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社会保険労務士の仕事や報酬って?事務所の現場からご案内

社会保険労務士の仕事や報酬って?事務所の現場からご案内

皆さん、こんにちは。川向(かわむかい)です。

「社会保険労務士とは?現役の職員が解説!」シリーズ、前回の「社会保険労務士になるには?」では、“難関国家試験に合格された方が、社会保険労務士会に登録し、官報に名前が掲載された段階で晴れて社会保険労務士(以下社労士)になれる“ということをお伝えしました。

第3回の今回は、実際のお仕事はどんな感じなのか、社労士事務所の現場から情報をお届けいたします。

クライアントは「企業」「個人」の2つ

お仕事をさせていただく先を関与先やクライアントと呼びますが、社労士の場合大きく分けて「企業」と「個人」の2つがあります。

クライアント 業務例
企業 会社の社会保険の書類作成、代理提出、給与計算など
個人 年金相談、いわゆる賃金未払いなどの法律相談など

ただし、個人に対しては単発のお仕事が多いので、事務所経営として安定しません。
そこで、ほとんどの社労士事務所は、企業に対して顧問契約・スポット契約でお仕事をします。

ちなみに2つに共通することもあります。
それは、お仕事の対価として、「本当に助かったよ」、「あなたに頼んでよかった」などのお褒めの言葉をいただくことです
これは社労士冥利に尽きる体験です。

「開業社労士」「勤務社労士」という2つの社労士区分

社労士は、社労士会に登録するときに「開業社労士」「勤務社労士」のどちらになるかを選択します。その選択で業務範囲が大きく変わります。

◆開業社労士とは

文字通り社労士事務所を設立開業して、企業・個人の区別なく、報酬を受けて仕事を請け負うことができます。いわゆる独立開業ですね。
週末だけ社労士業務をする“週末開業社労士”も結構います。

◆勤務社労士とは

あなたが所属する会社の社労士業務のみ行うことができます。社労士印も押せます。ただし他社の社労士業務を請け負うことは出来ません。

しかし、資格手当や評価制度などが導入されている会社では、給与面の待遇向上や、本社など中核部署への異動が期待でき、会社の中での勤務社労士の評価は非常に高いものです。自社内の労働問題を未然に防ぐことも勤務社労士は期待されています。

なお、勤務社労士で最初登録しても、社労士会に登録変更をすれば、会費の追加納入および書類の提出を経て、開業社労士になることもできます。

今は会社勤めだけど、独立開業したいと考える方は、会費が開業社労士と比較して安くてすむ勤務社労士として登録するメリットはあるでしょう。

社労士のお仕事の内容

社労士の業務の多くは、書類作成、給与計算、助成金申請、社外セミナー講師、本の執筆などです。
社労士事務所としてどの分野で戦っていくかが、今ある社労士事務所の特色となります。

とはいえ、どんな社労士事務所でも行っている業務はあり、それが以下の3つです。

① 社会保険(健康保険、厚生年金保険)と、労働保険(雇用保険、労災保険)に関する、新規適用届(新たに会社を設立する場合に役所に提出する届書)。いわゆる書類作成業務。
② ①の保険につき、会社の入退社に基づく各種届出(入社時には雇用保険と社会保険の資格取得届、退職時には雇用保険資格の喪失と離職票の作成、社会保険の資格喪失)。こちらも書類作成業務。
③ 給与計算の外注受付。

会社はなぜ社労士に仕事を頼むのか?

ところで、会社側に立って考えてみましょう。なぜ前述の業務を自社でやらず社労士に頼むのか?

それには以下のような理由があります。

社会保険業務は毎年法改正があり、最新の知識をアップデートして業務に当たらなければならない
そのため専門的な事務員が必要だが、養成にお金と時間がかかる
行政と企業の間に社労士が入ることにより、スムーズな処理ができ、また、いわゆる箔がついて行政のチェックが若干甘くなる

ちなみにクライアントによっては、給与計算だけ請け負ってほしい、助成金を申請したいが手伝ってほしい等、スポット的な依頼も結構あります。

仕事の気になる報酬は?!

ここは、社労士事務所によって大きく差が出るところです。

一般的には書類作成提出代行は、少な目の報酬です。大体社員規模に応じて2~20万円くらいでしょうか。

セミナー講師や本の執筆はそこそこの報酬を得られます。セミナー講師も単発になりがちですが、一回3~10万円といったところです。

スポットで助成金申請の仕事を受けるときも、そこそこの報酬になります。着手金1.5万円、成功報酬金額の20~30%(100万円の助成金なら20~30万円の成功報酬)というところです。

まとめ

開業社労士は、専門分野を作れば儲かる仕事です。
勤務社労士も、会社から副業許可を得れば、週末にセミナー講師をしたり、受験指導予備校の講師をしたり、執筆活動をしたり、単価の高い仕事をすることができます。
これはとても魅力的だと思います。

以上今回はここまで。次回はいよいよ、社会保険労務士試験は本当に難しい試験なのかお話します。お楽しみに!

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