証券外務員二種の試験に合格するには、出題される重要ポイントを押さえた勉強法を知ることが早道です。
この連載では、第1回は証券外務員二種の試験概要と主な勉強法3つを、第2回は出題分野の1つである法令・諸規則の勉強法を、第3回は同じく出題分野の1つである商品業務の勉強法を、それぞれ解説しました。
最終回の今回は、残る出題分野である関連科目の勉強法について解説します。
関連科目の中でもどの科目に力を入れて勉強すべきか、優先度を知り効率的に勉強しましょう。
連載「元銀行員が解説!証券外務員二種勉強法」
- 試験概要と勉強法3つ
- 「法令・諸規則」勉強法
- 「商品業務」勉強法
- 「関連科目」勉強法
証券外務員二種「関連科目」配点
証券外務員二種は300点満点の試験です。
そのうち関連科目の配点は
・証券市場の基礎知識が10点
・株式会社法概論が20点
・経済·金融·財政の常識が20点
・財務諸表と企業分析が20点
・証券税制が20点
・セールス業務が10点
となり、合計で100点になります(配点は推定です)。
証券外務員二種「関連科目」各科目の勉強法
関連科目の中のどの科目を重点的に勉強すべきか見ていきましょう。
証券市場の基礎知識|重要度★
証券市場の基礎知識の配点は10点です。配点が低いので重点的に勉強する必要はないでしょう。
しかし許可・認可・免許・届出・登録の意味の違いについて理解しておくと実社会で役に立つことも多々あると思います。
計算問題は特にないので、内容を理解する程度で十分です。
証券市場の基礎知識|重要度★
株式会社法概論の配点は20点です。比較的配点が高い項目なので、しっかり勉強する必要があります。
株式会社法概論のポイントは、会社設立と株式、株式会社の機関、株式会社・計算書類と組織の再編などです。
株式会社以外の会社形態として、合名会社、合資会社、合同会社などについても出題範囲になります。株式会社を中心に勉強しつつ、合名会社などについては軽く触れておくことが効率の良い勉強法となるでしょう。
株式会社法概論については計算問題が出ることはほぼないので内容の暗記が中心になります。
余談ですが、銀行で証券外務員二種の講師をしていた頃、多くの生徒が一番興味を持った項目が株式会社法概論でした。株式会社の組織形態などを理解できると、経済ニュースを見るのが楽しくなるはずです。
経済・金融・財政の常識|重要度★★
経済・金融・財政の常識の配点は20点です。こちらの項目も比較的配点が高いのでしっかり勉強する必要があります。
経済や金融については、証券会社や銀行に勤めるうえで必須の知識です。証券外務員二種の勉強を通してきちんと覚えましょう。
GDPや景気動向指数については知っている方も多いと思います。しかし日銀短観などかなり専門的な財政指標も出題されます。経済学部や商学部出身の方は馴染みのある分野だと思いますが、文系出身の方にとっては厳しい分野かもしれません。
用語を理解しながら問題を解いていくのが良いでしょう。
財務諸表と企業分析|重要度★★
財務諸表と企業分析の配点は20点です。
金融業界において財務諸表が読めるようになることは必須のスキルです。必ず理解しましょう。
財務諸表は簿記の知識が無い方にとっては不利な項目ですが、試験を機会に知識を深めてください。
証券税制|重要度★★
証券税制の配点は20点です。
税金の基本所得税、所得税の中でも利子所得や配当所得、譲渡所得などが中心に出題されます。また、相続税や贈与税も出題範囲になります。
税金に関しては苦手意識がある方も多いでしょう。しかし実務をするうえで証券税制についての理解は必須になります。
計算問題もあり重い分野ではありますが。問題のパターンは決まっているので勉強法は確立しやすいかと思います。
セールス業務|重要度★
セールス業務の配点は10点です。
セールス業務は範囲も狭く問題もパターン化されているので勉強しやすい科目です。セールス業務のポイントは、倫理コード、IOSCO、金融庁·プリンシプル、コンプライアンスなどです。
今回は証券外務員二種の出題分野の1つ、関連科目について勉強法を解説しました。
関連科目は、証券税制など馴染みのない分野もありますが、証券外務員の実務においては必須の知識です。ぜひ試験を機会にしっかり勉強しておきましょう。
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