証券外務員二種の短期取得方法「外務員二種の計算問題の解き方は？」

証券外務員二種の資格試験には計算問題が出題されます。
計算問題は配点の高い五肢選択方式で出題されることが多く、貴重な得点源です。
点数を積み重ねるためには、過去問と類似した問題は確実に正解できるよう、トレーニングしておくことが必要です。

「合格者が解説！証券外務員二種の短期取得方法」、最終回の今回は、計算問題のコツをご紹介します。

公式は問題文をみたらひらめくまでトレーニング

私はPER及びPBR、ROEなどの株価指標は語句をみたら公式がひらめくように、「問題をみる→公式をメモする」を繰り返して暗記しました。公式はそれぞれ次の通りです。

株価収益率（PER）＝株価／1株当たり純利益 株価純資産倍率（PBR）＝株価／1株当たり純資産 自己資本利益率（ROE）＝当期純利益（年換算）／自己資本（期首・期末平均）×100

では、例題をみてみましょう。

例題1

以下の会社（年1回決算）の株価純資産倍率（PBR）及び株価収益率（PER）の組み合わせとして正しいものの番号を1つ選びなさい。（選択肢は省略）
発行済み株式総数　100万株
総負債　　5億円
当期（純）利益　1億円
総資産　15億円
株価（時価）　800円

例題1　解答のコツ

例題1の場合、公式の要素をコツコツ計算してから、最後に公式に当てはめます。
PBRには「1株当たり純資産」が必要なので、次のようになります。

1株当たり純資産＝純資産÷発行済み株式総数
＝（総資産－総負債）÷発行済み株式総数
＝（15億円―5億円）÷100万株
＝10億円÷100万株
＝1,000円／株
PBR＝株価÷１株当たり純資産＝800円÷1,000円＝0.8倍

同様にPERは「１株当たり当期純利益」を計算します。

1株当たり当期純利益＝当期純利益÷発行済み株式総数
＝1億円÷100万株＝100円
PER＝株価÷１株当たり当期純利益＝800円÷100円＝8倍

同様の手法で暗記した公式には、財務諸表や企業分析に出てくる計算式や、各種利回りなどがあります。利回りは応募者利回り、直接利回りなどの違いも覚えました。

仕組みを理解＆手を動かして解く

例題2

売買立会の始値決定直前の注文控（板）の状況が下表の状態である場合、始値はいくらで決定されるか。正しいものの番号を１つ選びなさい。（選択肢は省略）

＜始値直前の注文控（板）状況＞

売呼値記載欄	値段	買呼値記載欄
600株	成行	400株
800	502円	100
2,000	501円	700
400	500円	1,000
200	499円	800
400	498円	3,000

例題2　解答のコツ

例題2は「板寄せ」の問題です。板寄せでは価格が優先になり、次のステップで価格が決定します。

ステップ１：成行をすべて約定させます。
成行売呼値400株⇔成行買呼値400株
成行売呼値200株（600株－400株）が残ります。

ステップ2：残った価格の中で、高い買呼値と低い売呼値とを対当させ約定させます。
成行売呼値の残り200株を、残りの価格の中で最も高い買呼値と対当させ約定させます。
成行売呼値200株⇔502円買呼値100株、501円買呼値100株
501円買呼値600株（700株－100株）が残ります。

残った価格の中で、最も高い買呼値501円と最も低い売呼値を順次対当させて約定させます。
498円売呼値400株、499円売呼値200株⇔501円買呼値600株

ステップ3：売呼値と買呼値のいずれか一方すべてを約定させます。

最後に、500円売呼値400株と500円買呼値を約定させます。
500円売呼値400株⇔500円買呼値400株

これにより、売呼値400株すべてが約定し、売呼値の株式すべてが約定しました。
この結果、始値は500円になります。

私は「板寄せ」はチンプンカンプンだったのですが、紙に書いて約定した株数に斜線を引いて演習することで、解けるようになりました。仕組みを理解すれば解けるようになり、本番での自信につながると思います。

なお、「板寄せ」と同様に仕組みを理解し、手を動かして解く練習をした問題には、財務諸表に関する問題などがあります。

以上が私の計算問題のコツでした。本試験では、ときには高難易度の激ムズ問題が出題されることもありますが、似た問題は確実に解ける訓練をしておけば合格できると思います。

私にとって証券外務員二種の試験勉強は、人生を豊かにしてくれるものになりました。
それは、仕事に必要であるのはもちろんのこと、経済ニュースや会社業績に対する理解度が深まり自分の成長を感じることができたからです。

証券外務員二種に興味を持った皆様が資格取得にチャレンジし、ひとりでも多くの方が合格されることを楽しみにしております。