2020/11/6updated

11月7日は鍋の日。寒い季節にかかせない鍋にピッタリの日本酒

バックナンバー：きき酒師の漫才師にほんしゅの楽しい日本酒コラム

日本酒の魅力をお伝えする連載「きき酒師の漫才師にほんしゅの楽しい日本酒コラム」。今回は、11月7日の「鍋の日」にちなんで寒い季節にはかかせない、鍋にピッタリの日本酒を紹介していただきます。

それでは、にほんしゅのおふたり、お願いします！

あさやん：どうもー！日本酒好きの皆さん、こんにちは！

北井：『日本酒のきほん講座』で講師を務めております、きき酒師の漫才師にほんしゅです！

あさやん：今年の春夏はあんまり旅とか行けずにちょっとストレス溜まってるねん。

北井：確かに。気分よく旅したり、居酒屋さんで飲んだりするのがちょっと難しかったもんな。

あさやん：だからこの溜まった鬱憤を晴らすには、秋冬にむちゃくちゃ暴飲暴食するしかないねん！

北井：日本酒の伝え手として失格すぎるやろ！暴飲暴食はあかんけど、秋冬といえば日本酒がまた一段と美味しく感じる季節やから楽しいよな。

あさやん：ここから寒さが本格化する季節はやっぱり鍋やな！「鍋と日本酒」最高！なんか「小鍋での1人鍋」とかも最近は流行ってるらしいで。

北井：俺を差し置いて鍋のことを勝手に語るなよ、このガキ！

あさやん：急にどうしたん！？鍋と日本酒ええなぁって言うてるだけやん。

北井：秋から春にかけてリアルに週4回ペースで鍋を作って食べる「令和のリアル鍋奉行」こと、このにほんしゅ北井が黙ってへんで！

あさやん：自分でつけた異名ダサいな…じゃあ、どんな鍋料理でもおすすめのお酒の紹介できるんかいな？

北井：当たり前や！

あさやん：じゃあ、おろしポン酢であっさり食べる「しゃぶしゃぶ」に合うのはどんな日本酒？

北井：おろしポン酢のしゃぶしゃぶ大好き！！豚バラの脂と甘味を感じた後はおろしポン酢でさっぱり流してくれる！箸が止まらへんくらい最高！あぁ、今年も豚しゃぶの季節がきたなぁ…。

あさやん：いや、お酒の話もしてよ！豚しゃぶ最高！じゃなくて。

北井：あぁ、そうや。鍋好きすぎて…。
おろしポン酢のしゃぶしゃぶなら、きりっと引き締まった味わいで後味のキレがいい「本醸造系」の日本酒を冷酒でいきたいね！豚肉の脂をおろしポン酢がさっぱり流してくれるけど、キレのいい日本酒でさらに追加で洗い流してくれる！っていうイメージ。

高知県の「司牡丹」の本醸造は土佐のお酒らしい軽快な旨味・酸味とキレで豚しゃぶが止まらない。ロックにしてすだちやライムを搾っても美味しいです。

あさやん：なるほど！それは豚しゃぶもお酒も止まらんやろうな…食欲爆発しそうや！
じゃあ、次は「ちゃんこ鍋」に合う日本酒は？

北井：オッケー！！「ちゃんこ」というと、そもそもお相撲さんが食べるご飯全般のことをいうけども、ここで言うてるちゃんこは醤油ベースのお出汁でいただく寄せ鍋のイメージでいかせてもらうで！かまへんな！？

あさやん：鍋好きすぎてちょっと怖いな…うん、お出汁がうまい寄せ鍋のイメージでよろしく。

北井：お出汁と日本酒は「旨味」の同調をさせたいから、ほどよい旨味の純米酒とあわせたいな！旨味同士ががっちり握手するイメージ。
最初は冷蔵庫から出した冷酒の状態でスタートさせて、そのままテーブル上に置いておいて常温に戻るくらいの状態も相性いいし、40℃くらいのぬる燗にしたら「温かさと旨味」のダブルの同調でこれまた美味い！「鍋・酒旨味同盟」結成です！

静岡県の日本酒「高砂」の純米超旨辛はその名の通り、旨味と後味のキレが特徴。冷酒でもよし、燗酒でもよしのオールラウンダー。寄せ鍋と日本酒を楽しむときはお酒の温度変化とともに楽しんでいただきたいです。

あさやん：う、旨味同盟！？鍋と日本酒好きすぎて変なこと言い出してる！

北井：そうや！いいアイデアがあるわ！もう日本全国の名物鍋を北から全部いこうよ！まず北海道の石狩鍋に合うお酒は…。

あさやん：待って待って！！さすがに全都道府県の鍋紹介はやめて！次でラストで！日本人にとって最高の贅沢の1つ「すき焼き」に合うお酒は？

北井：すき焼きの魅力は濃醇な甘辛さとたまごのまろやかさ。この贅沢な甘辛さにあわせるには半年ほど寝かされて濃醇な旨味・甘味やまろやかさが特徴の秋の「ひやおろし」「秋あがり」なんかええね！旨味・甘味・濃醇さでピタッとあわせて贅沢な口内を演出するイメージ！あと、ここで出番があるのは熟成酒ね！牛肉の脂、ざらめと醤油の濃い甘辛さとあわせるとこれまたええねん。

あさやん：あぁ、ええなぁ！すき焼きとは濃い味の同調が贅沢さを際立たせてくれるなぁ！

福井県の「白龍」の秋あがりはまろやかな旨味と甘味が楽しめます。飲んですぐすき焼きが浮かんだほど。すき焼きには常温か燗酒があわせやすいです。