社労士 効率的学習法シリーズ3回目の今回から2回にわたり、社労士試験の試験科目の特徴と、科目別攻略法についてご紹介していきます。
試験科目の出題形式と配点について
社労士試験の出題科目は全部で10科目あり、選択式試験(文章中の5つの空欄に適切な語句を選択肢から選んでいく試験)、択一式試験(各文章について、正しい又は誤っているものを五肢択一式で選んでいく試験)でそれぞれ次のような配点になっています。
※合格基準点については、第1回のブログをご参照ください。
科目 | 選択式 8問 40点 |
択一式 70問 70点 |
---|---|---|
労働基準法 | 1問 5点※1 |
10問 10点※1 |
労働安全衛生法 | ||
労働者災害補償保険法 | 1問 5点 |
7問 7点※2 |
雇用保険法 | 1問 5点 |
7問 7点※2 |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 | 出題なし | 6問 6点※2 |
労務管理その他労働に関する一般常識 | 1問 5点 |
5問 5点 |
社会保険に関する一般常識 | 1問 5点 |
5問 5点 |
健康保険法 | 1問 5点 |
10問 10点 |
国民年金法 | 1問 5点 |
10問 10点 |
厚生年金保険法 | 1問 5点 |
10問 10点 |
※1 例年、選択式は「労働基準法(3点)+労働安全衛生法(2点)」で5点満点、択一式は「労働基準法(7点)+労働安全衛生法(3点)」で10点満点とされている。
※2 択一式は「労働者災害補償保険法(7点)+労働保険の保険料の徴収等に関する法律(3点)」、「雇用保険法(7点)+労働保険の保険料の徴収等に関する法律(3点)」でそれぞれ10点満点とされている。
労働基準法の特徴と攻略法
労働基準法とは、労働者が人間らしい生活をおくりながら働けるよう、労働条件の最低基準について定めた法律です。
選択式・択一式ともに最高裁判所の判例からの出題が多く目立つのがこの科目の特徴です。
よって、暗記等を通じて基礎知識をしっかりと身に付けることはもちろん、条文や判例、行政解釈などをきちんと読み解ける力を身に付けることが重要になります。
労働安全衛生法の特徴と攻略法
労働安全衛生法とは、労働者を労働災害から守り、労働者の安全と健康の確保及び快適な職場環境の形成を目的とする法律です。
専門的な知識が問われることもあり、難易度が高い科目ではありますが、選択式では基本的な条文から出題されることも多く、こういった場合にはぜひ得点したい科目です。
択一式では難易度が高いことも多いのですが、問題数自体は少ないので、労働基準法の方で科目別の合格基準点(10点中4点以上)を確保できるようにしておくと安心です。
労働者災害補償保険法(労災保険法)の特徴と攻略法
労働者災害補償保険法(労災保険法)とは、労働者の業務災害や通勤災害に対して保険給付を行う、いわゆる「労災保険」に関する法律です。
選択式では非常に難易度の高い問題が出題される場合がありますので、自分の知識にないことが問われても、その場で読み解くことのできる力を身に付けておく必要があります。
択一式では基礎知識を問う平易な問題と、細部の知識を問う非常に難易度の高い問題に二分しており、前者でいかに科目別の合格基準点を確保できるかがカギとなります。
雇用保険法の特徴と攻略法
雇用保険法とは、労働者が失業している場合に手当を支給したり、育児や介護をしながら仕事が継続できるように給付金を支給したりするための法律です。
選択式・択一式ともに条文どおりの基礎知識を問う問題が中心であり、難易度は高くはないのですが、数字や用語など覚えるべき知識が多く、苦手とされる受験生が多い科目でもあります。
早い段階から暗記などを地道に重ね、この科目が得点源となるように学習を進めていくのがおすすめです。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(労働保険料徴収法)の特徴と攻略法
労働者災害補償保険と雇用保険をまとめて労働保険と呼びますが、この労働保険の保険関係の成立や保険料の徴収等について規定した法律です。
択一式でのみ出題されており、出題範囲がそれほど広くないことから、学習しやすい科目ということができます。
保険料の計算式など具体的な保険料の徴収事務などが問われることがありますので、実務に携わっていない方はそれぞれの事務のイメージをうまくつかみながら学習を進めていく必要があります。
各科目の特徴と攻略法はイメージできましたでしょうか。残り5科目については次回「試験科目の特徴をつかめば怖くない!科目別攻略法(後編)」でご紹介いたします。お楽しみに。
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