こんにちは。オンスク 数学検定3級講座担当講師の添田享です。
連載「中学数学のおさらいをおすすめする理由」、前回は、数学検定の概要についてご説明しました。
数学検定では、3級が最も受験者数が多いのですが、この3級という階級は中学数学(中学3年生までに学ぶ範囲)のレベルに該当します。
今回はこの中学数学のおさらいをおすすめする理由についてお話しします。
「算数」と「数学」の違いとは?
覚えていらっしゃる方も多いと思われますが、小学生までは「算数」で中学生から「数学」となります。この違いがわかる方はいらっしゃいますでしょうか。
実を言うと、私もしっかりとした説明をすることができません。
文部科学省の学習指導要領のQ&Aに「算数的活動」とは何か、「数学的活動」とは何か、についてコメントがありますが、ご説明しにくいものとなっています。
恐らくは、算数では「正しく計算すること」が求められていて、数学では「理論的に考えること」が求められていることの違いかと思われます。
算数では、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)がありましたが、負の数(マイナスの数)が出てくることはありません。
これは、算数では基本的に正の数の演算しか取り扱わず、また、引き算の場合、大きい数から小さい数の引き算しかないため、引き算の結果が負の数となる問題は出題されないからです。
ただ、算数が好きな小学生からすると、なぜそのような引き算がないかと疑問に思いますよね。
数学では、算数のような計算する力だけではなく、そのような疑問を「理論的」に考える力を身に付けていくことができるわけです。
例えば、算数では出題されない、小さい数から大きい数の引き算の場合、「引き算とは何か」「正の数、負の数とは何か」などの定義をしっかりと理解して、それらの相互関係を把握することで、「理論的」にこのような計算ができるようになります。
「数学」で求められるのは「理論的」な考え方
そのような「理論的」な考え方が身に付いてくると、さらに色々な疑問が出てくると思います。
例えば、1を2回掛け算したら1、2を2回掛け算したら4。では2回掛け算したら2や3になる数はどんな数だろう、などです。
一部の電卓では、このような数値を求める機能(ルート計算機能)を持っていて、計算することができます。ちなみに2回掛け算して2になる数は1.414213…と、いつまでも続いてしまう小数となります(厳密には、-1.414213…も該当します)。
わざわざこのような小数で表すのは面倒であることから、√(ルート)という記号を使って表します。例えば、2回掛け算したら2になる数は√2となります(2回掛け算したら3になる数は√3です)。
これをさらに発展させると、2回掛け算をして-2になる数はどんな数だろう、という疑問も出てきます。
これは高校数学で取り扱う虚数というものなので、ここでのご説明は省略いたしますが、疑問が出てきたら、今までの算数・数学の知識を活かして「理論的」に解決していくという力を、知らないうちに身に付けることができるのが数学なのです。
数学検定3級の出題範囲は中学数学です。これを勉強すると、数学を「理論的」に考える力の基礎を身に付けることができます。
このような「理論的」に考える力というのは、数学だけでなく、他の教科や分野、ひいてはビジネスで活かせる機会が必ず出てくるはずです。
ぜひ、この機会に数学検定3級講座を受講して、現在皆さんが行っているビジネスに活かしてみてはいかがでしょうか。
次回からは、中学数学が実生活において役立つという具体例についてお話しします。
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