連載「ITの基礎が身に付く!ITパスポートとは」、前回はITパスポートの概要と取得メリットについてご説明しました。
ITパスポートは、これから社会人になる方、またはITに苦手意識がある方がITについて学びたいと考えるとき、まさに登竜門となる資格です。試験の申込み方法や受験形式も簡単です。
連載第2回の今回は、ITパスポート試験がIT初心者にとっておすすめである理由と、試験の申し込み方や受け方について解説していきます。
ITパスポートがIT初心者向けである4つの理由
まずは、ITパスポートがIT初心者にとっておすすめである理由を7つ紹介します。
理由① ITの基礎知識を幅広く学べる
ITパスポートはITの基礎知識を幅広く学べるため、初心者にとって理想的な入門資格です。
この試験では、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、情報セキュリティなど、IT業界で必要とされる基本的な知識が問われます。そのため、受験者はIT全般の理解を深めることができ、今後の学習やキャリアに役立つ基盤を築けます。
理由② 他の上位資格へステップアップできる
ITパスポートは、他の上位資格へのステップアップとしても活用できます。
例えば「基本情報技術者試験」は、ITパスポートで学んだ内容がそのまま活かせるため、効率的に知識を積み重ねることが可能です。
今はIT初心者でも将来的に専門的なスキルを見つけたいと考えている人にとって、おすすめの試験であるといえるでしょう。
理由③ 就職・転職活動でアピールポイントになる
就職や転職活動においてもITパスポートは大きなアピールポイントとなります。
多くの企業がIT関連の資格を重視しており、特に新卒採用時にはこの資格を持っていることで有利になる場合があるでしょう。実際、大手企業や官公庁でもITパスポートの取得を評価する傾向があります。
また、非IT業界からIT業界への転職を目指す場合、IT初心者ではスキルや意欲をアピールしにくいため、IT業界に挑戦するタイミングでITパスポートを取得しておくのがおすすめです。
理由④ 4つの中から正解を選ぶ4択形式
資格試験やテストは、自分で考えて解答を書く記述式が多く、テキストの暗記だけで乗り切ろうとしてもなかなか難しいですよね?それどころか、教科書の内容をきちんと理解していなければ書くことすらできません。
しかし、ITパスポート試験は、用意された4つの解答候補から正しい答えを選択してマークする4択形式です。
つまり極端にいえば、消去法でも勘でも、マークさえすれば正解する可能性があるということです。
自身で考えて答えを記入しなくてもよい点は、IT初心者にとってハードルが低いといえるでしょう。
理由⑤ 過去問と同じ問題が出ることも!?
ITパスポート試験では、過去問と同じ、あるいは類似の問題が毎年何問か出題されています。
新しく、かつひねった問題も出題されますが、平均点の調整のためか数問程度しか出題されません。
そのため、“とにかく過去問を、答えを暗記するくらいまで何度も解く”というシンプルな対策が、ITパスポート試験において効果的な対策の1つであるといえます。
理由⑥ 苦手な分野は捨ててもいい!?
ITパスポート試験の合格基準は下記のとおりです。
【総合得点】
600点以上/1,000点
【分野別得点】
IT戦略系に関する問題 300点以上/1,000点
企業経営系に関する問題 300点以上/1,000点
技術に関する問題 300点以上/1,000点
100%に近いほど理解する必要はありません。問題を解いていて、どうしても苦手だと思う箇所は、捨てるという選択もアリです。
その分、理解しやすい、得意だと思う箇所について対策しましょう。
理由⑦ 試験日程(時間と場所)を自由に選べる
ITパスポート試験は前回記事でご説明したとおり、CBT方式(コンピュータを使って受験するシステム)です。
受験場所や時間が豊富なので、自宅の近くまたは仕事帰りで通いやすい場所を、試験会場に選べます。
試験は毎週のように行われていますから、万が一合格点に届かず失敗しても、すぐに再チャレンジできます(※受験料を改めて支払う必要があります)。
【初心者向け】ITパスポート受験に向けた準備4ステップ
では実際に、受験に向けての準備を進めましょう。
ステップ① 受験申込み
ITパスポートを受験するためには、ITパスポート公式サイトでメールアドレスや住所等の個人情報を入力し、会員になる必要があります。
ですが、その前に公式サイトにある「受験案内」→「受験要領」をよく読んでみましょう。試験実施日や試験会場、受験手数料(税込7,500円)等、試験の必要事項が記載されています。
IT初心者でも迷わないよう、親切な見た目のサイトなので安心してください。
受験要領を読んで理解できたらさっそく会員登録をしましょう。公式サイトから、
「受験申込み」→「初めて受験する方はこちら」→「同意する」
の順番で進み、個人情報を入力すれば完了です。
会員になった後は、日程・試験会場・受験料の支払方法等を選択しましょう。
できれば受験日を早めに決めて、受験への意欲を高めておくといいでしょう。
試験会場は自分が通いやすい場所を選ぶのが一番です。試験当日は、意外にも試験会場までの道のりが大きなストレスになりがちです。できれば、日にちで選ぶよりも通いやすい試験会場から選択することをおすすめします。
試験当日には、ダウンロードした確認票(受験票のことです)と本人確認書類を、試験会場へ持参することをお忘れなく。
ステップ② 学習の準備
受験を申し込んだら、試験本番に向けて学習を進めていきましょう。ITパスポートの受験に向けた学習には、独学と講座受講の2つの方法があります。
独学は、ITに興味がある人やすでに基礎的な知識がある人、過去に試験を独学で乗り越えた経験がある人に向いています。自分のペースで楽しく学べる点が魅力です。ただし、まったくの初心者や独学に不安がある場合は、講座を受けるのもよいでしょう。
スクール通学や通信講座では、短期間で合格を目指すカリキュラムが整っていて、必要な教材も一通り揃うので準備が楽になります。また、書籍を使って学習したりオンライン講座を受けたりと、自分に合ったスタイルを選んで学習できるので効率的です。
ステップ③ CBT方式について理解する
CBT疑似体験ソフトウェアの問題画面
試験といえば、普通は試験会場で配られた紙にペンで答えを記入していきますよね?
ITパスポートではCBT方式を採用しており、試験会場に設置されているパソコン端末で試験を受ける形となります。
パソコンを使用して解答する形式に、IT初心者の方は少しとまどうかもしれませんが、アンケートに答えるような感覚で進めていけば大丈夫です。
ステップ④ CBT方式で過去問を解く
試験形式に慣れていないと、不安に感じることもあるかもしれません。そんなときは、ITパスポート公式サイトで、CBT方式での試験を実際に疑似体験してみましょう。事前に慣れておけば、当日の緊張を軽減できます。 公式サイトから「受験案内」→「CBT疑似体験ソフトウェア」へ進んでみましょう。
「CBT疑似体験ソフトウェア」のページの下部には、ITパスポート試験の過去問題が数多く掲載されています。気になった問題をダウンロードして、時間を計りながら実際に解いてみましょう。
過去問を解くことは、出題傾向や時間配分の感覚をつかむうえで非常に有効です。また、苦手な分野を発見し、重点的に復習する手がかりにもなります。
これで準備は万全です!自信を持って試験に臨みましょう。
ITパスポート試験は、試験全体のしくみや難易度、そして申込みと試験の受け方も簡単。これからITを勉強しようと考えている初心者にとって、非常に始めやすいシステムです。
もし試験に失敗したとしても、すぐに再チャレンジできるのも嬉しいところですね。
次回は、他のIT資格と比べたITパスポートのレベルや位置付けについて解説します!
参考URL:
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
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