情報革新が進む中、ビジネスの現場でもさまざまな取引形態が出てくるようになりました。そんな現代において、法務部門の人間だけでなく、営業などの取引先と直接やり取りをする人にもコンプライアンスの知識が求められるようになってきています。
法律系の資格にも色々なものがありますが、その中でもビジネスにおいて頻繁に登場する法律知識を体系的に学べる資格として、ビジネス実務法務検定があります。
ここでは、入門者向けであるビジネス実務法務3級の基本的な知識と、独学で合格するための勉強のやり方をご紹介します。
目次
ビジネス実務法務3級の基本知識
独学で合格するにはどれくらいの期間が必要か
独学での合格を確実にするために意識しておきたいこと
ビジネス実務法務3級に独学で合格するための勉強のやり方
実用性の有無を確かめることも大切
ビジネス実務法務3級の基本知識
まずビジネス実務法務3級の試験内容の基本についてご説明します。
ビジネス実務法務3級で問われる内容と出題傾向
ビジネス実務法務検定では、主に企業間取引に関する法律知識が問われます。
2級以上になると、国際紛争に関する法律知識や、実務の枠を超えた民法や商法の学術的な知識が問われます。
しかし3級は、ビジネスの現場で頻出する法律の基礎知識を体系的に学ぶための入門的な扱いです。そのため3級では専門的な分野は少なく、実務の世界でもよく直面する取引上の知識が問われます。
例えば、商品売買に関する取引で、契約書に不備がないか、またはその取引自体が適法に行われているかどうかを判断するために必要な知識が問われます。
契約がどのようにしたら成立するのかということや、契約成立日はいつなのかということが分からないまま契約を進めると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。
このことから、ビジネス実務法務検定は、直接相手方企業と取引をする立場にある営業職に就いている人にとっても必須の知識といわれているのです。
また、債権の管理や回収などの分野も3級の出題範囲としては大きなウエイトを占めています。
売掛金や買掛金などのように、現在のビジネスの現場では信用取引がメインとなっており、全額現金での決済は稀になっています。
この際に発生する売掛債権などを法律上どのように管理し、貸し倒れなどのリスクがある場合にはどのような手順で債権回収をしていくのかといった知識も、外部との取引が多い会社にとってはとても重要な知識になってきます。
ビジネス実務法務3級の難易度
ビジネス実務法務検定の特徴としては、各級で難易度に大きな差があるということです。
1級になると普通は使わないマニアックな法律知識も要求されますので、難易度は格段に上がりますが、3級の場合には基礎論点しか出題されませんので、得点に結びつきやすい素直な問題が出題されます。そのため、難易度はやさしいといえるでしょう。
ビジネス実務法務3級の合格率
ビジネス実務法務3級の合格率は例年60~70%台で推移しています。
合格率が6割を超える試験は、試験範囲を確実に勉強している人であればほぼ受かる試験ですので、適切な学習期間を見極めて基本的な学習を進める方であれば、不合格となることは少ないと言えます。
配点や合格基準と試験の概要
ビジネス実務法務3級は、100点満点で70点以上に達すると合格と判断されます。
試験時間は2時間で、すべてマークシート方式による択一式の問題が出題されます。
点数によって合格ラインが設定されている絶対評価の試験であるため、他の受験生との競争を気にする必要はありません。やるべきことをしっかりとやり、試験時間内に自分の力を出し切ることができれば確実に合格できる試験です。
配点についてはどの設問も均一に点数が配分されており、1問1点の問題が大半で、稀に2点の問題があるという感じです。解答速報などには大問につき配点が掲載されているため、部分点がもらえないと勘違いする方も多いですが、大問よりもさらに細かい配点がありますので完答できなくても部分点をもらうことはできます。
独学で合格するにはどれくらいの期間が必要か
1日1~2時間の勉強時間を定期的に確保することができれば、1ヶ月から2ヶ月での合格が目指せる試験です。
一般的にいわれているビジネス実務法務3級の合格に必要な総勉強時間は、60時間程度です。そのため、この総勉強時間を試験日から逆算してしっかりと確保できるようなスケジュール管理をすることが大切です。
しかし、これはあくまでも継続的に毎日勉強時間を確保できる場合です。ビジネス実務法務検定の受験者の多くは社会人ですので、コンスタントに勉強時間を確保するのは難しくなってきます。
週末だけや1週間まるまる勉強できない期間が続いてしまうような環境にいる場合には、時間を空けることで知識の抜けが起こることも考え、3ヶ月程度を目安にしておくといいでしょう。
忙しい場合でも、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を有効活用して学習することが大切です。効率よくビジネス実務法務3級を取得するためには、短期集中型で合格を目指すことです。
ダラダラと長い期間をやっていてもなかなか身につかず、逆に知識はどんどん抜けていきますので、1ヶ月であれば1ヶ月分の勉強時間を確保して、一気に合格を目指すのがおすすめです。
独学での合格を確実にするために意識しておきたいこと
独学での合格を目指す際、どうしてもおろそかになってしまいがちなのがスケジュール管理です。
試験日まであと1ヶ月しかないにもかかわらず、どうしても勉強時間が確保できずにそのまま試験当日を迎えてしまうという場合が多いのです。
このようなことがないように、現時点から試験日までの日数を数えて、1日あたりどれくらいの勉強が必要なのかということを細分化して考えるようにしましょう。
また、ノルマは時間で設定してしまう人がいますが、できる限り勉強内容でノルマを設定するようにします。1日ごとのノルマを勉強内容で決めることによって、着実に合格に近づくことができます。
他にも、もし周りに同じ試験を受ける友人などがいる場合には積極的に会話をして意識を高めることが重要です。モチベーションの維持は特に独学での資格試験において非常に重要な要素になってきますので、勉強仲間は作るようにした方が効率的な勉強をすることができます。
ビジネス実務法務3級に独学で合格するための勉強のやり方
ビジネス実務法務3級は入門的な知識を体系的に試す試験です。
ある特定の分野に深い知識は必要ありません。入門的な位置づけにある難易度の試験はどれにでも当てはまることですが、基本的に独学をする時には手を広げすぎないことが合格のための大きなポイントになってきます。
実際に過去に資格試験を受験して残念ながら不合格だったという方は思い返してみてほしいのですが、基本的なテキストと問題集のほかに、解説書など複数の書籍を購入してしまったという経験はないでしょうか。
勉強をしていると、『これだけでは合格に達するか不安』という気持ちに駆り立てられて、つい色んな本に目移りしてしまうのですが、これは逆効果です。むしろ合格が遠のいていってしまいます。
この資格は深い知識を試す試験ではないため、合格に必要な知識は基本のテキスト1冊で十分すぎるくらいの情報量なのです。
理解した気になっていても、忘れてしまっているところや細かい部分を見落としていることもあります。そのため、ビジネス実務法務3級を効率的に合格レベルまで持っていくためには、基本テキストと問題集の2冊に絞ることが何よりも重要なことです。
基本テキストを選ぶときには自分の読み易いと感じるものを選べばOKです。問題集は、全範囲を網羅的かつ体系的にまとめている本であれば問題ありません。こちらも自分が使いやすいと思うものを基準に選びましょう。
勉強する教材を絞りこんだら、まずは基本テキストを一通り読みます。この段階では理解することよりも出題される内容の確認や興味付け程度で大丈夫です。それが済んだら今度は問題集を解きましょう。この段階で解けないのは当たり前なので、気にせずに解き進めてください。
ビジネス実務法務3級で出題される問題には、既に現段階で解けてしまうものも含まれるため、そのような問題はこの段階で取り除き、解説を読んでも分からない部分をテキストに戻って確認するようにします。
このように、テキストよりも問題集を中心に回すことで、本番に必要な問題解決力が身につくとともに、頻出論点を重点的に学ぶことができます。
実用性の有無を確かめることも大切
ビジネス実務法務検定は、とても実用性の高い資格です。ただし、認知度は企業によって大きな差があるといえますので、資格の勉強を始める際にはしっかり受験の動機を考えましょう。
現在在籍している企業から言われて取得する場合はもちろんですが、就職活動の際にビジネス実務法務検定を重視している企業を狙っている場合にはとても大きなアドバンテージになります。
ビジネス実務法務3級を足掛かりに、他の法律系資格にも挑戦できる可能性も広がりますので、法律系資格の入門としても取得しておきたい資格といえるでしょう。
電車の移動中などスキマ時間を使ってスマホで勉強しよう
オンスク.JPのビジ法3級講座は、スマホやパソコンを使って勉強ができる講座です。
電車の移動中などにスマホで勉強といったスキマ時間を使って効率よく進めることが可能で、勉強時間をあまり取れない方におすすめです。
オトナ女子を楽しもう!タイプ別おすすめ趣味講座~診断つき~
大人の女性におすすめの趣味講座をご紹介。
性格や志向から4つのタイプに分類し、診断結果からあなたにピッタリの講座が見つかります。
無料登録でオンラインの資格講座を体験しよう!
資格受け放題の学習サービス『オンスク.JP』では様々な資格講座のオンライン学習が可能です。
最短20秒の無料会員登録で、各講座の講義動画・問題演習の一部が無料体験できます。
※自動で有料プランになることはありません。
関連する記事が他にもあります