連載「ITの基礎が身に付く!ITパスポートとは」、前回は、ITパスポートは初心者でも合格しやすい資格であるとお伝えしました。
ただ、IT系の資格は世の中に数多くある中、なぜIT初心者にとってITパスポートがおすすめなのか、気になるところですよね。
そこで第3回の今回は、ITパスポートがIT系の他の資格と比べてどのような位置づけとなっているのか、見ていきましょう。
IT系の他の資格よりITパスポートがおすすめな理由
IT系試験には、実に様々な種類があります。
大手ネットワーク会社のシスコシステムズ社が実施する「シスコ技術者認定」(システムエンジニアの技能を問う試験)や、「オラクル認定Java資格」「C言語プログラミング能力検定」「Ruby技術者認定試験制度」(いずれもプログラミングに特化した試験)、「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」「OSS-DB技術者認定資格」(ソフトの取り扱い方を問う試験)など、挙げればキリがないくらいです。
一方「ITパスポート」は、上記のように特定のスキルを認定するための試験でなく、IT分野の総合的な知識を広範囲に問うための試験です。
出題内容は、会社経営に関する基本的な考え方や、会社の利益に貢献するIT活用方法、セキュリティに関する問題までカバーされています。
ITパスポートがもっとも優れているのは、問題が現代の技術にあわせて毎回進歩している点です。
IT技術は非常に早い速度で進んでいます。身に付けた知識が古いままではあまり意味がありませんし、実践に活かすこともできません。
ITパスポートなら、常に新しい知識を身に付けることができます。
もちろん他の資格にも、ITパスポートのように総合的なIT系知識が問われる試験もあります。
例えば「P検 - ICTプロフィシエンシー検定試験」「IC3」「J検(情報検定)」などです。どれもIT初心者にとって受験しやすい内容ではあります。
しかしITパスポートに比べてやや知名度に劣るうえ、国家資格であるのはITパスポートだけです。
また、過去の実績や、わからない問題における解決情報の多さという点でも、圧倒的にITパスポートが優位です。
このようにIT初心者ならば、IT系の他の資格よりも、情報が多いITパスポートを選んだほうがいいでしょう。
同じ情報処理技術者試験におけるITパスポートの位置づけ
出典:情報処理推進機構(IPA) 試験の概要 現行の試験制度
ITパスポートは「情報処理推進機構(IPA)」という団体が提供している国家資格です。
ITパスポートは「情報処理技術者試験」の1つなのですが、これらの国家資格には区分・レベルがあります(上記図参照)。
ITパスポートは “ITに少しでも触れることのある社会人向けの、IT全般の共通知識を問うための試験”という位置づけです。
ITパスポートの上に「情報セキュリティマネジメント」があります。これは“ITの安全な利活用を推進するための基本的知識・技能を問うための試験”です。対象は、管理職や情報システム部・経営企画部の所属者などが挙げられます。
中央のブロックの下には「基本情報技術者試験」があります。これは、情報処理IT分野において基本的な知識と技術を問うための資格です。ITパスポート・情報セキュリティマネジメントよりも、エンジニア寄りの知識を習得する試験という位置づけとなります。
ちなみに上記の図に記載されている資格は、右に行けば行くほど難易度が高く、上に行けば行くほどレベルが高くなっています。
ITパスポートは、IT入門の位置づけであることがわかりますね。
IT系資格の入門からステップアップするには
1.ITパスポート
ITの登竜門ですから、はじめにITパスポートを受けましょう。
ITパスポートを勉強して、ITやITに絡んだ会社経営の考え方、セキュリティの重要性を学び、ITに対する抵抗を減らします。
2.情報セキュリティマネジメント
近年増え続けるサイバー犯罪やセキュリティ問題の影響を受けて、最近新しくできた資格です。
難易度はITパスポートと同じくらいなので、できればこの資格も持っていて欲しいところです。パソコンの安全な扱い方やセキュリティ意識を身に付けることができます。
3.その他上級試験
ここから少し難易度が上がります。基本とはいえ出題範囲が格段に増え、ITパスポートで問われた範囲をより深く突っ込んだ内容が出てきます。
さらに上級者向けの内容を学びたいと思った時には「応用情報技術者試験」→「各上級者向け情報処理技術者試験」の順番に、資格の取得を目指してみてください。
多くの企業や大学が推奨する、最もメジャーなIT系資格は、情報処理推進機構(IPA)が提供する「情報処理技術者試験」です。
しかもITパスポートは、その中でも一番始めに受けるべき位置づけであることがわかりました。ITパスポートから他の情報処理技術者試験へと、ステップアップしやすいしくみになっているところがありがたいですね。
次回は、ITパスポート受験に必要な勉強時間や期間について解説します!
参考URL:
IPA情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/index.html)
ITパスポート(https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html)
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