社労士 効率的学習法シリーズの最終回である今回は、アウトプット学習が中心となる「直前期」の学習方法についてご紹介していきたいと思います。
このブログでは、何度か「社労士試験問題の5割から6割は基本問題で占められている」ことを強調してきましたが、合格確実ラインの7割に達するためには、応用問題を攻略するのに必要な「応用力」「解答力」を鍛える必要があります。
選択式は「初めて見る文章」と戦える力を身に付ける
選択式問題は一般的なテキスト等にも記載のある条文や行政解釈などから作られる「知識型」の問題と、多くの受験生が目にしたことのない条文等やテーマからの文章から作られる「思考型」の問題に大きく分かれ、後者は特に「労働一般常識」「社会保険一般常識」などの科目で見られます。
「知識型」については、基礎知識がしっかり身に付いていれば必ず得点できる問題ですから、ここで絶対に失点をしないようにすることが肝心です。例えば、「目的条文」といわれる各法律の第1条などが出題された場合、ここで正しい答えが選べないようではまだまだ基礎力が足りないということになります。
難しいのは「思考型」です。初めて見る文章の空欄に適当な語句を埋めろというのですから、普通に考えたら解ける訳がありません。
しかし、基礎期からきちんとテキストを読み込むという学習ができていれば、「この条文の流れからはこの語句が入るはず」という感覚が備わってきますし、これまでの学習を通じて培ってきた自分なりの労働および社会保険に関する「一般常識」に照らして解答を絞り込むことは十分に可能です。
ただし、「問題文を見てその場で考える」ということは、ある程度練習をしていないとなかなかできないことです。
受験対策予備校が実施している公開模試などでは、本試験を予想してこのような「思考型」の問題を出題しているところが多いと思いますので、積極的に受験することをおすすめいたします。
択一式は「個数問題」「事例問題」を攻略しよう
択一式問題は最近、難易度が上がってきているといわれていますが、その理由の一つに「個数問題」や「事例問題」といった新傾向問題が増えてきていることが挙げられます。
「個数問題」は、すべての肢について正確に正誤を判断しなければなりませんので、かなり得点しづらいものですが、基礎知識を問うような肢で構成されている場合には、必ず得点したいところです。したがって、本試験直前まで基礎知識の確認は怠らないことが肝心です。
そして、近年増えてきているのが「事例問題」です。単に知識を問うのではなく、例えば年金加入記録から受給権の有無を判断するなど、「知識を使って考えて解く」ことが要求されます。
しかし、必要なのはあくまでも「基礎」知識であり、この基礎知識を応用させて考えることのできる力(応用力)、そしてこれを解答に反映させることのできる力(解答力)を直前期に鍛えていけば、十分に対応できます。
そのためには、市販の予想問題集などで事例問題を多く取扱っているものを購入して取り組むことや、受験対策予備校の模擬試験を積極的に受験して活用することをおすすめいたします。
以上、6回にわたり、社労士試験攻略のための効率的学習法をご紹介してまいりました。
近年は合格率の大変低い、難関試験になりましたが、基礎知識をしっかりと身付け、本試験傾向に則した対策をきちんと取っていけば、決して合格することが難しい試験ではないことを最後に強調しておきたいと思います。
これから社労士試験の学習を始めようとする皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。皆さんの合格を心よりお祈り申し上げます。
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