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「旅行業約款」編|国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法③

「旅行業約款」編|国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法③

連載「国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法」、第3回となる今回は、3つの試験科目のうち「旅行業約款(やっかん)、運送約款及び宿泊約款」、中でも「旅行業約款」について、特徴と勉強法のお話をしていきたいと思います。

基本の勉強法は前回の「旅行業法」と同じです。ただ、今回の「旅行業約款」の方が難解なので、例題を紹介する前に、旅行業約款の原則について解説を加えておきます。

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「旅行業約款」の原則

「約款(やっかん)」とは、契約の一種です。
契約とは、当事者同士の間で交わされるものであり、標準旅行業約款の場合は、旅行業者と旅行者が当事者となります。 第三者が介入することは基本的にありません。

同じく、運送業者や宿泊業者と旅行者の間でも約款が結ばれますが、標準旅行業約款とは内容が大きく異なるので、次回の記事で改めて説明する予定です。

なお、出題割合は「標準旅行業約款」約8割その他の約款約2割となっています。

「旅行業約款」科目の出題を見てみよう

「旅行業約款」で重要なのは、「旅行者側も契約者」であるという点です。平成27年度国内旅行業務取扱管理者試験の「旅行業約款」の出題から引用して説明します。

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア 旅行業者は、特約を結んだ場合を除き、契約責任者はその団体・グループを構成する旅行者(本問において、以下「構成者」という。)の契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなす。

イ 契約責任者は、旅行業者が定める日までに、構成者の名簿を旅行業者に提出しなければならない。

ウ 旅行業者は、契約責任者が構成者に対して現に負い、又は将来負うことが予測される債務又は義務については、その責任の一部を負う。

エ 旅行業者は、契約責任者が団体・グループに同行しない場合、旅行開始後においては、あらかじめ契約責任者が選任した構成者を契約責任者とみなす。

旅行業者と契約責任者の契約関係は、契約責任者と旅行者(構成者)の契約関係とは別物なので、誤っているのはウです。

この場合の旅行業者は第三者に過ぎません。「一部」という言葉に惑わされないようにしましょう。

「具体的な数字を含む選択肢」の扱いに注意しよう

平成27年度国内旅行業務取扱管理者試験の「旅行業約款」からもう1問引用します。

次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a 旅行業者は、運送・宿泊機関等の利用人員により旅行代金が異なる旨を契約書面に記載した場合において、契約の成立後に旅行業者の責に帰すべき事由によらず当該利用人員が変更になったときは、契約書面に記載したところにより旅行代金の額を変更することがある。

b 通信契約を締結したときは、旅行業者は、提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして契約書面に記載する金額の旅行代金の支払いを受ける。

c 旅行業者は、約款の定めるところにより旅行代金を増額するときは、旅行開始日の前日から起算してさかのぼって13日目に当たる日より前に旅行者にその旨を通知しなければならない。

ア a,b   イ a,c   ウ b,c   エ a,b,c

aとbは正しいですが、cは「13日目」ではなく「15日目」です。よって、アが正解となります。

本問のように、一般常識に照らし合わせるとすべて正しいように思える出題では、数字などに誤りが含まれるケースが多いので、特に注意してください。
「具体的な数字を含む選択肢は△」という視点は、国内旅行業務取扱管理者試験の勉強法において欠かせないものです。

「なぜその選択肢があるのか」考えてみよう

もちろん、すべての選択肢に数字が含まれるような出題もあるので、「常識的でない選択肢は×」のようには断言できません。ただ、特定の選択肢のみに具体的な要素が含まれる場合、その選択肢は間違いである可能性が高いのです。

背景には、具体的な内容の選択肢を「×」にするのが出題者にとって楽という事情があります。国内旅行業務取扱管理者試験は、受ける側も大変ですが、作る側も大変なのです。「13日」を「15日」に変えるだけで間違いの選択肢を作れるなら、飛びつきたくなると思いませんか?

このことを逆手に取れば、正解に一歩近づけます。また、法改正などが行われた場合、真っ先にその部分が問われることが多いですが、これは過去問題との重複が避けられるという事情もあるのです。改正事項には普段からアンテナを張っておきましょう

国内旅行業務取扱管理者の勉強法

今回は、国内旅行業務取扱管理者の試験科目「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」のうち、「旅行業約款」の勉強法について解説しました。

最終的には、数字や用語をすべて暗記するのが理想ですが、そのためにもこの連載で紹介した「いきなり勉強法」を重ねて少しずつ定着させてください。

次回は、「運送約款及び宿泊約款」を例に挙げて勉強法を説明していきます。
それでは、また。

参考URL:
http://www.anta.or.jp/exam/shiken/pdf/27mondai.pdf

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