金融機関での業務で投資信託などの金融リスク商品を取り扱う際に、証券外務員二種は必要な資格です。
試験に合格するためにも、よく出る問題を早めにマスターして制限時間内に見直しの時間も確保できるよう、正確に、かつスピーディーに解く力をつけましょう。
連載「2ヶ月で合格!証券外務員二種」、前回は理解できないと思われがちな箇所「証券税制」のポイントについてお伝えしました。
最終回の今回は、証券外務員二種でよく出る問題「財務諸表」についてお話しします。
よく出る問題は確実に習得し、正解率を高めて合格を目指しましょう!
目次
【学習スケジュール】頻出問題「財務諸表」を解く
財務諸表で出てくる「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」は財務三表といわれています。株式や債券を売買する際に、その企業の経営成績や財務状況を把握するための重要な資料です。
財務諸表や企業分析の分野は、証券外務員二種の試験でよく出題される範囲です。
専門用語が多く含まれますが、計算問題の出題パターンはほぼ同じのため、何度も問題を解けば得点を上げることも可能になるでしょう。
財務諸表・企業分析の範囲を理解すれば会社のお金の流れもわかる
ここでは、財務諸表でよく出る問題についてお話しします。
自己資本比率、売上などの計算はよく出題される分野の1つですので、1つずつマスターしていきましょう。
財務諸表とは、わかりやすくいうと「決算書」のことで、一定期間における企業の財政状況や経営成績、キャッシュフローの状況などを開示するために作成する書類です。
貸借対照表:
「一定時点」における企業の「財務状態」
損益計算書:
「一定期間」における企業の「経営成績」
専門用語は、金融初心者には難しく感じますよね。身近なもの、例えばあなたの家計簿に当てはめて考えてみましょう。
貸借対照表は、あなたのお金の出入りをイメージしてください。貯蓄に回るお金、食費や光熱費、住宅ローン、誰かに返済するお金など細かく分けられますね。
損益計算書は、あなたのお金の流れをイメージしてください。例えば1年間で区切ったときに、締めの日にどれだけ収入があったか?借金はどのくらい残っているか?などです。
それを会社に当てはめると、
- 「貯蓄」は「自己資本」に
- 「収入」は「売上」に
となります。言葉が違うだけで、本質は家庭のお金の動きと変わりません。
証券外務員二種の試験では、自己資本や売上の利益率を計算式で求める問題がよく出題されます。
試験までにマスターしたい「資本利益率の計算」とは?
会社の収益性を測る指標として、資本をベースに考える資本利益率があります。手元のお金でどれだけの利益を上げられたかを表すものです。
証券外務員二種の試験でよく出るのは、この自己資本利益率の計算です。
自己資本利益率はROEと呼ばれており、企業の当期純利益に対する自己資本の割合をいいます。 この割合が高ければ財務的な安定を示すため、顧客にとって投資する際の判断材料の1つになります。
計算式は以下の通りです。
自己資本利益率(%)
=当期純利益÷自己資本(期首・期末平均)×100
他にも、総資本(純)利益率という、企業がもつ資本全体の効率的な利用ができているかを表す指標があります。
総資本(純)利益率(%)
=当期純利益÷総資本(期首・期末平均)×100
そして、資本金(純)利益率という、当期純利益と資本金の割合を表し、配当の可能範囲を計算できる式があります。
資本金(純)利益率(%)
=当期純利益÷資本金(期首・期末平均)×100
会社の収益性がわかる売上高利益率とは?
売上高利益率とは、売上高に対して、どれだけ利益を上げられたかを表すもので、収益性を知ることができる計算式です。
① 売上高(純)利益率
売上高に対する当期純利益の割合を示します。
売上高(純)利益率(%)
=当期(純)利益÷(純)売上高×100
② 売上高総利益率
売上高に対する売上総利益(粗利益)の割合を示します。
売上原価率が低下すれば、売上高総利益率は上昇します。
売上高総利益率(%)
=売上総利益÷(純)売上高×100
={(純)売上高―売上原価}÷(純)売上高×100
③ 売上高営業利益率
売上高に対する営業利益(売上総利益―営業費)の割合を示すもので、営業活動における収益性を示します。
売上高営業利益率(%)
=営業利益÷(純)売上高×100
④ 売上高経常利益率
売上高に対する経常利益の割合を示すもので、経常的な操業活動の収益力を示します。
売上高経常利益率(%)
=経常利益÷(純)売上高×100
これらの計算式は証券外務員二種の試験によく出る問題です。紛らわしいものも多いですが、しっかり覚えておいてください。
証券外務員二種で試験によく出る問題である、資本利益率と売上高利益率について、計算式を中心に確認してきました。
これらは試験だけでなく、その後の業務でも使用頻度が高い公式です。マスターしておくと、将来にもつながる知識だと思って、確実に得点できるよう、何度も繰り返し取り組んでくださいね。
皆さんが試験に合格できるよう願っています。
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