株式会社キャリタスが行った「2025就職希望企業ランキング」の調査結果をみると、メガバンクを筆頭に銀行など多くの金融機関がランクインしています。
そんな証券会社や銀行などの金融機関に入社する方は、証券外務員二種の資格が必要になることが多いです。
資格は入社直後でも取得可能ですが、内定後から取得を必須とする金融機関がほとんどです。
多くの金融機関では、内定式の後にテキストが配布され、学習は独学で進めることになります。入社前に取得していないと、研修中に講師の先輩や人事部からお叱りを受けることも。
入社早々つまずいてしまわないよう、証券外務員二種の試験にはきっちり合格しましょう。
証券外務員二種の試験は、出題される重要ポイントを押さえた勉強法を知れば、独学でも十分に合格できます。
これから4回に渡り、外務員資格講座の講師を務めたこともある筆者が、証券外務員二種の勉強法をご紹介します。第1回となる今回のテーマは「試験概要と3つの勉強法」です。
この連載を読んで実践すれば、証券外務員二種に独学でも問題なく合格できるでしょう。
目次
証券外務員二種に出題される問題とは?
攻略対象を知らずして、試験に合格することはできません。この章では、証券外務員二種の出題範囲についてしっかり理解しましょう。
法令 ・ 諸規則 |
・金融商品取引法及び関係法令 ・金融商品の勧誘・販売に関係する法律 ・協会定款・諸規則 ・取引所定款・諸規則 |
商品業務 | ・株式業務 ・債券業務 ・投資信託及び投資法人に関する業務 ・付随業務 |
関連科目 | ・証券市場の基礎知識 ・株式会社法概論 ・経済・金融・財政の常識 ・財務諸表と企業分析 |
初めて見る方にとっては、とっても難しそうに見えますよね…。
でも安心してください。証券外務員二種の試験には明確な攻略法があります。
攻略法を知っていれば、独学の方でも心配ありません。
勉強法その1:試験問題の配点がカギ
証券外務員二種のカギは配点にあります。
・〇×問題が50問100点(1問2点)
・5肢選択の問題が20問200点(1問10点)
合計で300点です。
合格ラインは300点満点中210点。つまり7割正解すれば証券外務員ニ種に合格できます。
皆さん、ここで気づきませんか?圧倒的に5肢選択の問題の配点が高いことに。
○×問題が1問2点であるのに対し、5肢選択の問題は1問10点の配点があります。皆さん覚えておいてください。5肢選択の問題こそが証券外務員二種合格のカギなのです。
5肢選択問題を重点的に勉強することが、証券外務員二種に合格するための勉強法その1であると心得てください。
勉強法その2:頻出ポイントを徹底攻略すべし
証券外務員二種試験の出題範囲は広いですが、毎回似たような問題が出題されます。
とはいっても甘く見てはいけません。どうせ受かるでしょ、と気を抜いて試験に落ちてしまい人事部からお叱りを受ける内定者が毎年数人出ます。金融機関から内定を貰う現役の大学生でも、勉強をサボると落ちてしまうのが事実です。
毎回決まったところから出題されるところを押さえ、しっかり勉強することが証券外務員二種の勉強法その2です。
よく出題されるところは以下の通りです。
金融商品取引法及び関係法令 協会定款・諸規則 株式業務 債券業務 投資信託及び投資法人に関する業務
以上から、全体の約6割が出題されることが多いです。
まずは金融商品取引法および関係法令などについて重点的に勉強した後に、それ以外の範囲を勉強しましょう。
勉強法その3:計算問題のパターン理解は必須
証券外務員二種試験の問題形式は、○×問題と5肢選択問題です。
〇×問題は、比較的短い文章が問題文として出題され、それが正しいかどうかを判別する問題です。
5肢選択問題では、正解を1~2個選ぶ問題や計算問題、穴埋め問題などが出題されます。
証券外務員二種の計算問題は6~8問程度で、60点~80点を計算問題が占めます。合計300点ですので、計算問題が全体の20%~26%を占めます。つまり、配点数が多く、1つでも間違えると、合否にかかわってしまうのです。
金融機関に総合職で入社する学生の多くが文系でしょう。文系出身の方は計算問題に苦手意識があるかもしれません。
しかし、証券外務員二種の計算問題の多くはパターン化された計算問題です。パターンさえしっかり理解しておけば、そんなに怖いものではありません。
例えば株式業務ではPER、PBR、ROEなどの出題が目立ちます。
PER=株価÷1株当たり当期純利益
PBR=株価÷1株当たり当期純資産
ROE=当期純利益÷自己資本
PERやPBRのPは価格のPriceです。価格を求める時には1株当たりの数値を求められることを覚えておきましょう。
パターン化された計算問題をしっかり理解することが、勉強法その3です。
具体的な勉強法については、連載第2回からお伝えしていきます。
余談:証券外務員の正会員と特別会員の違い
余談となりますが、証券外務員の正会員と特別会員の違いについて説明します。
簡単に説明すると、正会員が証券会社の社員向けの資格、特別会員が銀行や保険会社の社員向けの資格です。
特別と書いてあると、特別会員の方が難しい資格のように思う方もいるかもしれません。しかし特別会員の方が、合格後に行える業務の範囲が狭いため、試験は正会員よりも簡単です。
そのため、銀行でも正社員は、行える業務範囲が狭い特別会員ではなく、正会員の試験を受ける方が一般的です。
証券外務員二種は決して難しい試験ではありません。証券外務員二種試験の傾向と対策がわかっていれば、独学でも問題なく合格できます。
次回から証券外務員二種の具体的な勉強法について説明しますので、ぜひ参考にしてください。連載第2回は「法令・諸規則」の勉強法について詳しく解説します。
参考URL:
https://job.career-tasu.jp/special/ranking/1_01.html
https://www.jsda.or.jp/gaimuin/shiken.html
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