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「運送約款及び宿泊約款」編|国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法④

「運送約款及び宿泊約款」編|国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法④

皆さんこんにちは!

連載「国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法」、今回は、3つの試験科目のうち「旅行業約款(やっかん)、運送約款及び宿泊約款」から、「運送約款及び宿泊約款」の勉強法についてお話しします。

「運送約款及び宿泊約款」では、バス・フェリー・航空・宿泊・JRに関する約款が各1問出題される傾向があり、前回お話しした「旅行業約款」との出題比率は約2:8です。

ただし、3つの試験科目の1つである「国内旅行実務」でも、「運送約款及び宿泊約款」と似た問題が出されるので、軽視はできません。

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「料金」と「運賃」の違いに着目しよう

「運送約款及び宿泊約款」では「料金」と「運賃」の違いに着目した勉強法が有効です。運送約款では、両者は異なる意味で用いられます。「国内旅行実務」を含めて最も出題数が多い旅客鉄道会社(JR)の場合、料金と運賃の違いは以下の通りです。

料金 付加サービスの対価 ・速達性に対する特急料金 ・着席保証に対する指定席料金 ・快適性に対するグリーン料金 など
運賃 運送サービスの対価

「運賃」は運送サービスそのものの対価なので、たとえ普通列車に乗る場合でも支払わなければなりません。一方、「料金」は運賃に上乗せされるものなので、必要な場合と不要な場合があります。

(出題はされないので覚えなくて良いですが)JRを除く大手私鉄には「料金不要の特急列車」が多数走っています。ただし、これらは「特急料金」が要らないという意味であり、「無賃」で乗車できるわけではありません。

話をJRに戻すと、割引や割増などの対象が「運賃」と「料金」でそれぞれ異なります。その区別をはっきりつけるだけでも、国内旅行業務取扱管理者試験の「いきなり勉強法」を進めるうえで、頭の整理がつきやすくなるはずです。

「鉄道の特殊性」に着目しよう

鉄道以外の運送機関に適用される約款、すなわち貸切バスの「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」、「フェリーを含む一般旅客定期航路事業に関する標準運送約款」、航空の「国内旅客運送約款」も原則は同じであり、「付加サービスの対価」が「料金」です。

ただし、船舶のみは料金だけでなく、1等旅客運賃と2等旅客運賃が別に設定されている場合があるので注意してください。

航空の料金に関しては、「手荷物料金」がよく出題されます。航空機は座席定員が厳格に決められており、持ち込める手荷物の重量にも制限があるのです。

定員を大幅に超えてしまうと、航空機は飛べず、船舶は浮けず、バスはタイヤがへこんでしまいます。超過輸送が可能なのは、鉄のレールの上を鉄の車輪で走る鉄道だけです。首都圏の朝の通勤電車が200%近い混雑率でもとりあえず人を運べる理由はここにあります。

よって「自由席特急料金」なるものが設定されているのも鉄道だけです。これを支払うと、速達性は提供されますが、着席保証はなされません。だから、帰省シーズンの新幹線の自由席に座れない人がデッキや通路にあふれる、といったことが起こるのです。

ただし、寝台料金には指定席料金が含まれています。日本の寝台列車が数を減らした最大の原因は、特急(急行)料金と寝台料金の二重取りによる割高感にあると言われていますが、指定席料金との「三重取り」は起こり得ないことを覚えておきましょう。

「宿泊約款」の傾向をつかもう

宿泊施設の約款は、運送約款とは別物です。以下、平成30年度国内旅行業務取扱管理者試験の「運送約款及び宿泊約款」の出題から選択肢を1つ引用します。

イ 宿泊客がホテル(旅館)の駐車場を利用する場合において、車両のキーをホテル(旅館)に寄託したときは、当該ホテル(旅館)は、車両の管理責任を負う。

常識的に判断すると、この選択肢は正しいように見えます。

しかし、実際には間違っているのです。車両のキーをフロントに預けても、ホテル(旅館)が車両の管理責任を負うことはありません。

あくまでも1つの例ですが、宿泊施設に甘すぎると思いませんか?そんなことでは安心してキーを預けられないように思えてならないのですが、これが現実なのです。

私の主観では、全体を通じて宿泊約款は業者に対して甘いように思います。その理由は不明ですが、解答に迷ったときは、業者に有利な選択肢を選んでみるのも悪くないでしょう。

国内旅行業務取扱管理者の勉強法

今回は、国内旅行業務取扱管理者の試験科目「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」のうち、「運送約款及び宿泊約款」の勉強法について解説しました。

科目としては「運送約款及び宿泊約款」とひとくくりにされているものの、約款を1つずつ見ていくと様々な違いがあることがわかります。これを念頭に置いて、「いきなり勉強法」を進めていくようにしましょう。

次回は、「国内旅行実務」を例に挙げて勉強法を説明していきます。それでは、また。

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