ITパスポートを学んだ後は？基本情報技術者や応用情報技術者について

ITパスポートはレベル1の試験

ITパスポートの試験を実施している情報処理推進機構（IPA）では、ITスキルをはかる物差しとして、各種情報処理技術者試験で学ぶ内容に1から4までレベルを設定しています。

参照　IPA「i コンピテンシ ディクショナリ2018　スキルディクショナリ」

ITパスポートで学ぶ内容はレベル1とされています。現代社会において、多くの人にとってITは無関係ではありません。たとえ専門的な職業に就かなくても、日常生活の中で多くの人がITを利用しています。誰もが知っておくべき事柄を取り扱っているのがITパスポートの資格なのです。

そしてITパスポート資格の取得後に、同じ情報処理技術者試験に挑戦する場合、次のレベル2に該当するのが、情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験です。

情報セキュリティマネジメント試験は2016年に新設された試験で、ITの安全を推進するための基本的知識・技能を図ることを目的としています。ITを安全に利用するために必要な知識を身に付けるため有用な試験です。

基本情報技術者と、その先のレベル3に該当する応用情報技術者とは、専門家として情報処理の業務にあたるため必要な知識を図る試験です。それぞれについて詳しくご紹介します。

基本情報技術者とは

基本情報技術者は、ITエンジニアの登竜門として位置づけられている存在です。

かつてはこの試験が、IT業界への入り口となっていました。同じ程度の試験として初級システムアドミニストレータ試験もありましたが、こちらは情報システム利用者側の立場で作られた試験であり、システム開発者向けに作られた基本情報技術者とは性格が異なるものでした。

合格者の平均年齢は25歳程度と、就職して間もなく取得する人が多いことが推測されます。

取得しておけばIT企業への就職に有利になるともいわれています。特に、情報系学部の出身でない場合は、企業としても本当に適性があるのか判断しづらいです。基本情報技術者を取得しておけば、少なくとも興味はあって学習していることを示せます。

ただし、あくまでも基礎知識を図るための試験なので、即戦力を求める中途採用では有利になりづらいかもしれません。転職の場合は、より高度な資格を取得しておくほうがよさそうです。

試験範囲はITパスポートよりも広くなりますが、ITパスポートで学んだ知識をそのまま活かせる部分も多いです。特に午前の試験はITパスポートの試験内容と近く、基礎知識があればスムーズに学習を進められるでしょう。

応用情報技術者とは

応用情報技術者は、基本情報技術者よりもさらにレベルの高い試験です。 受験者には、要求された事柄を独力で遂行する等、チームの中で中心的役割を果たす高度IT人材となることが期待されます。

試験では、高度IT人材となるために必要な知識を幅広く取り扱います。基本情報技術者よりも合格者の平均年齢は高く、29歳程度です。実務経験を積み、十分な知識を得たうえで受験する人が多いことが推測されます。

とはいえ受験には実務経験は必須ではありません。過去には11歳での合格者もいますから、勉強さえしっかりしておけば合格を目指せると言えるでしょう。

取得すれば中小企業診断士試験や弁理士試験等の一部科目が免除されるため、将来的にこれらの資格取得を目指しているなら受験して損はないでしょう。

また警視庁や青年海外協力隊等への採用を目指すにあたっても、応用情報技術者は有利になります。試験に合格していなければ応募できないものも中にはあります。

ITパスポートの先にある上位資格についてご紹介しました。ITパスポートは一見関係ない資格に思えるかもしれませんが、現代社会で暮らす多くの人にとって有用な知識を学べるものです。ぜひチャレンジしてみてください！

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