脳を働かせるためには、脳のエネルギー減となる栄養素が欠かせません。これらの栄養素が足りないと、集中できずに仕事や勉強の効率が下がってしまうことも。では、集中力を高める栄養素とは、どのようなものなのでしょうか。
本連載「脳を活性化させる食事」では全5回にわたり、脳の機能を高める食べ物についてご紹介します。
第2回は、集中力を高める食べ物と食べ方について。「仕事や勉強にしっかり集中したい!」という人は、ぜひ読んでみてくださいね。
集中力を高める栄養素と食べ物とは?
まずは、集中力を高めるために必要な栄養素と食べ物について説明していきましょう。
脳のエネルギー源、ブドウ糖は必須!
集中力を高めるためには、脳のエネルギー源となるブドウ糖が欠かせません。ブドウ糖は、ごはんやパン、芋類などの炭水化物が消化されることで得られる栄養素。集中力を高めるためには、ごはんなどの主食をしっかり食べ、脳にブドウ糖を送ることが大切です。
ブドウ糖は、ごはんやパンといった食事のほかにも、砂糖やジュースなどの甘いものからも得られます。しかし、砂糖などから摂るブドウ糖は、血糖値を急激に上げ、さらに急激に低血糖状態を起こしてしまうという特徴が。
そのため、脳に送られるブドウ糖は安定して供給されず、集中力を持続できないのです。集中力を高める、つまりブドウ糖を脳に安定して供給するには、血糖値をゆるやかに上昇させる、ごはんなどの食事からブドウ糖を摂るのがベストですよ。
ビタミンB1をはじめとするビタミンB群
ブドウ糖が脳のエネルギー源となるということをお伝えしましたが、ブドウ糖の代謝に関わる栄養素がビタミンB1です。豚肉や納豆、豆腐、玄米などに多く含まれています。
ビタミンB1のほかにも、ビタミンB2・B6・B12といったビタミンB群は、脳を活性化するのに必要な栄養素。うなぎやまぐろなどの魚、レバー、卵、乳製品などが、ビタミンB群を多く含む食べ物です。
栄養素は、単体でなくチームで働くもの。ごはんなどの主食といっしょに、ビタミンB1をはじめとするビタミンB群をおかずで摂るよう心がけましょう。
必須アミノ酸のリジン
ブドウ糖の代謝に関わる栄養素は、ほかにもあります。かつお節や大豆、牛乳、チーズなどに含まれる、必須アミノ酸のリジンです。
リジンは、たんぱく質の吸収を促進し、ブドウ糖の代謝をスムーズにする働きを持ちます。体の疲れをとったり、集中力を高めたりするのに重要な栄養素です。
不足しがちな鉄分も
集中力を持続させるために必要な栄養素は、まだまだあるんです。
現代人に不足しがちな鉄分は、脳へ十分に酸素を送るのに欠かせない栄養素。豚肉やレバーなどのお肉や、かつおやあさりなどの魚介類に含まれる鉄分は、ヘム鉄といって体に吸収されやすいためおすすめです(吸収率30%前後)。
ヒジキや小松菜、大豆などにも鉄分は含まれますが、これらの鉄分は非ヘム鉄といって体に吸収されにくいという特徴があります(吸収率5%程度)。効率よく鉄分を摂るには、肉類や魚介類から摂取するのが良いでしょう。
脳を活性化するカカオポリフェノール
最後に、近年注目されているカカオポリフェノールについて紹介します。 チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、脳の血流を改善し、短期記憶力や集中力をアップさせる働きが。チョコレートを食べるタイミングについては、次の項目でご紹介しますね!
集中力を効率的に高める食べ方とは?
集中力を高める栄養素と食べ物について見てきましたが、これらの食べ物はどのように食べるのが効果的なのでしょうか。ここからは、集中力を高める食べ物の食べ方をお伝えしていきます。
朝食は特にしっかりと!ごはん&おかずが理想的
集中力を高めるために、まず1日の始まりの朝にしっかり朝ごはんを食べましょう。
脳のエネルギー源となるブドウ糖は、消化吸収されやすいパンよりも、ゆっくりと時間をかけて消化吸収されるごはんから摂取するのが理想です。
パンを食べる場合にも、ライ麦パンや全粒粉パンといった、ゆっくりと消化吸収されるものを選ぶのがベターでしょう。
さらに、ブドウ糖の吸収を助けるビタミンB1やリジンを含むおかずをごはんといっしょに食べると、なお良いですね!
おかずには、これらの栄養素を含む納豆や豆腐、魚、卵、乳製品などがおすすめ。実は、ごはんに納豆、焼き魚、卵焼きといった和食の朝ごはんは、集中力を高めるのに理にかなった食事と言えるんですよ。
3時のおやつにチョコレートもおすすめ!
昼食後、小腹がすくころに集中力が切れてくる…という経験のある人もいるのではないでしょうか。脳に供給されるブドウ糖が少なくなってきたころ、3時のおやつにチョコレートでブドウ糖を補給し、カカオポリフェノールで集中力を高めるのもおすすめです。
チョコレートには疲れをとり心身をリラックスさせる効果もあり、集中力の切れてくる時間帯に食べるのは合理的とも言えます。前述したとおり、砂糖から得られるブドウ糖は急激に血糖値を上げ下げしてしまうため、しっかりと食事を摂った上で間食にチョコレートを少量摂るといった食べ方を意識してみてくださいね。
紹介したように、食べ物や食べ方を工夫するだけで、集中力が高まりパフォーマンスが良くなります。もっと栄養や食べ物について知識を深めたい人には、「家庭料理検定」や「健康のきほん」といった講座を受講してみるのもおすすめ。
基礎を学ぶことで、集中力を高めたいときや脳を活性化したいときなど、目的に合った食べ物選びができるようになりますよ!
家庭料理技能検定3級講座 健康のきほん講座集中力を高める超簡単レシピ
ここまで紹介してきた集中力を高める栄養素を、超簡単に摂れる朝ごはんレシピを紹介します。手抜き料理…いやいや!集中力が上がるための最強時短料理なんですよ。
集中したい日の最強手抜き朝食!ツナットウ丼
■材料
納豆
ツナ缶
めんつゆ 適量
亜麻仁油やごま油
お好みで小葱やかつおぶし
■作り方
① 納豆とツナ缶、めんつゆを混ぜます。
② お好みで、刻んだ小葱やかつお節、亜麻仁油やごま油などのオイルをプラス。
③ ごはんにのせて召しあがれ!
混ぜるだけで作れる簡単レシピなので、忙しい朝にもパパっと作れますよ。
ごはんでブドウ糖を、納豆でビタミンB1とリジン、ツナ缶でビタミンB群と鉄分、かつお節でリジンが摂取できます。第1回でお伝えした、脳を活性化するオメガ3系脂肪酸を含む亜麻仁油をかければ、もう集中力はあなたのもの!?
ごはんとおかずの食事で集中力を味方に!
集中力を高める、と聞くとなにか特別な食べ物を考えそうですが、ごはんにおかずといったごく普通の食事を、丁寧に続けていくことが大切なのですね。
今日は集中したい!という日には、ぜひ今回ご紹介したような朝食をとって、パフォーマンスの良い一日を送ってくださいね。
次回の第3回は、記憶力をアップする食べ物や食べ方についてお伝えします。記憶力アップに役立つ、簡単レシピもお楽しみに!
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