独学で証券外務員二種の試験に合格するには、出題される重要ポイントを押さえた勉強法を知ることが早道です。
この連載では、第1回は証券外務員二種の試験概要と3つの勉強法を、第2回は出題分野の1つである法令・諸規則の勉強法を、第3回は同じく出題分野の1つである商品業務の勉強法を、それぞれ解説しました。
最終回の今回は、残る出題分野である「関連科目」の勉強法について解説します。
範囲が広い割に配点が少ないので、時間のない独学の受験生の中には捨て問にしてしまう方も少なくありませんが、独学でも確実に合格を狙うならしっかり対策したい分野です。
また、ポイントを押さえて勉強することで、効率的に点数が取れる分野でもあります。
証券外務員二種「関連科目」の配点
証券外務員二種は300点満点の試験です。
そのうち関連科目の配点予想は
・証券市場の基礎知識が10点
・株式会社法概論が20点
・経済·金融·財政の常識が20点
・財務諸表と企業分析が20点
・証券税制が20点
・セールス業務が10点
となり、合計で100点になります(配点は推定です)。
証券市場の基礎知識とセールス業務は、5肢選択の問題が1問ずつ出題されます。
証券外務員二種「関連科目」各科目の勉強法
関連科目の中のどの科目を重点的に勉強すべきか見ていきましょう。
証券市場の基礎知識|重要度★
証券市場の基礎知識の配点は10点で、5肢選択の問題が1問出題されることが多いです。
配点は低いですが、意味を理解しておくと金融機関に就職後、役に立つこともあります。どうしても時間がない人は、「証券取引等監視委員会は自主規制機関ではない」という点だけでも覚えておきましょう。
株式会社法概論|重要度★★
株式会社法概論の配点は20点です。〇×問題が5問、5肢選択の問題が1問出題されることが多いです。
株式会社や大会社に関連する問題が頻出しています。
株式会社以外の会社形態として、合名会社、合資会社、合同会社なども出題範囲ですが、株式会社や大会社を中心に勉強しつつ、その他の会社形態については意味を理解しておきましょう。
株式会社についてであっても、議決権や決議、取締役など機関に関する知識は時間に余裕がない場合は後回しにしてもいいかもしれません。
ちなみに、計算問題が出ることはほぼないので内容の暗記が中心になります。経済・金融・財政の常識|重要度★★
経済・金融・財政の常識の配点は20点で、5肢選択の問題が2問出題されることが多いです。
暗記中心なので、頻出分野を中心に勉強することが独学で合格するカギです。
例えば、GDPや景気動向指数、日銀短観、預金準備操作などが頻出分野です。
また、景気動向指数や日銀短観、CPIなどは発表機関と発表の頻度が問われることがあるので、整理しておきましょう。
指数 | 発表する期間は? | 発表の頻度は? |
---|---|---|
CPI | 総務省 | 毎月 |
景気動向指数 | 内閣府 | 毎月 |
日銀短観 | 日銀 | 3ヵ月に1回 |
GDPや景気動向指数、プライマリーバランスなどはニュースで聞いたことがある方も多いと思います。ちなみに景気動向指数は毎月、内閣府によって公表されますが、私の暗記のコツは「毎月ケーキ(景気)を食べない(内閣)」です。語呂で覚えると覚えやすいかもしれませんね。
財務諸表と企業分析|重要度★★
財務諸表と企業分析の配点は20点です。〇×問題が5問、5肢選択の問題が1問出題されることが多いです。
金融業界において財務諸表が読めるようになることは必須のスキルですので、入社前に理解しておくことを推奨します。
ただし、暗記が多い割に配点が低いです。時間がない方は配当性向や配当率などの頻出分野を重点的に学習しましょう。
証券税制|重要度★★
証券税制の配点は20点です。〇×問題が5問、5肢選択の問題が1問出題されることが多く、計算問題が出題される点が特徴です。
税金の基本である所得税、中でも利子所得や配当所得、譲渡所得などが中心に出題されます。また、相続税や贈与税も出題範囲になります。
上場株式の評価や株式等の譲渡所得の計算問題がよく出題されるので、時間がない方はこれらの頻出分野を重点的に勉強しましょう。
投資に興味がある方は勉強するまでもなく既に知っているかもしれませんね。ちなみに新NISAなどの非課税制度も出題範囲です。
セールス業務|重要度★
セールス業務の配点は10点で、5肢選択の問題が1問出題されることが多いです。
セールス業務は範囲も狭く問題もパターン化されているので勉強しやすい科目です。セールス業務のポイントは、倫理コード、IOSCO、金融庁·プリンシプル、コンプライアンスなどです。
今回は証券外務員二種の出題分野の1つ、関連科目について勉強法を解説しました。
関連科目は、証券税制など馴染みのない分野もありますが、証券外務員の実務においては必須の知識です。ぜひ試験を機会にしっかり勉強しておきましょう。
これで全4回の連載が終了しました。いかがでしたか?
証券外務員二種はしっかり対策することで、独学でも合格を目指せる試験です。試験範囲が広いですが、効率的に勉強すれば独学でも余裕を持って合格できます。
金融機関に内定が決まっている方は入社前に合格することで、気持ちよく入社の日を迎えられるでしょう。
この連載が、受験生のみなさんの合格の助けになれば嬉しいです。
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