勉強して一度覚えたはずなのに「あれ?なんだっけ…」と忘れてしまうこと、ありますよね。
学習時、脳内では神経伝達物質が分泌され、学習したことを記憶するのですが、この神経伝達物質が不足すると学習や記憶力に影響が出てしまいます。記憶力がアップするためには、記憶に関わる神経伝達物質の元となる栄養素が欠かせないのです。
本連載「脳を活性化させる食事」では全5回にわたり、脳の機能を高める食べ物についてご紹介しています。
第3回は、記憶力がアップする食べ物と、効果的な食べ方について。最近、忘れっぽくて…という人は、まず食事から見直してみるのもおすすめですよ!
記憶力がアップする栄養素レシチンとは?
記憶力がアップするための栄養素と食べ物について説明する前に、まずは脳の記憶のしくみについて見ていきましょう。
脳内では、神経伝達回路の中を神経伝達物質が移動して、様々なことを感じたり考えたりしています。この神経伝達物質のうち、記憶に関わる神経伝達物質のアセチルコリンは、脳内でレシチンというリン脂質から変換されます。
レシチンは、細胞膜を構成する主要成分でもあるため、脳細胞にも欠かせない栄養素。記憶力がアップするためには、食べ物からレシチンを摂取することが大切なんです。
レシチンを多く含む食べ物は卵黄や大豆製品
レシチンを多く含む食べ物には、卵黄や大豆などが挙げられます。どちらもなじみ深い食べ物のため、毎日食べているという人も多いのではないでしょうか。
卵は、様々な料理に応用できる万能食材。卵黄由来のレシチンは、大豆由来のものよりも記憶力がアップする効果が高いため、積極的に食事にとり入れたい食材です。しかし、卵と聞くとコレステロールが心配になる人もいるのではないでしょうか。
「日本人の食事摂取基準」には、かつてはコレステロール摂取量の上限値が設けられていましたが、2015年より上限値の項目が削除されています。コレステロール値が上昇する要因として、酸化した油や糖質の摂取が言われるようになったためです。
悪者として扱われがちなコレステロールですが、実は体には必要な栄養素。過度におそれることなく、1日に卵1~2個の適正量を守って食事にとり入れてみてくださいね。
大豆は、豆腐や納豆、味噌、油揚げといった様々な加工品があるので、毎日いずれかを食事にとり入れると良いでしょう。
記憶力アップのために良い食べ方とは?
レシチンは熱に不安定という特性があるため、あまり加熱しない調理法がベターです。
卵に含まれる卵黄レシチンを記憶力アップのために効率よく食べる方法としては、加熱せず生の状態で食べる卵かけごはんや、ポーチドエッグや温泉卵のような半熟の状態で摂るのがおすすめ。
しかし、卵に含まれるビオチンという栄養素は、生卵で食べると吸収が阻害されるという側面があります。ビオチンとは、皮膚や髪の毛の代謝に欠かせない栄養素。記憶力のためには生で食べたい卵ですが、時と場合に応じて様々な調理法で食べて、色々な栄養をバランス良くとり入れたいですね。
豆腐は、加熱せずに冷奴で食べるのがおすすめの食べ方です。調味料を醤油だけでなくドレッシングやポン酢などを使用することで、バリエーション豊かに楽しめますよ。
記憶力アップにはビタミンやオメガ3系脂肪酸も重要!
レシチンのほかにも、記憶力がアップするのに大切な栄養素があります。今から紹介する栄養素は、レシチンといっしょに摂ることで相乗効果も期待できるので、ぜひ覚えておきましょう。
ビタミンCやパントテン酸も欠かせない
記憶力UPにアセチルコリンが働くとお伝えしましたが、アセチルコリンの合成に関わるビタミンCやパントテン酸などの水溶性ビタミンも、記憶力UPに大切な栄養素です。
ビタミンCは、果物や野菜、芋類などに含まれており、パントテン酸は、卵やレバー、いわしなどに含まれています。どちらも水溶性ビタミンのため、加熱に弱く、水に流出しやすいのが特徴です。
調理の際は、皮ごと大きめにカットしたり、お湯で茹でるのではなく蒸したり、油でさっと炒めたりと、ビタミンCを失活させないよう工夫して調理しましょう。
DHA・EPAなどのオメガ3系脂肪酸も!
第1回で紹介した、神経伝達回路の活性や発達に関わるDHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸も、記憶力に関わる重要な栄養素。イワシやサバなどの魚や、亜麻仁油などの植物オイルもあわせて摂取したいですね。
記憶力がアップする食べ物は、その特性を理解した食べ方をすることで栄養素を効率よく摂取できます。もっと栄養や食べ物について知識を深めたい人には、「家庭料理検定」や「健康のきほん」といった講座を受講してみるのもおすすめ。オンライン講座なら、忙しい社会人でもスキマ時間を利用して効率的に学べますよ。
家庭料理技能検定3級講座 健康のきほん講座記憶力がアップする超簡単レシピ
最後に、記憶力を高めたいときにおすすめのお手軽レシピをご紹介。レシチンたっぷりのサラダで、記憶力を底上げしちゃいましょう!
ポーチドエッグの豆々サラダ
■材料
卵 1個
水 50ml程度
コンビニサラダ
蒸し大豆(水煮でも)
お好みのドレッシング
■作り方
① マグカップに卵を割り入れ、水50mlを注ぎます。竹串で卵黄を2~3箇所刺して穴をあけておきましょう。
② ①を電子レンジで、500W・1分間加熱してポーチドエッグを作ります。
③ コンビニサラダに、ポーチドエッグと蒸し大豆をトッピングし、好みのドレッシングをかければできあがり!
いつものコンビニサラダにプラスワン!卵と大豆で、レシチンをWチャージできるレシピです。レシチンは熱に弱いので、半熟のポーチドエッグにすることで効果的に栄養が摂れますよ。
ほかにも、大豆の代わりに豆腐を入れるなど、簡単アレンジを楽しんでみてくださいね。
卵と大豆を意識して記憶力アップ!
記憶力を高めたい人は、レシチンを含む卵黄や大豆を意識して摂ってみてくださいね!どちらも、食べ方のバリエーションが多い食べ物なので、飽きずに続けられると思いますよ。
次回の第4回では、眠くならない食べ物や食べ方をクローズアップ!お仕事や勉強中、眠気を抑えて頭をスッキリさせたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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