この連載「ITの基礎が身に付く!ITパスポートとは」では、ITパスポートはIT初心者向けの資格であり、受験による多くのメリットや、他のIT資格と比較した際の位置付けやおすすめの勉強方法について解説してきました。
ここまで読んで「自分でも受験できそう!」と思ってくださった皆さんに、注意したい点があります。それは「ITパスポートは国家試験ですから油断は禁物!」ということです。
そこで最終回の今回は、ITパスポートの簡単なところと難しいところを紹介したいと思います。
ITパスポート試験の簡単なところ
ITパスポートがIT初心者向けの資格であることはもうお分かりだと思いますが、まずは、ITパスポート試験の簡単なところを4つご紹介します。
簡単なところ① 過去問と同じ問題が出ることがある
ITパスポートの試験では、過去問とまったく同じ問題が出題されることがあります。2~3年前までの過去問を繰り返し解いていれば、簡単に答えることができます。
ただし、問題文の数字の部分のみ異なるなど一部分だけ変えられている場合があるので、油断せず問題文はよく読むことが大切です。
簡単なところ② 4つの中から答えを選ぶだけ
ITパスポートはありがたいことに4択形式で出題されます。
問題と答えを見た際に、“なんとなくこの答えは違う気がする”というやや曖昧な状態でも、正解することがあります。
ちょっと自信が無い問題でも正解にたどり着く可能性があるのは、正直助かりますね。
簡単なところ③ 合格率が高い
ITパスポート試験が「簡単」と言われる理由の1つは、その合格率の高さにあります。全体の合格率は約50%であり、他の資格試験と比較しても高い数字です。
例えば、基本情報技術者試験の合格率は約40%、応用情報技術者試験は約23%であり、これに比べると、ITパスポート試験はやや取り組みやすいと見なされています。
簡単なところ④ 勉強時間が短い
IT関連の資格は様々ありますが、ITパスポートは勉強時間が約50時間程度とされており、他の資格に比べて学習時間は少ないと言えるでしょう。
同じITの資格でも上位資格である「基本情報技術者」は約200時間とされており、ITパスポートの4倍の学習時間が必要です。
ただし忙しい方にとっては、そもそも50時間でも学習時間を確保するのが難しいかもしれません。例えば、動画教材を活用して移動中に「ながら学習」を取り入れるなどして、自分のライフスタイルに合った学習方法を実践しましょう。
ITパスポート試験の難しいところ
ITパスポートは取り組みやすい資格であることには間違いありませんが、いざ受験するとなればしっかり対策をとらなければなりません。
次に、ITパスポート試験のつまずきやすいとされる難しいところを4つご紹介します。
難しいところ① 専門用語が多い
ITに馴染みが無い人にとって、もっとも難しいところは、初めて見る用語が多く、挫折してしまいがちなことです。
けれどもめげずに、とりあえずテキストを読破しましょう。意味がわからなくてもいいのでとりあえず最後まで読むことを心がけてください。
テキストの後半を読んだ時に、前半で感じていた難しいところが理解できた!ということはよくあります。
ITパスポートは主に「マネジメント系」「ストラテジ系」「テクノロジ系」の3つの分野に大きく分かれています。
IT初心者が難しく感じるのは「テクノロジ系」でしょう。なぜなら聞いたことのない専門用語が最も多く出てくるからです。
理解しづらい専門用語が出てきたら、ぜひ画像検索して実物を見てみてください。
例えば「RAM」という用語が出てきたとします。これはテキスト曰く「メモリーの読み書きを行う半導体で、主記憶装置の一部として使われる。電源供給が停止すると、記録された内容が消えてしまう揮発性メモリである。」とありますが今ひとつピンときませんよね?
そこでインターネットで「RAM 画像」で検索してみましょう。実際にRAMの画像を見ることで、"RAMはパソコン内に入っている部品で、情報を記録しておくところなんだな~”とイメージが湧くでしょう。
このようにして、1つ1つ実物を見て、イメージが湧くようにすることが合格の近道といえます。
用語を調べたり実物を見たりしてひととおりテキストを読み終わったら、2周目に入ります。1周目よりは読みやすいのではないでしょうか?1周目でおろそかにしてしまったポイントや飛ばしてしまったポイントを、今度こそじっくり解決していきます。
難しいところ② 受験がCBT方式
ITパスポートはCBT方式といって、パソコンの画面に出てくる問題に対し、マウスによるクリックやキーボード入力による方法で解答していくスタイルです。
ITパスポートで油断してはいけないのは、この受験スタイルにあります。
パソコン操作をよく行う人でも、簡単だと思い込んではいけません。受験当日に初見で臨むと、緊張や操作の不慣れ等で、せっかく勉強したのに実力が発揮できなかったということもあり得ます。
必ず一度は、自宅などで予行演習を行っておきましょう。ITパスポートの公式サイトからCBT模擬試験をダウンロードして、本番とほぼ同じように体験することができますよ。
難しいところ③ 計算問題がある
ITパスポート試験では「計算問題」が出題されますが、計算自体に苦手意識を持っている人が多いです。しかし、試験全体の約1割、つまり10問ほどが計算問題として出題されるため、避けて通ることができない分野です。
この部分を放棄すると、合格に必要な得点を確保するのが難しくなり、合格率が大幅に低下する恐れがあります。計算問題が苦手だと感じても、何度も繰り返し解けばパターンに慣れて苦手意識が薄れていくでしょう。
難しいところ④ 出題範囲が広い
ITパスポート試験が難しいと言われる理由の1つは、その出題範囲の広さです。
試験ではITの基本的な知識だけでなく、経営やマーケティング、さらにはテクノロジ分野まで幅広いテーマがカバーされています。これにより、内容を網羅的に学習する必要があり、受験者にとって負担が大きいと感じることがあります。
効率的な学習方法を取らなければ、時間が足りずに全てを理解するのが難しくなることもあります。そのため、「1日1時間」などの具体的な計画や、動画教材などを取り入れた効率の良い学習方法を実践しましょう。
ITパスポート資格を取ってITへの抵抗を減らそう
ITパスポートの簡単なところと難しいところをご紹介しました。せっかく勉強するのですから、簡単だと思っておろそかにすることなく、丁寧にチャレンジしてみましょう。
IT知識を身に付けたりITスキルをステップアップさせたりするには、ITパスポートの取得が近道になります。なぜなら資格の取得という目に見える実績がわかりやすく、かつ周りから評価されやすいからです。
皆さんもさっそくITパスポートに挑戦してみましょう。
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