金融機関への就職や転職、キャリアアップに欠かせない証券外務員二種。金融業界初心者の方は、試験範囲をどのように覚えていけば合格できるのでしょうか?
連載「2ヶ月で合格!証券外務員二種」、前回は効率的に正解率を高める学習方法についてお伝えしました。
今回は、よく出る問題の覚え方についてお話ししていきます。
証券外務員二種を取るためには、効率的な覚え方で数をこなす必要があります。コツをつかんで短期間で合格し、新しいキャリアをつくっていけるよう、一緒に頑張りましょう。
2ヶ月で合格!証券外務員二種
金融商品取引法とコンプライアンスをマスターすると、有価証券の取引の基礎がわかる
証券外務員二種に合格したいと思ったら、まずは金融商品取引法とコンプライアンスの分野を理解しておくことをおすすめします。
試験の土台となる知識なので、この分野をマスターすると他の分野にもつながります。
金融商品取引業は、内閣総理大臣による登録制となります。
第一種金融商品取引業者 | 証券会社など |
---|---|
第二種金融商品取引業者 | 従来の投資販売業、信託受益権販売業 |
投資助言・代理業者 | 投資顧問会社など |
投資運用業者 | 投資信託委託会社など |
金融商品取引業者の業務内容の覚え方は、下記の通りです。
(「自分」をそれぞれ「金融機関の名前」で考えます。○○銀行や××証券などです。)
売買
自分をからめて、売り・買いの当事者になること。
媒介
第三者の立場になって、相手同士の売り・買いを取り扱うこと。
取次ぎ
自分の名前を出して、委託者(投資家)のお金で、取引をやってあげること。
代理
委託者(投資家)の名前とお金で、その人の代わりに取引をすること。
証券外務員二種で出てくる債券の利回りの計算問題の流れを理解するには?
計算問題はよく出てきますし、金融業界では避けて通れないものなので、何度も繰り返して取り組んでください。
まずは、利率と利回りの違いです。
利率
額面金額に対する1年あたりの利子の割合、いわゆるクーポンのこと。
利回り
投資元本に対する収益の割合のこと。
次に、利回りの覚え方について確認します。
図 「利回りの覚え方」
Cは、額面100円に対する1年あたりの利子収入です。
E-Sは、償還差損益、または売却損益です。
これを、nである残存期間で割ることで、1年あたりの償還差損益または譲渡損益を計算することができます。
計算が苦手でも、図で覚えられる利回り計算の仕方
様々な利回りは、前述の図「利回りの覚え方」を使って、同じ式で表すことができます。
いくつか例題を挙げますので、図と照らし合わせながら確認してください。
最終利回り【r】=
{年利率【C】+(償還価格【E】-購入価格【S】)÷ 残存期間【n】}÷ 購入価格【S】×100%
例題:
利率年2.0%、残存期間5年、購入価格99.00円の利付国債の最終利回りはいくらか。小数点第4位以下を切り捨てる。
解答:
{2.0+(100.00-99.00)÷ 5}÷ 99.00×100%=2.111%
応募者利回り【r】=
{年利率【C】+(償還価格【E】-発行価格【S】)÷ 償還期限【n】}÷ 発行価格【S】×100%
例題:
利率年2.0%、償還期限10年、発行価格100.50円の利付国債の応募者利回りはいくらか。小数点第4位以下を切り捨てる。
解答:
{2.0+(100.00-100.50)÷ 10}÷ 10×100%=1.940%
所有期間利回り【r】=
{年利率【C】+(売却価格【E】-購入価格【S】)÷ 所有期間【n】}÷ 購入価格【S】×100%
例題:
利率年3.0%、10年満期の利付国債を99.50円で購入したところ、4年後に101.00円に値上がりしたので売却した。所有期間利回りはいくらか。小数点第4位以下を切り捨てる。
解答:
{3.0+(101.00-99.50)÷ 4}÷ 99.50×100%=3.399%
今回は証券外務員二種で出題される計算問題の覚え方についてお話ししました。
テキストの言葉が難しくて挫折しそうなときもあるかもしれませんが、少しずつでも覚えていけば、わかることも増えるので学ぶ面白さが見えてきますよ!
次回は「証券外務員二種でわかりくい分野についてどう対策を取るべきか」についてお話しします。
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