10/1(土)に「オンスクLive!宅建試験直前対策号」としてオンスク初の生放送を実施いたしました!
TAC宅建講座より辻真美子先生をお迎えし、皆様の事前アンケート結果をもとにミニ講義をしていただきました。
今回はその講義の様子をマガジンでお届けします。試験直前期の過ごし方、本試験での問題の解き方など貴重な情報が満載です。 生放送を見逃してしまった方、要チェックですよ!
宅建(宅地建物取引士)試験の合格ラインについて
ご覧のように、宅建試験は年によって合格ラインが変化します。資格試験の中には、一律に合格点が決められているのもあります。
例えば日商簿記の試験は70点以上、運転免許の筆記試験は90点以上取らないと合格できません。合格点が決められている試験は難しい問題が出題されても、簡単な問題が出題されても、合格点は動きません。
しかし、宅建試験は、上から何人合格者を取るというスタンスなので、出題される難易度によって合格点が上下します。
よく受講生の方に、「本試験のレベルはどれくらいなんですか?」と聞かれますが、その年によって変わります。
簡単な問題が多い年もあれば、難問の多い年もあります。簡単な問題が多い年は合格点が36点になったりします。2011年は35点とっても不合格なのに2015年は31点でも合格できるんですよね。
つまり、宅建試験は出題のレベルに応じて、合格点がちゃんと調整してくれるのです。簡単な問題は確実に得点しなければなりませんが、難問は解けなくても合否に影響しません。
2015年から、この試験は「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士試験」に変わりました。士業になることによって、合格率が厳しくなることも覚悟しましたが、蓋を開けてみたら、例年とあまり変わりませんでしたね。
宅建(宅地建物取引士)試験の苦手科目について
やはり権利関係と法令上の制限が2大苦手ですね。
権利関係は、最初は身近な事例が出てくるので解りやすいのですが、問題が難しいので得点力が伸びないという方が多いかもしれません。それに対して法令上の制限は、理解しづらい方が多いです。ただ、法令上の制限は暗記科目なので、しっかり数字を覚えて臨めば得点源になる可能性があります。理解しづらいため、やる気が起こらなくなってしまうのでしょう。
試験直前におさえておきたいポイント、勉強の取り組み方について
試験直前に押さえておきたいポイント
内容を講義しますと何時間もかかりますから、今回は、残り2週間の勉強の取り組み方的なことをお話ししていきますね。
宅建業法
まずは合格の鍵となる宅建業法、これに関しては本試験で20問中満点を目指す気持ちで取り組んでください。つまり、苦手なものを無くしてください。全ての規定を網羅していただきたいと思います。
勉強の方法は過去問を繰り返し解いて、同じ選択肢が出題されたら絶対に解ける!というつもりで過去問の選択肢の1つ1つを読み込んでください。受験生の多くが苦手としている35条書面(重要事項説明書)や37条書面(契約書)は宅建士になったらお仕事としてやらなければならないので特に力を入れてください。
宅建業法は個数問題も多く出題されますよね。個数問題を得意とする受験生は一人もいませんから、みんなが苦手なんだと思って気楽に解きましょう。
権利関係
次に権利関係ですが、民法は、基本的な問題は少なくとも確実に解けるようにしてください。民法は上がりにくいけど下がりにくいという性質があります。
これから民法で大幅に得点を伸ばしていこうというのは時間的に厳しいので、基本的な問題を間違わないようにしてください。
最近は、判例文をもとに解答する問題や、民法の条文に規定されている問題が定番のように1問ずつ出題されていますね。まず、「民法の条文に規定されている問題」については正答率が低いので落としても影響ありません。
判例問題は、過去の出題傾向からみると、単純な正誤問題だったり、国語力を問うような問題があったりします。本試験で時間に余裕があったら、じっくり取り組んでみてください。
あと、少し乱暴な解き方ですが、知らない問題が出題された時は、「争っている人は誰と誰か」「どちらを助けるべきか」という観点で判断するのもいいでしょう。
民法以外の権利関係では借地借家法と区分所有法は、条文数が少ないので、しっかり得点できるようにしてください。不動産登記法は捨ててもいいかもしれません。
法令上の制限やその他
法令上の制限やその他に関しては狭い範囲で勉強しやすい科目としては、都市計画法の開発許可、農地法、国土法の事後届出、宅地造成等規制法ですね。 これらは数字や規定をしっかり覚えて確実に得点できるようにしてください。
建築基準法は広く浅くでいいですが、建築確認の数字、防火地域・準防火地域の数字、日影規制の数字は暗記してください。 免除科目の統計は、具体的な数字まで覚えなくていいので、上がったか下がったかを覚えて行けば得点につながると思います。
試験の心構え、直前期の過ごし方
試験直前は、暗記事項のチェックを忘れずにしてください。当日の午前中から試験直前まで、頭に叩き込んでください。
ただ、直前になって「今になってこんなところも覚えてなかったのか…」と悲観的にならずに、「試験前に見直せてよかった」と前向きに考えてください。
本試験の解き方
まず、問1から順番に解くのはやめましょう。
本試験の出題は、問1から権利関係、問15から法令上の制限、問26から45まで宅建業法といった並びです。 民法はじっくり考えて解く問題が多いので他の科目に比べて時間がかかりますから、残りの時間を見て焦りがちです。
問15の法令から解きはじめ、最後に権利関係にもどるという解き方がいいと思います。
法令上の制限やその他は解答にそれほど時間がかかりませんので、問15から25はスピードアップ、そして合格の鍵を握る宅建業法はじっくり取り組みましょう。問1から解くと宅建業法が最後の方に来てしまいます。宅建業法はひっかけ問題が多いので、疲れた頭で宅建業法の問題を解くと引っかかりやすくなります。早く解ける問題をさっさと解いて、時間がかかりそうな問題は後回しにすることを心がけてください。
宅建本試験 問題出題順 | ||
---|---|---|
問1~10 | 民法 | 権利関係 |
問11~12 | 借地借家法 | |
問13 | 区分所有法 | |
問14 | 不動産登記法 | |
問15~22 | 法令上の制限 | 法令上の制限 |
問23~24 | 税法 | その他(税法・価格評定) |
問25 | 地価公示法 | |
問26~45 | 宅建業法等 | 宅建業法 |
問46~50 | その他(免除科目) | その他(免除科目) |
時間が余ったら、余計な見直しはしないほうがいいでしょう。もちろん自信がなくて残した問題はしっかり見直しましょう。時間が余ったからといって疲れた頭で全問見直してしまうと、せっかく正解にマークをしていたのに疑いたくなって別のところにマークをして間違えてしまうことも多いです。
マークをきちんとしたかどうかを確認してください。 試験が終わって、合格点は取れているのにマークミスをしたかもしれないと不安になる方が多くいますから、合格発表までの時間を安心して過ごせるよう、マークシートのチェックをしてきてください。
質問に対しての回答、先生から受験生へのメッセージ
アンケートで質問いただいた内容について、いくつか先生にお答えいただきました。Q.借地借家法が苦手なので、問題を解く上でのコツなどがあれば聞きたいです
大変な内容ではないので、コツの前にしっかり勉強しましょう! 勉強の方法としては、テキストを見ながら過去問を解くことです。 特に過去問の中でもオーソドックスな問題を解いて、ある程度、解き方が身についてきたら、民法の賃貸借の規定に関してもテキストを見直して解く、ということを繰り返していけばマスターできると思います。
Q.暗記が苦手です
ただ読んでるだけでは覚えられないと思うので、例えば「書く」「口に出して言う」「パソコンに入力してみる」など、もう一歩先のことをしてみましょう。私の場合は沢山書いて、腕に覚えさせる(書いた覚えがある状態にする)ことをしてましたね。
宅建業法の重要事項の説明書に関して覚えられない方であれば、エクセルなどで一覧表を作ってみる、などをすると割と頭にはいってくると思います。
Q.問題を解くためのペース配分は?1問2分ペース?
解くペースは科目によって違います。 法令上の制限やその他は1分弱、民法、宅建業法の計算などは時間をかけましょう。 一律2分という考え方は避け、早く解ける問題はスピードアップして解き、時間がかかりそうな長い文章に時間をもっていきましょう。
自信がある方は本試験当日に実力を発揮できるように健康に気をつけてください。どちらともいえない、自信がない方は残り2週間頑張ればなんとかなるかもしれません。頑張ってください!
オンスクLive!宅建試験直前対策号
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