この連載「初心者も狙えるデータサイエンス系資格は?」では、社会人が持っておいて損のない、かつ初心者向けのデータサイエンス系の資格を紹介しています。
前々回は「データサイエンスとは何か」「なぜ社会人が学ぶ必要があるのか」を、前回は「数学初心者のビジネスパーソンが狙うべき資格」をご説明しました。
第3回の今回は、前回おすすめした3つの資格のうち、特におすすめなデータサイエンス系資格「統計検定」を、より詳しく解説します。
統計検定は、高校までの統計学を復習したい人におすすめです。また統計検定で勉強する統計学の基本的知識は、データサイエンスを学ぶうえで欠かせません。
では、統計検定とはどのような検定か、数学初心者はどのように勉強していけばよいのかを見ていきましょう 。
統計検定とはどんな資格?
統計検定は、統計学の基本的な知識を問う試験です。
社会人が日々業務で行うデータ分析で役立つ、データの読み取り方や集め方、確率など幅広い統計学の理解が試されます。
1~4級まであり、数学初心者の社会人が狙うべき統計検定4級は中学卒業レベル。前回おすすめした3つの資格のうち、最も合格しやすいでしょう。
試験では、「身近な問題に対してデータを通して正しく理解する態度」「得られたデータの基礎的なまとめ方および表やグラフなどの表現方法」などが問われます。
問題は、以下3つの項目に分かれています。
統計リテラシー | 統計学の基本的な用語の意味が問われます。 |
統計的推論 | 統計学の用語同士の関連性の理解が問われます。 |
統計的思考 | 実際の場面に統計学を応用することの理解が問われます。 |
統計検定の資格試験は、日本全国のテストセンターで年中受験可能なCBT方式です。忙しい社会人でもスケジュールが合わせやすく受験しやすい点も、この資格がおすすめなポイントです。
問題形式は4~5肢選択問題。30問程度で試験時間が60分なので、1問あたり2分以内で解かなくてはならず、素早く解き切る能力も必要です。
統計検定の勉強をすると何ができる?
統計検定の勉強で学べる統計学の知識は、データ分析業務に大いに役立ちます。
統計学の知識があれば、データを集めるときにアンケートを適切に作成できるほか、データ分析をするときにExcelを使って表やグラフをわかりやすく表示できます。また会議の資料にグラフが載っているときは、どこに注意して読み取ればよいかがわかるようになります。
統計検定の勉強をすると、データ分析業務において、より的確にスピーディーに対応する力を養うことができるのです。
さらに上位資格ともいえるG検定(ジェネラリスト検定)や、データサイエンティスト検定の取得がスムーズになるメリットもあります。
なぜならデータサイエンスは、統計学を基礎に成り立っている分野だからです。
数学初心者でデータサイエンス系の資格を検討しているなら、まずはこの統計検定から挑戦し、データ分析の基礎をしっかりと学んでみてはいかがでしょうか。
数学初心者が統計検定4級に合格するための勉強方法とは?
では数学初心者は、統計検定4級合格に向けてどのように勉強すればよいのでしょうか。
オーソドックスな勉強方法として、日本統計学会が出版している公式テキストや公式問題集を使って学習する方法があります。
現在日本統計学会からは、統計検定4級対策の公式テキスト、および公式問題集が販売されています。
テキスト|日本統計学会公式認定 統計検定4級対応 データの活用
問題集|日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集
テキスト・問題集の使い方
公式問題集には過去問が4年分掲載されています。まずはどのような問題が出るかを知るために、問題集を斜め読みしてみてください。
ここではまだ問題を解かなくても構いません。
その後、公式テキストを読み始めましょう。このとき公式問題集で特によく出てきた箇所を重点的に読むようにしてください。公式問題集で出てこない部分は、あまり時間をかけなくてもよいでしょう。
最後に、公式問題集をしっかり解き進めます。
このとき必ず、試験時間60分を測って解くようにするのがおすすめです。
本番は30問程度を60分で解き切らないといけないので、時間がありません。時間切れで全ての問題に手がつけられなかったということがないように、練習から緊張感を持って取り組みましょう。
そしてできなかった問題には印をつけておき、時間をおいて解き直します。わからなかった部分は、再度公式テキストで読み直し、復習してください。
数学初心者が統計検定4級を学び進めるコツとは?
ここからは、数学初心者向けの学びのコツをお伝えします。
数学初心者の方は、試験本番2ヵ月前から対策すれば、余裕を持って試験に挑めるでしょう。
勉強は、まず数学知識が必要ないグラフや表の読み方から進めるとよいでしょう。
グラフや表の読み取りは常識の範囲内で解けるものが多く、とっつきやすいからです。
その後、数学が必要な計算問題の演習に移りましょう。
勉強を進めてみるものの、すっかり数学を忘れてしまって全然学習が進まない…
そんな方は、数学検定3級講座で学び直しをしてみるのもおすすめです。
数学検定3級は中学卒業レベルの数学知識が試される資格ですので、中学数学の復習にぴったりです。
数学が苦手な方は、まず数学検定3級を取得してから統計検定4級に勉強を進めると、スムーズに理解ができるでしょう。
連載「初心者も狙えるデータサイエンス系資格は?」、3回目の今回は、データサイエンス系資格の中でも数学初心者が狙うべき資格「統計検定」を取り上げました。
統計学は様々なビジネスの場でよく使われます。
統計検定を取得して、数字の読み取りに自信のあるビジネスパーソンを目指しましょう。
次回は、統計検定4級の勉強をしたうえで挑戦したい「G検定(ジェネラリスト検定)」について深堀りします。
G検定は、流行のAIがよくわかるようになる資格です。今身近にあふれているAIについての知識を深めて、より企業に必要となるビジネスパーソンを目指してみませんか?
数学初心者でも資格取得できるコツもお伝えしますので、ぜひご覧ください。
参考サイト:
https://www.toukei-kentei.jp/exam/grade4/
http://www.tokyo-tosho.co.jp/books/978-4-489-02325-5/
https://jitsumu.hondana.jp/book/b590885.html
無料登録でオンラインの資格講座を体験しよう!
資格受け放題の学習サービス『オンスク.JP』では様々な資格講座のオンライン学習が可能です。
最短20秒の無料会員登録で、各講座の講義動画・問題演習の一部が無料体験できます。
※自動で有料プランになることはありません。
関連する記事が他にもあります
初心者も狙えるデータサイエンス系資格は?
- DS統計検定とは?【数学初心者でも狙えるデータサイエンス系資格3選】
- G検定とは?【数学初心者でも狙えるデータサイエンス系資格3選】
- 統計検定とは?【数学初心者でも狙えるデータサイエンス系資格3選】
- いま注目のデータサイエンス。数学初心者が狙うべき資格をピックアップ!
- いまさら聞けないデータサイエンスとは?数学初心者でも身に付けられる?