連載「在宅勤務を快適にするコツ」第3回のテーマは「在宅勤務の時間管理術」です。
前回、在宅勤務でのオン・オフをうまく切り替えるコツとして、タイムテーブルを作ってみることをおすすめしました。では、具体的にどんなタイムテーブルであれば、効率よくタスクをこなし、仕事の生産性を上げられるのでしょうか。
筆者の実際のタイムテーブルや時間管理におすすめのツールを紹介しながら、時間管理術について考えていきましょう。
在宅勤務でオン・オフを上手に切り替えるためタイムテーブルを作ろう
タイムテーブルを作ろうと思ったとき、どんなことに注意すればよいのでしょうか。作るときのコツや、筆者の例を見ていきます。
タイムテーブルの作り方のコツ
まずは、在宅勤務で過ごす1日の様子を思い浮かべ、現在どのようなタイムテーブルで過ごしているかを書き出してみましょう。
そして、仕事のパフォーマンスに影響している部分を洗い出し、改善策を盛り込みます。
コツは、現状を「洗い出し」そこから「改善」するというところ。
やみくもに理想のタイムテーブルを作って実行しても、無理があったり仕事が行き詰ったりすると意味がないためです。
参考までに、筆者のタイムテーブル作成手順を見ていきましょう。
タイムテーブルを作ってみよう
筆者が1日のタイムテーブルを作ったときに、盛り込んだ要素は以下の4点です。
- 部屋が乱れていると気が散るため、仕事開始前に掃除をする。
- 高い集中力が必要な仕事・苦手な仕事は、午前中に終わらせる。
- 昼は外出してリフレッシュする。
- 子供と過ごす時間を大切にしたいので、就業時間は厳守する。
この4点があるとないとでは、仕事の生産性が大きく変わると実感しています。
これらを踏まえたタイムテーブルが以下です。
8:45〜10:00 子どもを保育園へ送る・部屋の掃除
部屋が乱れていると仕事中気になってしょうがないため、デスクから目に入る範囲の掃除は朝に必ず行います。
10:00〜12:15 午前の仕事
まず当日のToDoリストを確認。私は、チェック作業や数字を扱う仕事があまり得意ではありません。苦手な作業を残していると、頭の中がそのことで支配されてパフォーマンスが下がるため、1日の早い時間帯に終わらせるよう心がけています。
12:15〜13:15 昼休憩
ここで一度外に出ることが多いです。昼食を早めに終え、スーパーへ買い出しに行ったり、あるいは昼食を食べに行く・テイクアウトしたり。外の空気を吸い日光を浴びるとリフレッシュになるし、少しでも歩く時間を作ることで運動不足を防げます。
13:15〜16:00 午後の仕事
子どもを迎えに行くタイムリミットである16時で仕事終了。
急ぎ仕事など、どうしても残業が必要な場合は、子どもが寝たあとに○時までと時間を決めて仕事をすることもあります。
当然ですが、タイムテーブルは作るだけでは意味がありません。自分なりのルーチンや効率を上げる方法を盛り込みながら、実行可能なタイムテーブルを作りましょう。
そして、どこかに無理があったり効率化が進まなかったりする場合は、随時見直しをして、改善してみてください。限られた時間で効率よくタスクをこなすには?
タイムテーブルによって、オンとオフ、つまり仕事に集中する時間とそうでない時間がはっきりしましたね。
次は、限られた時間内で効率よくタスクをこなす方法を考えてみましょう。
ToDoリストを作り優先順をつける
ToDoリストならすでに使っているよ!という人もいると思いますが、使い方を改めて見直してみませんか?
せっかくToDoリストを作っても、項目が多すぎると何から手をつけたらよいか悩むもの。そんなときは、優先順位をつけてみましょう。
【優先順位の例】
- 期限のある仕事
- 数分で終わる仕事
- 相手に確認が必要な仕事
期限のある仕事は、当然優先順位が高いです。数分で終わる仕事も、タスクを抱えているだけで頭のリソースを使うので、早々と手放しましょう。
そして、特に在宅勤務では、「相手に確認が必要な仕事」の優先順位を高くすることをおすすめします。
在宅勤務になって、仕事相手とのやり取りがオンラインのみというケースは多いでしょう。出社時なら、隣の席の同僚にちょっと声をかければ確認できたことが、メールを何往復かしてやっと解決なんてことも。
在宅勤務は、出社時よりコミュニケーションに時間を費やしがちです。メールを作成する時間や返信を待つ時間なども考慮して、相手のある仕事は早めに着手すると仕事効率がアップしますよ。
マルチタスクをやめる
同時進行で仕事を進めることができれば効率的!と思う人はきっと多いはず。
しかし実は、まったくの逆で、人間の脳は同時に複数のタスクをこなすようにはできていないのだそう。それどころか、マルチタスクは集中力が低下しやすく、不安感を増幅させやすいことがわかっています。
マルチタスクはいつもやっている、自分はできると思っている人でも、本当に効率が上がっているのか、今一度見直してみましょう。あれもこれもと気を取られていると、ミスを誘発する原因になりかねません。1タスクに集中して取り組み、1つ1つ確実に片付けていくことをおすすめします。
適宜短時間の休憩を取る
タイムテーブルやToDoリストを作ることは時間管理のテクニックとして有効ですが、それらにしばられすぎて、うまくいかないなんてことも。
仕事をしていて“これ以上がんばっても効率が上がらない”と思ったら、適宜休憩をはさむ、今日はここまでと思い切って切り上げる、という臨機応変な対応も大切です。
休憩を取るときは、いつまでもダラダラ休んでしまわないよう、○分までとしっかり決めるようにしましょう。
時間管理におすすめのツール
在宅勤務では時間管理がとっても大事。スマホの時計や部屋の時計だけでは管理がちょっとしづらい…という人は、時間管理ができる便利なツールを使ってみてはいかがでしょうか。スマホに標準装備されているもので、十分活用できますよ。
リマインダー
ToDoリストと連動して活用したいのが、リマインダーです。
期限が決まっているタスクなら、日にちや時間を指定して通知設定しておけば、忘れていたなんてことが防げますね。
私は、タスクを完了してリストから表示がなくなると非常に達成感を覚えるため、小さなタスクもToDoリストに入れるようにしていますよ。
タイマー
集中する時間を区切るときに活用したいのが、タイマーです。例えば、タイマーを30分設定して、30分はメールチェックなどせず、このタスクにだけ集中するといった使い方ができるでしょう。
また、休憩の終わり時間を知らせ、仕事モードに切り替えるきっかけとして使ってもよいですね。
今回は、在宅勤務での時間管理のコツについてご紹介しました。
私自身、在宅勤務を始める前は「通勤時間もないしメリットしかない!」と思っていました。が、案外難しいものだというのが6年やってきての実感です。
在宅勤務は、コロナ禍によるイレギュラーな働き方に終わらず、今後は当たり前の働き方になるかもしれません。
今の在宅勤務環境がいまいち…と思っているなら、ちょっとくらいいいかとそのままにせず、ぜひ環境や時間の使い方を見直してみましょう。今回の連載で紹介した便利グッズもぜひ検討してみてください。
あなたの仕事の効率が上がって、プライベートも充実することを祈っています。
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