独学で証券外務員二種の試験に合格するには、出題される重要ポイントを押さえた勉強法を知ることが早道です。
前回は、証券外務員二種の試験概要と3つの勉強法を解説しました。
連載第2回の今回は、証券外務員二種の出題分野3つのうち、「法令・諸規則」の勉強法について解説します。
法令・諸規則は暗記が中心の分野です。独学で暗記を続けるのは退屈で難しいかもしれませんね。
しかし、どこを重点的に計画的に暗記すれば高得点が狙えるのか知っていれば、不安になることはありません。
証券外務員二種「法令・諸規則」の配点
証券外務員二種試験は300点満点の試験です。
そのうち法令・諸規則からの出題予想は
・金融商品取引法および関係法令から30点
・金融商品の勧誘·販売に関係する法律から 6点
・協会定款·諸規則から 40点
・取引所定款・諸規則から10点
の、合計 86 点です(配点は推定です)。
配点を見てわかるように、法令・諸規則の効率的な勉強法は、金融商品取引法および関係法令、協会定款·諸規則を重点的に勉強することです。
証券外務員二種「法令・諸規則」の効率的な勉強方法
法令・諸規則を覚える作業が必要になりますが、ひたすらテキストを読んで暗記するのではなく、問題を解くのが最短です。
インプット作業よりも、覚えた情報を思い出して引き出す時に記憶が定着するので、テキストを一読したらすぐに問題集に取り掛かりましょう。
特に独学の方は、講師の解説なしにテキストを読んでいても退屈してしまいます。独学の方こそ問題集で記憶を定着させるのがおすすめです。
では、法令・諸規則から出題される科目を細かく見ていきましょう。
金融商品取引法および関係法令|重要度★★★
金融商品取引法および関係法令の配点は30点です。〇×問題が5問、5肢選択の問題が2問出題されることが多いです。 証券外務員二種試験の配点は合計300点ですから、全体の1割を占める重要な分野です。
金融商品取引法および関係法令では、金融商品取引業者や有価証券など聞き馴染みのない言葉が多く出てくるため、暗記が大変だと感じている方も多いでしょう。
しかしそんなに怖がる必要はありません。
金融商品取引法および関係法令では、外務員として当然知っておくべき常識や行為規制、遵守すべきルール等についてなども出題されます。一般常識で解ける問題がほとんどで、テキストを全く読まなくても正解できる問題もあるので安心してください。
とはいえ、一般常識で解ける問題以外にも、相場操縦やインサイダー取引、損失補てんなど金融独特の用語の出題も多いので、金融用語の意味についてはしっかり暗記することが重要になります。比較的簡単な分野ですが、配点が高いので油断せずに臨みましょう。
金融商品の勧誘·販売に関係する法律|重要度★
金融商品の勧誘·販売に関係する法律の配点は6点です。〇×問題が3問出題されることが多いです。
配点が低いので、時間をかけて勉強する必要はありません。また、一般常識で解ける問題が多いので、覚えることはそこまで多くありません。
覚えるべき法律は、消費者契約法と販売収益移転防止法です。これらの法律では数字をよく覚えておきましょう。
消費者契約法の重要数字の例
取り消し権が追認から「1」年で、行使しないと契約締結から「5」年で消滅します。ちなみに私は「イチゴのための消費者契約法」と覚えました。
筆者提供
販売収益移転防止法の重要数字の例
本人確認に使われる書類が「6」カ月以内に作成されたもので、取引記録を「7」年保存しないといけません。多くの受験生が「1、5、6、7」と覚えています。
協会定款・諸規則|重要度★★★
協会定款・諸規則の配点は40 点です。〇×問題が5問、5肢選択の問題が3問出題されることが多いです。
証券外務員二種試験の配点合計300点のうち、1割強の配点になります。配点が大きいのでしっかり勉強しましょう。
暗記中心になりますが、一般常識で解ける問題がほとんどなので安心してください。独学の方はアウトプット重視で問題集を繰り返して記憶を定着させましょう。中にはグリーンシート銘柄やフェニックス銘柄など、独特の用語が出てきますが、こちらについては問題を解きながら覚えていきましょう。
協会定款·諸規則は、「協会員は、投資商品を勧誘する際、顧客の理解度を確認する必要がある。〇か×か」のように、一般常識で解ける問題が多いので 高得点を狙いやすい科目であるといえます(ちなみに答えは、〇です)。
取引所定款・諸規則|重要度★
取引所定款・諸規則の配点は10点です。〇×問題が5問出題されることが多いです。
配点は高くないので優先度は低い項目です。
しかし、株式投資に興味がある人にとっては興味深い内容といえます。証券取引所と取引者の関係などが内容となるので、勉強していて面白い科目です。覚えておいて損はありませんし、興味のある方はこの機会に力を入れて学ぶのもよいかもしれません。
ちなみに「顧客カード」の記載事項に関する問題がよく出題されます。
例えば、次のような正誤を問われる問題が出題されています。
1.「顧客カード」の記載事項には、家族構成は含まれない。
2.「顧客カード」の記載事項には、投資目的が含まれる。
3.「顧客カード」の記載事項には、資産の状況は含まれない。
これらの問題の解答がこちらです。
1.〇
2.〇
3.✖
「顧客カード」の記載事項は、「顧客の氏名」、「住所」、「生年月日」、「職業」、「投資目的」、「資産の状況」、「投資経験の有無」などですので、しっかり押さえておきましょう。
今回は、証券外務員二種の出題分野の1つ、法令・諸規則について勉強法を解説しました。
法令・諸規則は、計算問題などはほぼなく、暗記が中心になります。テキストを読むだけではなく、一読したら問題集を解きながら記憶を定着させるのが勉強のポイントです。
法令についても勉強できるので、ぜひこの機会を活かし、興味をもって勉強していただければと思います。
次回は出題分野の1つ「商品業務」の勉強法について解説します。
参考URL: https://www.jsda.or.jp/about/kisoku/ https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0104.html
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