連載「説得力UP!Excelグラフ活用術」、初回は基本中の基本・棒グラフと折れ線グラフについて説明しました。
第2回の今回は、会議資料やテレビでもよく見かける「円グラフ」と、見かける機会が少ない「面グラフ」について紹介します。
Excelで円グラフを作成したことはあっても、どんな種類があり、どんな特徴があるのか、いまいち知らないという方も多いのではないでしょうか?
この記事を参考に円グラフや面グラフの特徴をつかんで、会議資料や企画書のレベルアップを狙いましょう!
基本編:構成比を表すのに最適「円グラフ」
円グラフの特徴
● 全体に占める割合を表したい場合に適しています。
● 全体を100%とし、その構成を扇形の面積比で表しているのが特徴です。
● 系列は、12時方向から時計回りに配置されます。通常、構成比が大きいものから小さいものを並べ、その他がある場合は最後に表示します。
円グラフの使用例
● 来店者の世代別割合を表す
● アンケート集計結果
● 24時間のスケジュール管理(実際の時計に見立て、0時から24時までのタイムスケジュールの把握)
円グラフの作成例
以下の表から、支店別売上構成比を表す円グラフを作成する手順を簡単にご紹介します。
(以下、Excel2019で作成。フォントは游ゴシックを使用)
↓元の表データ
① A2セルからB12セルまでを選択する
② リボンの「挿入」タブをクリック 「グラフ」グループ→「円またはドーナツグラフの挿入」→「2-D円」→「円」をクリックする
あとは、グラフを選択するとタブに表示される「グラフツール」の「デザイン」及び「書式」タブで見映えを整えれば完成です。
※下図では以下の調整を行っています。
・「(グラフの)デザイン」タブで「グラフスタイル」グループ→「スタイル1」を指定 グラフ上のグラフタイトルを入力
・「(グラフの)デザイン」タブで「グラフスタイル」グループ→「色の変更」→「カラフル」→「カラフルなパレット1」を指定
・「(グラフの)デザイン」タブで「グラフ要素を追加」→「凡例」→「なし」に指定
・「(グラフの)デザイン」タブで「グラフ要素を追加」→「データラベル」→「その他のデータラベルオプション」をクリック画面右側に作業ウインドウが表示されるので「ラベルオプション」→「ラベルの内容」→「分類名」及び「パーセンテージ」のみを選択
↓作成後の円グラフ
そのままでもいいですが、下の図のように、元の表データを出荷量の多い順で並べ替えることでさらにわかりやすいグラフになります。
応用編:少数派回答も活かせる「補助縦棒付き円グラフ」
基本的な円グラフの作成方法を学んだところで、別の円グラフにもチャレンジしてみましょう。
円グラフにも色々種類がありますが、その中でも今後使えそうな補助縦棒付き円グラフについて紹介します。
補助縦棒付き円グラフの特徴
● 円グラフでは構成比の大きい項目から順に表示することが多いので、構成比の小さい最後の方にある項目は、小さくて見づらくなるか「その他」に集約して表示させることになります。この「その他」にあたるデータの詳細を、わかりやすく見せることができます。
● 円グラフの中で似通った項目をまとめて切り出して見せたいときにも有効です。
補助縦棒付き円グラフの使用例
● 全国特産品出荷数(各都道府県で出荷している野菜や果物等の出荷割合)
● 支出項目の割合(詳細に分析して無駄な支出を指摘する場合)
補助縦棒付き円グラフの作成例
例えば、先ほども使用した上記の円グラフでは、北海道から青森県の数量の小さい項目が見づらくなっていましたよね。
そこで、これらの数量が小さく見づらい項目を補助縦棒付き円グラフとして切り出す手順を簡単にご紹介します。
(以下、Excel2019で作成。フォントは游ゴシックを使用)
「(グラフの)デザイン」タブで「グラフの種類の変更」→「円」→「補助縦棒付き円グラフ」を指定
↓作成後の補助縦棒付き円グラフ
なお、例えば上のグラフで別の系列も補助プロットへ移動したいときには、
「書式」タブで「現在の選択範囲」グループで「系列“〇〇”」を選択し、 「選択対象の書式設定」をクリック。
画面右側に作業ウインドウが表示されるので、「系列のオプション」より「補助プロットの値」を増やします。
この作業では、反対に「補助プロットの値」を減らすこともできますよ。
下図のように補助プロットの数を「4」で作成すると、補助縦棒には4つの項目が表示されます。
この数字を「6」に変更してみます。すると、補助縦棒でも6つの項目が表示されます。
上級者向け:使うシーンを選ぶ「面グラフ」
最後に、Excelをよく利用する方でも使う機会が少ない面グラフをご紹介します。
面グラフは、折れ線グラフと同じで、データの推移や大きさの変化を表すのに利用します。特定の項目の傾向の変化を表現するなら折れ線グラフ、全体の傾向の変化を表現するなら面グラフがよいでしょう。
面グラフは積み上げグラフとして使うことが一般的で、変化の大きい系列を一番上に配置することで変化の大きさを際立たせることができます。
面グラフの特徴
● 折れ線グラフで表示したグラフを、X軸方向に塗りつぶしたものです。
● 項目が多すぎて折れ線グラフだと見づらくなる場合や、複数の項目の推移を比較する場合に適しています。特に、時系列での動きが把握しやすいグラフです。
面グラフの使用例
● 支店別の売上推移(横軸:年月日、縦軸:売上金額、支店名の項目)
● 支出の内訳の推移(横軸:年月日、縦軸:金額、消費・投資・浪費の項目)
面グラフの作成例
以下の表から支店別月間売上を表す面グラフを作成する手順を、簡単にご紹介します。
(以下、Excel2019で作成。フォントは游ゴシックを使用)
↓元の表データ
① A2セルからE8セルまでを選択する
② リボンの「挿入」タブをクリック 「グラフ」グループ→「折れ線/面グラフの挿入」→「2-D面」→「積み上げ面」をクリックする
作成直後は下図のようなグラフです。
あとは、グラフを選択するとタブに表示される「グラフツール」の「デザイン」及び「書式」タブで見映えを整えれば完成です。
※下図では以下の調整を行っています。
・「(グラフの)デザイン」タブで「グラフスタイル」グループ→「スタイル10」を指定 グラフ上のグラフタイトルを入力
・「(グラフの)デザイン」タブで「データ」グループ→「データの選択」→「凡例項目(系列)」で「4月」を一番上に移動
同じように「3月」「2月」「1月」の順番に並べ替えます。
以上の操作で、グラフ上では一番変化の大きい「1月」が一番上に表示されます。
↓作成後の面グラフ
なお面グラフを見やすくするためには、面グラフの種類の中から3Dスタイルを選択したり、手前の項目の色を透けるように設定したりする方法があります。
例えば、上の面グラフを3Dスタイルに変更する手順は以下の通りです。
グラフを選択し、「(グラフの)デザイン」タブ→「種類」グループ→「グラフの種類の変更」→「面」→「3-D面」を指定
↓3-Dに変更後の面グラフ
今回はExcelでよく使われる円グラフと、あまり見かけない面グラフについてご紹介しました。
資料を作る際には、各グラフの特徴を思い出し、用途にあわせて作ってみてくださいね!
次回は「散布図、株価」グラフをご紹介します。少し特殊なグラフを作成してみたい人は必見です!
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