この連載「合格者が伝授!ITパスポート勉強法」では、ITパスポートの勉強法を合格者のエピソードを交えてお伝えしています。
今回はついに最終回。ITパスポートの出題分野3つのうち「テクノロジ系(IT技術)」について解説します。
テクノロジ系(IT技術)は内容的にも特にITらしい専門性が高い分野といえます。とはいえ、皆さんが普段使用しているスマートフォンに部品として使われているメモリなど、関わりが深いところも多いです。
しかしアルゴリズム、プログラミング言語など、数学力も問われます。IT初心者の方などは、専門的すぎると感じるかもしれませんが、ITパスポート試験の中で一番問題数が多いこの分野を避けては通れません。
合格するために勉強法を確立して対策していきましょう!
テクノロジ系(IT技術)の概要
ITパスポート試験の出題分野の1つであるテクノロジ系(IT技術)は、「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」の3項目に分けられます。
この章では、各項目の概要をご説明します。
まずは例題を元に出題内容をイメージしていただきたいので、過去問題から1問出題します。
テクノロジ系(IT技術)の例題
情報セキュリティのリスクマネジメントにおけるリスク対応を、リスクの移転、回避、受容及び低減の四つに分類するとき、リスクの低減の例として、適切なものはどれか。
ア インターネット上で、特定利用者に対して、機密に属する情報の提供サービスを行っていたが、情報漏えいのリスクを考慮して、そのサービスから撤退する。
イ 個人情報が漏えいした場合に備えて、保険に加入する。
ウ サーバ室には限られた管理者しか入室できず、機器盗難のリスクは低いので、追加の対策は行わない。
エ ノートPCの紛失、盗難による情報漏えいに備えて、ノートPCのHDDに保存する情報を暗号化する。
(正解:エ)
では、各項目について具体的に見ていきましょう。
基礎理論
「基礎理論」「アルゴリズムとプログラミング」に分類されています。
「基礎理論」
- 離散数学(2進法や10進法への変換)
- 応用数学(確率や統計の基礎知識)
「アルゴリズムとプログラミング」
- アルゴリズム(プログラムの処理手順)
- プログラミング(言語を使ってアルゴリズムを記述)
コンピュータシステム
「コンピュータ構成要素」「システムの構成要素」「ソフトウェア」「ハードウェア」に分類されています。
「コンピュータ構成要素」
- CPU、記憶装置、記録媒体、記憶階層など
「システムの構成要素」
- 情報の処理形態、構成、利用形態、クライアントサーバシステムなど
「ソフトウェア」
- OSの必要性と種類
「ハードウェア」
- コンピュータ及び入力装置、出力装置
技術要素
「ヒューマンインターフェース」「マルチメディア」「データベース」「ネットワーク」
「セキュリティ」に分類されています。
「ヒューマンインターフェース」
- 人間とコンピュータとの接点、操作方法
「マルチメディア」
- さまざまな種類のデータを統合したもの
「データベース」
- データ〈情報〉を、集中して格納したもの
「ネットワーク」
- 構成機器や規格
「セキュリティ」
- 情報資産を管理
テクノロジ系(IT技術)の勉強法は?
繰り返しになりますが、テクノロジ系(IT技術)はITパスポートの3分野のうち、一番問題数が多く、メインといえる分野です。
過去問がそのまま出るということはほぼないので、過去問の答えを覚えるだけでは対策不足です。出題からなぜその答えに繋がるのかを、理論的に理解して対策することが重要となります。
用語問題、計算問題がそれぞれ一定の割合で出題されますが、割合として用語問題の方が多く出題されます。
また、問題を解く際は、1問解くのにどの程度の時間が掛かるのか把握するため、実際に時間を計ることが重要です。
例えば、計算問題で苦手な分野があって解くのに時間が掛かることがわかれば、先に用語問題を一通り終わらせてから、苦手な計算問題に取り掛かるという判断ができます。
テクノロジ系(IT技術)は問題数が多いため、このようなペース配分も大切なのです。
いわゆる文系の方は、テクノロジ系(IT技術)は難しいかもしれません。
しかし前回もお伝えしましたが、ITパスポート試験では合格基準の1つとして分野別評価点があります。各分野でそれぞれ3割以上の正解が必要となるため、この分野だけを捨てるということはできません。
テクノロジ系(IT技術)の勉強法と頻度が高い問題は?
テクノロジ系(IT技術)では、様々な図表(順次構造、選択構造、繰り返し構造)を頭の中でイメージすると理解しやすいです。そのうえで多くプログラム言語を覚え、アルゴリズムを記述すると良いでしょう。
コンピュータに必要な数学的要素(離散数学、応用数学)も出題されます。難しい内容ですが、公式を覚えることによって取れる点数も一気に上がるはずです。
試験当日は、計算問題を解くためのメモ用紙が配られます。問題を解く際に暗算だけで済ませるのではなく、書いて解くようにする勉強法を心がけると点数が上がりやすくなるでしょう。
コンピュータシステムは、日常で使うことを意識すると知識の習得度が変わってくるはずです。
例えばスマートフォンで動画再生アプリ、ゲームアプリなど複数のアプリを同時起動して、長時間使用していると、動作が遅く感じるときがあると思います。
その際には、スマートフォンのメモリ使用率を見てみましょう。時間の経過と共にメモリ使用率が上昇しているのを見ると、原因が推測できます。
このように日頃から実際のコンピュータの動きを意識すると、ITパスポートの学習もより進むでしょう。
ヒューマンインターフェース(ソフトウェア、キーボード、マウスなど)の入力装置を扱う技術も要点です。
以上、テクノロジ系(IT技術)の勉強法についてご紹介しました。
この分野は、IT系知識をある程度持っているという方にとっても、知識をもれなく確認するという意味で参考になります。
セキュリティの分野を継続的に学習することで、例えば悪意があるメールが届いたときに不正を見破れるようになります。それは自分自身だけではなく、身の回りの家族、職場環境を守ることにも繋がるでしょう。
さてITパスポートの勉強法についての連載は今回で終了となります。
ITパスポートの勉強法は人それぞれだと思いますが、この連載でご紹介した方法が少しでも参考になれば幸いです。
効率のいい勉強法をみつけて、ぜひ合格をめざしてください!最後までお読みいただきありがとうございました。
参考URL:
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/guidance/trial_examapp.html
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