皆さんこんにちは!
連載「国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法」も最終回。今回は、3つの試験科目のうち「国内旅行実務」の勉強法についてお話しします。
「国内旅行実務」のうち、前半は全国の観光地や祭などについての出題、後半は運送機関・宿泊施設の料金や運賃などの実務処理についての出題です。
前者は知識を問うだけの出題なので、1問当たりの配点は原則2点となっています。
しかし、この出題には、これまで紹介してきた「いきなり勉強法」は通用しません。知らなければいくら考えても答えは出ないのであり、丸暗記する以外に勉強法がないのです。
暗記学習で重要なこと
全国の観光地や祭などを正確に覚えるのは、はっきりいって苦痛です。特に祭は、それが開かれる都道府県に加えて、開催月までが問われます。ただ、2019年度は1問しか出題されていないので、思い切って捨ててしまうのも一考です。
しかし、観光地の問題からは逃れられません。1問当たりの配点は少なくても、問題数が多いため、合計点は「国内旅行実務」の半数前後を占めます。すべて捨ててしまっては、合格基準の60点には届きません。
では、暗記科目でもっとも重要なことは何でしょうか?
それは「1つの方法にこだわらないこと」です。
例えば、昔「記憶術」と呼ばれる勉強法が話題になったことがあります。これは簡単に言えば、「こじつけてイメージを思い浮かべて暗記する」というものでした。
この勉強法を全面的に否定するつもりはありません。
しかし「記憶術」に限らず、1つの勉強法ですべてを暗記しようとすれば、間違いなく挫折します。
語呂合わせでも暗唱でも構わないので、とにかく複数の勉強法を組み合わせるのです。
スマホを使うなら、動画講義・電子黒板のスライド・問題演習機能などが付いているオンライン講座をおすすめします。
インプット後はアウトプットが大切
暗記、すなわちインプットが完了したとしても、国内旅行業務取扱管理者試験の学習は終わりではありません。「国内旅行実務」に限りませんが、より大切なのはアウトプットです。
いくら知識を頭に叩き込んでも、問われたときに解答を引き出せなくては意味がありません。私の場合、大学受験時には重要語句を赤文字で書き、赤いシートで隠して答える勉強法を続けていました。広く知られた方法ですが、継続すれば高みに到達できます。実際、センター試験の世界史では98点を取りました。
国内旅行業務取扱管理者試験の学習でも、これは変わりません。観光地だけでなく、他の科目でも「いきなり勉強法」の後には、数字や用語を知識として定着させることが重要です。
多くのテキストは重要語句を赤文字で記しており、赤いシートも付属しています。これを十分に活用しましょう。
なお、自分で赤文字を追加する場合には、赤鉛筆を用いるのがおすすめです。ボールペンやサインペンの場合、赤では筆跡が透けてしまいますので、薄い朱色・薄いオレンジ・薄いピンクを使用してください。
また、オンライン講座の問題演習機能も、アウトプット力を定着させるのに効果的です。
「国内旅行実務」の総仕上げ
国内旅行業務取扱管理者試験の「国内旅行実務」の後半は、運送機関・宿泊施設に関する実務処理を問うものですが、「運送約款及び宿泊約款」と内容の重複が見られます。連続して学習し、「観光地や祭」を後に回すのがよいでしょう。
その際に重要なのは、やはり前回述べたように、運送サービスの対価である「運賃」と、付加サービスの対価である「料金」を混同しないようにすることです。
例えばJRの場合、「運賃」のみに適用される制度の1つに「往復割引」があります。これは、往復乗車券のうち、片道の営業キロが601キロ以上ある場合に、往路と復路の運賃がそれぞれ1割引になる、というものです。
ちなみに、往復割引の対象が601キロ以上というやや中途半端な距離なのは、需要の多い東京―新大阪間の営業キロが552.6キロ、東京―新神戸間が589.5キロであることに起因しています。これらを割引対象にすると減収に直結するので、それを防いでいるのです。
一方、「料金」のみに適用される制度の1つに「新幹線と在来線の乗り継ぎ割引」があります。これは、特定の駅で新幹線と在来線の特急を乗り継ぐ場合、後者の特急料金と指定席料金が半額になる、というものです。
ここで取り上げた割引は併用できます。ただし「運賃」と「料金」の壁を越えることはできません。例えば、乗り継ぎ割引で運賃が半額になることはあり得ない、ということです。
5回にわたり、国内旅行業務取扱管理者の科目別勉強法をご紹介しました。いかがでしたか?
今回紹介した勉強法が、皆さんの試験合格の一助になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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