気工事士 技能試験の概要とポイント
第二種電気工事士の技能試験は、例年以下の日程で行われています。
上期試験:6月上旬に筆記試験合格発表→7月中旬に技能試験実施
下期試験:11月上旬に筆記試験合格発表→12月中旬に技能試験実施
試験に出題される課題は、事前に公開されているので、必ずチェックしておきましょう。
候補問題全13問あるうち、いずれかが出題されます。
そして技能試験に合格するためには、以下の基準を満たしておかねばなりません。
・1つも「欠陥」がないこと
・制限時間40分以内に、課題を完成させること
技能試験の対策に着手し始めた頃は、どちらも難しい基準だと感じるのではないでしょうか。
筆者自身、当時は不安が大きく、独学では厳しいのではないかと感じていました。
しかしきちんと対策しておけば、独学でも十分に合格できます。これから挑戦される方は、次節より紹介する勉強法を参考にしていただければと思います。
合格率は例年7割程度で、そこまで難関というわけでもなく、合格する人の方が多い傾向にあります。
しかし忘れてはならないのが、技能試験の受験者は、筆記試験を突破しているということです。つまり、電気の基礎知識を有していても3割程は落ちることになるので、やはりしっかりと対策しておく必要があるでしょう。
また、技能試験の特徴として、欠陥の有無を自分で確認するのが難しいという点があります。
知識として正しい施工方法を知っていても、本番で上手く実力が発揮されるとは限りません。皆さんも、算数や数学のテストにおいて、うっかり計算ミスをしてしまった経験があるのではないでしょうか。
それと同じように、頭で正解をわかっていてもミスをする受験生が多く、入念に準備していても中々安心はできません。
そこで、技能試験を少しでも効率的に対策するために、次章より紹介する勉強法がおすすめです。
どんな問題が出題されるのか?候補問題を確認しよう!
第二種電気工事士の技能試験には、先にお伝えした通り、事前に公表された候補問題からいずれか1題が本番に出題されます。
つまり、候補問題を十分に対策することで技能試験の合格確率が高まるのです。
しかしここで、1つ意識していただきたい勉強法があります。
それは、いずれの候補問題についても、「30分以内に仕上げる」ということです。
試験本番の制限時間は40分となりますので、10分以上の時間を残して完成させることを目指してみてください。
その理由は、欠陥の有無をチェックするための時間を確保するためです。
候補問題については、手際よく進めれば20分以内に施工できる作業量になっていますが、筆者は1度目の本番当日、制限時間ギリギリまで要してしまいました。
これにより、欠陥の有無を確認する時間が取れず、また時間に焦って本来の実力を発揮できなかったと思います。
これらの敗因はすべて、やはり完成までの時間によるものが大きいと感じましたので、「30分以内に仕上げる」ことは合格に向けて大切なポイントです。ぜひ、筆者の失敗も参考にしていただければ幸いです。
「欠陥なし」で施工するための4ステップを紹介!
最後は、技能試験を「欠陥なし」で施工するための、4ステップを紹介していきます。
・欠陥の定義を理解する
・施工手順の練習
・候補問題の実践
・欠陥の有無のチェック
まず肝心なのは、電気技術者試験センターのホームページで、欠陥の定義について知っておくことです。何が欠陥に該当するのか、またどうやったら欠陥とならないよう作業できるのか、一度確認してみてください。
例えば、電線の接続や、スイッチ、ランプなどの機器の設置は、ほとんどの課題に含まれているので、繰り返し練習しておくとよいでしょう。
また候補問題については、最低2回以上練習しておくことをおすすめします。
そして、練習後は必ず欠陥の有無をチェックしておきましょう。
筆者自身の経験では、練習1回目で手応えを感じたとしても、使用する材料を間違えるなど誤った知識のまま施工していることがあり、2回目の練習によって気づくことができました。
「欠陥なし」で施工できたか確認するためにも、繰り返し練習する、他の人にチェックしてもらうなど、完璧と言えるまで追求しておくといいでしょう。
連載「第二種電気工事士の科目別勉強法」 、今回は、第二種電気工事士「技能試験」の勉強法についてお伝えしました。
練習段階では30分以内の完成を目指すこと、終わった後は必ず欠陥のチェックを行うこと等、日頃の練習から心がけてみてください。
本番では緊張もあると思いますが、十分な練習が伴えば、幾分気持ちが楽になるはずです。
さて、第9回まで続いた本連載も、今回を持ちまして終了となります。
筆者自身の経験を少しでも活かせればと思い、執筆しました。
連載1回目でお伝えした通り、第二種電気工事士は、国家資格の中でも比較的難易度が低い部類です。
各科目をきちんと対策しておけば、きっと結果に結びつくでしょう。
ここまで記事を読んでくださった皆様が合格できることを願いまして、まとめといたします。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
参考URL:
https://www.shiken.or.jp/situation/s-construction02.html
https://www.shiken.or.jp/candidate/
https://www.shiken.or.jp/candidate/handankizyun.html
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