初めて任された、Web会議の進行役。がんばってみたものの、通信トラブルがあったり、対面会議よりも参加者の発言が少なかったりで、うまくいかなかった…などの経験をお持ちではありませんか?
連載「会議をスマートに進行するコツ」、前回は、主に対面会議の進行のコツについて解説しました。第4回の今回は「Web会議の進行のポイント」について解説します。
今は、ニューノーマルな働き方のできる人が求められる時代。社内の即戦力になれるよう、スキルアップを目指しましょう!
連載「初心者でも会議をスマートに進行するコツ」 |
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第1回 いまさら聞けない会議の基本 |
第2回 会議の事前準備のポイント |
第3回 会議進行のポイントとNG行為 |
第4回 Web会議の進行のポイント ←今回はココ! |
第5回 会議終了後にやるべきこと |
対面会議とWeb会議の違いから見るポイントとは
新型コロナの影響により、対面式の会議をWeb会議へと切り替える企業が急速に増えました。感染対策を行ううえでも欠かせないWeb会議ですが、メリットはそれだけではないんです!
まずは、対面式とWeb会議のメリットとデメリットについて確認していきましょう。
メリット | デメリット | |
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対面会議 | ・参加者の表情が見える ・コミュニケーションがとりやすい |
・1ヵ所に集まることによる時間やコストがかかる ・会議室予約や日程調整などの手間がかかる |
Web会議 | ・移動時間がかからない ・環境さえあればどこからでも参加できる ・紙や会議室のコスト削減 ・遠方の人も参加しやすい |
・参加者の表情が見えない ・大人数すぎると収拾がつかない ・通信状況が会議に影響する |
Web会議はオンライン環境さえあれば、誰でもどこからでも参加できるため、1ヵ所に集まるための時間やコストがかりません。
しかし一方で、表情がわかりづらいためコミュニケーションがとりづらい、通信状況が会議進行に影響を与えるなど、Web会議ならではのデメリットも。
このことからわかるようにWeb会議では、オンライン環境をしっかり確認するなどの事前準備や、直接顔が見えないぶん積極的にコミュニケーションを取ることが大切になります。
Web会議の会議手順とポイント
Web会議は事前に接続確認を依頼しておく
Web会議は、Web会議に慣れている人だけでなく、社外の人やそのWeb会議ツールを初めて利用する人との会議も想定されます。会議が始まってから「あの人が参加してこない」「システムのこの機能がわからない」などのトラブルが発生すると、会議の時間がどんどん無くなってしまいますよね。
Web会議をスムーズにスタートするためには、事前に一度、本番で使うWeb会議システムにログインしてもらい、接続テストを行っておいてもらうのが基本のコツ。会議のリマインドメールを送信する際などにあわせてお願いしておくのがおすすめです。
Web会議はトラブル対応担当を決めておく
Web会議は、参加者が会議システムにログインし、全員の環境が問題ないと確認してようやく始めることができます。
ここでのポイントは3つ。
・進行役の自分は、早めにログインしておく
・参加人数を把握・確認できるようにしておく
・トラブルがあったとき誰が対応するかあらかじめ決めておく
進行役はいち早くログインし、その後参加してくる人と挨拶代わりの動作確認をしつつ、出席確認を行いましょう。人数が多い場合は参加者リストを手元に用意しておくとスムーズです。
もし参加者の誰かにトラブルがあった場合、解決に手間取ると会議がスタートできないという事態も…。トラブル発生時は誰が対応するのかをあらかじめ決めておき、会議自体は予定通りスタートできるよう段取りしておくと安心ですよ。
またこの時点で、マイクのオン・オフのやり方についても共有しておけば、会議に関係のない声や音によって会議が妨げられてしまう心配がなくなります。
Web会議の資料は画面共有が基本
Web会議ならではの機能が「画面共有」。
対面会議では、事前または開始時に配布された資料を見ながら、もしくはモニターに映し出された資料を見ながら進めると思いますが、Web会議では、進行役が「画面共有」した資料を見ながら進めることが多いです。
会議中に資料が見られないという事態を招かないよう、資料共有・画面共有のやり方も参加者と事前に情報共有しておきましょう。
会議進行につれて異なる資料を使う場合は、適切な資料が表示されるよう配慮しないといけません。複数の資料を扱う会議の場合、すべて進行役が画面共有するのか、それとも資料を説明する人が画面共有するのか、事前に確認しておくと安心です。
Web会議ではチェックインタイムからスタート
オンラインでの会議の際には、会議の冒頭に「チェックインタイム」と呼ばれる時間を設けるのが、その後の流れをスムーズにするコツ。
連載第3回で取り上げた「アイスブレイク」と同じような役割なのですが、参加者同士が今の自分の状態や気持ちなどを雑談のように気軽に話すことで、会議の場の空気を和ませるとともに、これから始める会議に集中させる意味があります。
定例会議以外の会議では参加者を紹介する
Web会議では、個人で参加する場合と、会社同士や社内の部署同士などの集団で参加する場合があります。後者である集団同士のオンライン会議の場合、いったい誰が参加しているのかわからないまま会議が進んでしまうケースも。
意見しやすい場を作るためにも、誰が参加しているのかをはっきりさせておくことが大切です。紹介できる程度の人数であれば、進行役がまとめて「〇〇支社の△△さんです」という感じで、参加者の紹介をしてあげましょう。
大人数が参加する会議の場合は、個別に紹介している時間がないので、進行役が“どういうメンバーが参加しているのか”を発信してあげると、スムーズに会議を進行できますよ。
なお、この手順は前述した「チェックインタイム」で雑談しつつ行ってもよいでしょう。
会議の目的とゴールを共有する
会議の本題にはいるときは、対面会議と同じように、アジェンダの確認とあわせて「目的とゴールの共有」を行いましょう。ここは、対面式の会議と同じように進めて問題ありませんよ。
意見を出し合うときは進行役が仕切る
Web会議では、発言者以外はマイクがオフになっていることが多いため、発言者がスムーズに切り替えができるよう進行役が仕切る必要があります。
「次は○○さん、お願いします」など、次に話す人を進行役が明確に指定していきましょう。話が終わったら「ありがとうございます」など、話が終わったことを明確に区切り、その人がマイクの切り替えをしやすくしてあげましょう。
会議終わりは進行役が締める
会議が終わりに近づいたら、会議で出た意見や決まったこと、新たな課題などを簡潔に話してまとめましょう。あるなら次回の日程やアクションアイテムも言えたら、なおよいです。
会議のラストは参加者へのお礼の挨拶で締めくくります。このときまでは、画面共有しているのは資料またはホワイトボード画面であることが多いと思いますが、挨拶の際は画面共有を解除し、全員が映る画面もしくは自分の顔を映しておくのがおすすめです。対面していない分、少しでも表情を見せられると参加者も安心ですね。
Web会議をスムーズに進めるコツ
ここまでは、Web会議の会議手順とポイントを解説しました。ここからは、Web会議ならではの進行のコツを確認していきましょう。
マイクはミュート・カメラはオン
Web会議の基本ルールは、「話している人以外はマイクをオフ」ということ。
Web会議の意外なつまずきとなるのが、同じ空間にいる人たちの声や周りの環境音などの邪魔が入るケース。自分が声を発していないから大丈夫とマイクをオンにしていると、思わぬところで音が発生して、会議進行が止まることも。このルールは、会議前に周知したいポイントです。
そしてマイクとは反対に、常にオンにしておいてもらいたいのがWebカメラです。カメラをオフにしてしまう人もいますが、参加者たちの感情を読み取るためにも、カメラはオンにしてもらうのがベスト。参加者たちの顔が並んでいたほうが臨場感も出ますし、合間に違う作業をするのを予防する効果もあります。
グランドルールの設定と共有
対面会議もそうですが、Web会議の場合には特に「グランドルール」と呼ばれる約束事を決めておくと、よりスムーズに会議を進行できます。例えば、以下のようなルールです。
- 相手の発言は最後まで聞く
- 否定的・ネガティブな発言をしない
- 内職はしない
グランドルールは、画面共有した資料やチャット欄に記入して、参加者がいつでも見られる状態にしておくといいですね。
画面・資料共有機能はマスト
前章でも触れましたが、Web会議に欠かせないのが「資料共有」「画面共有」機能です。プロジェクターに映したパソコン画面を用いた一方通行の会議ではなく、参加者が相互に資料に書き込みを行ったりメモしたりできるので、Web会議ならではの便利機能と言えます。
資料・画面共有機能はどのWeb会議システムでもたいてい搭載されていますが、相互に編集する機能については、仕様がツールによってだいぶ異なります。いつもと違うメンバーとWeb会議をする場合は、会議中に相互書き込みをするやり方について、念のため事前共有しておくといいでしょう。
チャット機能で参加者の声を拾おう
Web会議の効率アップのため活用したいのが「チャット機能」です。チャット機能は、会議の途中に出る疑問や質問を、参加者から気軽に投稿してもらえる場所のこと。
Web会議では、参加者たちがマイクオフになっている時間が多いため、疑問・質問を投げかけるタイミングに困ってしまうという声が上がりがちです。
そんなときにチャット機能を活用すれば、参加者の疑問・質問を都度拾いあげられます。すぐに返答ができなくても、会議後などのタイミングでまとめて回答すれば、参加者も疑問を残さずに済むでしょう。
議事録作成にも便利なレコーディング機能
Web会議システムには「レコーディング機能」を搭載しているものが多くあります。レコーディング機能とは、その名の通りWeb会議の内容をレコーディング(記録)する機能のこと。
会議の始まりから終わりまでを録画しておくことで、後からでも議事録が作成できるという便利な機能です。カメラや録音機器を持ち込まずとも、レコーディングボタンをクリックするだけで会議の録画データの保存が可能。
一言一句漏らすことなく、参加者たちの表情も再確認できるので、知っておいて損のない機能です。
連載「会議をスマートに進行するコツ」、第4回の今回は、Web会議をスムーズに進行するために知っておくべきコツについて解説しました。
Web会議では、対面会議には無い技術的なポイントを押さえる必要がありますが、進行の方法自体は対面会議とほぼ同じです。
Web会議の事前準備と、オンラインならではのコミュニケーションを大切にすれば、きっと初心者の方でもうまくいくはずですよ。
さて次回は連載最終回。「会議が終わったあとのポイントや注意点」について解説します。ぜひ引き続きご覧くださいね!
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