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タクシー料金、お得な距離を計算できますか?|中学数学が日常生活に役立つ例(3)

タクシー料金、お得な距離を計算できますか?|中学数学が日常生活に役立つ例(3)

こんにちは。オンスク 数学検定3級講座担当講師の添田享です。

連載「中学数学のおさらいをおすすめする理由」、最終回です。
前回に引き続き、今回も数学検定3級の知識が皆さんの日常生活や仕事でどのように活かせるかについてお話しします。

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東京都のタクシー初乗り料金改定はお得?中学数学で計算してみよう

タクシー初乗り料金改定はお得?

今回はタクシー料金を数学にあてはめてみましょう。
以前、東京都の一部で初乗運賃が410円に改定されたことがニュースなどで報道されましたよね。

まず、タクシー料金の仕組みは意外に複雑で、基本的には移動した距離に基づく「距離制運賃」なのですが、
・時速10km以下で走行した場合90秒毎に加算される「時間距離併用運賃」
・配車にかかる「迎車回送料金」
・その他「深夜・早朝割増」「高速道路等の通行料」
などの料金もあります。ここでは、話を簡単にするため「距離制運賃」だけで考えてみましょう。

現在、東京都の一部地域では、初乗(1.052km=1052m)は410円、その後237m毎に80円が加算されます。
改定前は、初乗(2km=2000m)は730円、その後280m毎に80円の加算でした。

結局、この改定は乗客にとって得するものになっているかを、数学を使って考えてみましょう。

タクシー初乗り料金改定はお得?

タクシー料金(改定後)の計算式

まず、
改定後の「237m毎に80円加算」
改定前の「280m毎に80円の加算」
というのが、数学的にややこしくなっていますので、
改定前は「1mごとに80/237円の加算」
改定後は「1mごとに80/280円の加算」

と考えてみましょう。

そこで、
xを移動距離(m)
yをタクシー料金(円)

とすると、yはxの関数であると言えます(xが決まれば、yが一意に決まる)。

その場合、改定後についてxとyの関係を式で表すと、

タクシー料金=初乗り料金+(移動距離-初乗りの距離)×1mあたりの加算料金

y=410+(x-1052)×80/237
≒410+(x-1052)×0.3375…
≒410+(0.34x-355.1)
≒0.34x+410―355.1
≒0.34x+54.9

となります。(「≒」は「ほぼ等しい」という意味です)

【注】
上記の式は、移動距離が“初乗りの距離以上(すなわちx≧1052)”のところで成り立つ式となっています。

仮に移動距離を500m(x=500)とすると、
y=0.34×500+54.9=224.9
と、“初乗り距離である1052m以内で一律410円であることに反した結果”となるわけです。

また、タクシー料金は円単位であり、料金に小数は存在しませんので、これはあくまでも料金の目安を求める式となっています。

タクシー料金(改定前)の計算式

改定後のタクシー料金の計算式と同様に、改定前についてxとyの関係を式で表すと、

y=730+(x-2000)×80/280
≒0.29x+158.6

となります。

※こちらも同様に、移動距離が初乗以上(すなわちx≧2000)のところで成り立つ式となっています。

タクシーで10kmと1.5kmを移動するときの料金を計算する

では、10km=10000m移動することを考えましょう。
そのときのタクシー料金は、改定後では

y=0.34×10000+54.9=3454.9

と、おおよそ3500円となることがわかります。

一方、改定前では、

y=0.29×10000+158.6=3058.6

と、改定前と比べて改定後の方が料金が高くなっていることがわかります。

逆に、1.5km=1500m移動する場合、改定後は、

y=0.34×1500+54.9=564.9

であり、改定前は初乗運賃が適用されますので730円ですから、改定後の方が安くなります。

恐らく、移動距離が長ければ改定後の方が料金は高くなることが予測されますが、どのくらいの距離で、改定後の料金が高くなるのでしょうか。

改定後の料金の方が高くなってしまう分岐点を計算する

どのくらいの距離で改定後の料金が高くなるかを計算する場合、
改定後の料金を表す式 y=0.34x+54.9 と、
改定前の料金を表す式 y=0.29x+158.6 を使って、
改定後の料金が高くなるという関係を
0.34x+54.9>0.29x+158.6
で表して、この不等式を解けばよいわけです。

0.34x-0.29x>158.6-54.9
0.05x>158.6-54.9
0.05x>103.7
x>2074

と、おおよそ2074mより遠い移動距離の場合、改定後の方が料金は高くなると考えられるわけです。

【注】
上記計算では、料金の加算が1m毎と仮定していますが、実際は237m毎(改定前は280m毎)ですので、この計算はあくまでも目安を計るためのものです。

今回の計算では1次関数、および、不等式を用いました。両方とも中学生で学ぶ数学の範囲です。このようにタクシー料金を考える際にも中学数学を活用することができるわけですね。

以上、中学数学が実生活において役立つ例を幾つか挙げました。数学が苦手だと思っている方も、ぜひ数学検定3級講座をご覧になって、中学数学をおさらいしてみませんか?

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