社会保険と労務管理のスペシャリストである社会保険労務士(社労士)。この記事をご覧になっている皆さんは、そんな社労士を目指すにあたり、独学でいけるのかどうか、迷っていらっしゃるところでしょうか。
独学を「市販されている教材のみを使い、自分1人の力だけで勉強する」と定義した場合、率直に申し上げますと、社労士の独学はかなり難しいです。ですが、
① 標準700~1,000時間といわれる学習時間を確保し、
② 適切なテキスト・副教材・外部講義を使い、
③ 効率的な勉強法で学習する
というスタイルの独学であれば話は別です。
そこで今回は、法律の初心者の方が社労士を独学で勉強するための「おすすめテキスト」などをご紹介します。
費用は節約したいけれど、社労士には合格したい!という皆さんのご検討の助けになれば幸いです。
法律初心者の社労士独学に役立つ入門書とは
冒頭でもお伝えしましたが社労士とは、社会保険と労務(労働に関する事務)のスペシャリスト。
ですので社労士試験では、社会保険に関する法律(健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法、介護保険法…)と、労働に関する法律(労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律…)について学ぶことになります。
そしてこの法律のとっつきにくさが、法律初心者のつまずきの原因となることも…。
そこでおすすめしたいのが、入門書を読んで、法律に馴染み、社労士で学ぶ法律同士の関係を把握することです。
「マンガでわかる はじめての社労士試験」
社労士試験の入門書籍は何種類も出ていますが、この入門書のおすすめポイントは、法律用語と法律の条文の読み方が丁寧に説明されているところ。
社労士試験で扱われる主な法律の概要もわかりやすく図解されています。これを読むことで本格的な学習(テキスト・問題集を使っての学習)が進めやすくなりますよ。
初心者の社労士独学に役立つテキスト・問題集とは
社労士の本格的な学習は「テキスト」と「問題集」を使って開始するわけですが、どのテキスト・問題集がよいかは、皆さん迷うところかと思います。
おすすめポイントは、「テキスト」「問題集」に加え、「横断整理」(後述します)が同じシリーズで展開されているものを選ぶことです。
これは、同じシリーズものであれば相互にリンクしており、学習が進めやすいからです。
では参考として、書店の資格コーナーにほぼ置いてあるであろうテキスト等について見てみましょう。
「みんなが欲しかった!社労士の教科書」
資格・検定受験対策に強いTAC出版が出している、人気の「みんなが欲しかったシリーズ」。その社労士の基本テキストがこちらです。おすすめポイントは以下の通り。
フルカラーで初心者も読みやすい
テキストを労働科目・社会保険科目の2冊に分けて持ち運べる
「みんなが欲しかった!社労士の問題集」
上記テキストと同じシリーズの問題集。おすすめポイントは以下の通り。
濃ピンクとの2色刷りで見やすい
テキストとリンクしており問題解答後の振り返りがしやすい
労働科目・社会保険科目の2冊に分けて持ち運べる
勉強法としては、
① テキストをSection単位でさらっと読む
② 問題集で①のSectionの問題を解き、少しでも迷った選択肢についてテキストに戻って理由を確認
③ ①②を終えた科目について、一定期間ごとに②を繰り返す
というように、テキストではなく問題集をメインに進めるとよいでしょう。これは、社労士のテキストの範囲が広大なため、テキストで細かく学習していると時間が掛かりすぎてしまうからです。
問題集でよく出る問題とそのパターンを把握し、その箇所を確実に押さえる勉強法で効率的に進めましょう。
なお、同じ「みんなが欲しかった!社労士」シリーズに「択一対策用問題集」「選択対策用問題集」がありますが、まずは択一対策用問題集がおすすめです。なぜなら、一問一答式でスキマ時間に勉強しやすいうえ、択一対策を重点的に行うことで選択問題を解くレベルも上がるからです。
ちなみにスマホで勉強できるオンラインスクールの社労士講座では、問題と講義動画がリンクしています。問題を解いた後、該当箇所の理解を深めたいと思ったら「関連講義」ボタンをタップするだけ。
プランによっては、キーワード検索機能を使い、関連する講義を検索することもできます。さらに講座に準拠したPDFテキスト(無料)がダウンロードできますので、いつでもテキストを確認できますよ。
「みんなが欲しかった!社労士 全科目横断総まとめ」
この教材は文字通り、社労士の各科目を“横断”して、似たような事項をまとめているテキストです。
「みんなが欲しかった!社労士」シリーズの中では、テキスト・問題集を一通り終えた後に使うことが推奨されています。ですがこの教材は、新しい科目に進む都度使うのがおすすめです。
学習を進めていけばわかりますが、社労士の勉強においては、いくつもの法律と、各法律の同じような項目(対象の被保険者、適用事業等、給付内容等々)を、きちんと区別しながら覚えていかなければなりません。
しかし初めの科目「労働基準法」、次の「労働安全衛生法」までは何とかなっても、「労働者災害補償保険法」「雇用保険法」…と進むうちに勉強した内容が混ざってしまい、そのまま受験したものの惨憺たる結果になってしまうケースは少なくありません。
社労士の勉強は、常に全体を見渡し、各科目の同じような項目の中身を押さえ、違いを整理しながら着実に進めましょう。
独学者が直前期にやるべき対策とは
ここまで、初心者が社労士を独学する場合のテキスト・問題集についてご紹介してきましたが、社労士試験の場合、独学では限界があるものがあります。それは、最新の情報収集(法改正情報と予想問題情報)や、実際の試験会場の雰囲気を味わうことなどです。
これらについては、大手資格予備校で直前期に実施される外部講義や模擬試験などを利用するのがよいでしょう。費用はかかってしまいますが、それまでの勉強時間を無駄にしないためにも、ここは勝負どころです。
いかがでしたか? 社労士の試験は8月の最終週の日曜日。初学者の方が1月から受験にチャレンジする場合、毎日3時間の勉強時間(通勤30分ずつ、昼休み30分、帰宅後1.5時間で3時間ですね)を確保できるのであれば、今からでも十分可能です。
ご自身にあった入門書・社労士テキスト等の教材を用意し、学習をスタートしてみてください!
参考URL:
https://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415237206
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/110781/
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/110782/
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/110783/
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