皆さん「色彩検定」はご存じでしょうか。おしゃれな名称ですよね。しかし、一体何を勉強して何が身に付くのかわからない方がほとんどでしょう。
簡単に言うと、色のプロを目指せるんです。
色彩検定には3つのレベル(1-3級)があります。私は2009年度に2級一発合格を果たしました。現在はフリーランスのデザイナーとして活動しています。
色彩検定は併願ができる試験なんですが、2級合格を最初から狙っていた私は3級の独学後、すぐに目標を切り替え、受験は2級一本に絞りました。
今考えると少しリスキーだったかもしれませんね。
これから5回に渡って「2級合格者から見る色彩検定の心得」と題し、色彩検定への熱い思いを語ります。初回のテーマは「色彩検定2級はどんな試験か」です。
色彩検定ではどんな問題が出るの?
現在、色彩検定の正式名称は「文部科学省後援 色彩検定」ですが、2006年度までは「ファッションコーディネート色彩能力検定」の名前で知られていたみたいです。
しかし色彩検定の勉強を始めると、ファッションはむしろ一部分で、ありとあらゆる場面の色彩について出題されることに気づきます。
例えば色彩検定2級の場合、光や眼球の仕組みなどの科学的な分野、色の表示方法、配色、インテリア・エクステリアにおける色彩など、多岐にわたって出題されます。
私は高等専門学校の建築学科に入学し、建築デザインに興味があったので在学中に色彩検定の勉強を始めました。
級の違いに関係なく合格すれば学校から1単位として認められることもあって、まずは3級の参考書を買って読み込みました。
テキストを開けば数々のカラフルな絵や写真、図が目に飛び込んできてワクワクしました。
ところがすぐに気づいたのは、聞いたことのない専門的な単語ばかりだということ。
受験時に色彩検定2級と併願するかどうかは別として、3級も決して侮れないんです。
ちなみに合格ラインはすべての級で70%前後とされています。
色彩検定3級と2級の間に立ちはだかるものは?
当然なんですが、色彩検定2級は3級より難しいです。
出題分野の大枠にそれほど違いはありませんが、覚えることが増え、より専門的になります。
ほんの一例ですが、3級にある「眼のしくみ」という項目は、2級では「視覚系の構造と色」となっています。
人間の目が色を捉える大まかな仕組みから発展し、細胞レベルの話になっていきます。この違いは理科が化学・物理に変化することと似ていますね。
また、「表色系」という項目についても同じです。
無数に存在する色を文字表記するうえで確立されている「表色系」というシステム。ただでさえ3級の時点で高度に思えた内容が、色彩検定2級ではそのシステムの種類が増えて登場します。
さらに、色彩検定3級で大まかに学んだファッションと色彩の関連もレベルアップし、ファッション界の歴史やトレンド、小売業における陳列の仕方まで勉強しなければいけないんです。
本当に色に興味があり、実際的な場所で役立てたいという気持ちがないなら、色彩検定3級から2級へ移行する時は大きな壁を飛び越えるように感じるかもしれません。
2級と3級を併願するならまだしも、いきなり色彩検定2級のみを受験するなら尚更です。
カラーの初心者も安心。色彩検定2級・3級併願のメリット
色彩検定はいつ実施されるのでしょうか。
現在は色彩検定2級と3級は年に2回、夏期(6月)と冬期(11月)に実施されていて、1級は冬期(11月)だけ受験できます。
色彩検定の1級と2級、2級と3級は同じ試験日の併願が可能です(1級と3級を併願することはできません)。
それでは、学び始めの人が色彩検定2級と3級の違いを乗り越えて併願するメリットはなんでしょうか。
まず、2級合格に自信がない人。
色彩検定自体には確実に合格したいですよね。
3級でも2級でも、合格すれば「色彩コーディネーター」と書かれた資格証がもらえるんです。
とはいえ基本的にマークシート方式ですから、同じ日に併願で2級まで挑戦することもありですね。
そして、色彩検定に絶対合格したい人。
2級の合格に自信があっても、せっかく同じ日に受験できるのであれば、保険として3級も受けておけばより確実に「色彩コーディネーター」の称号を手に入れられますよね。
試験時間は3級が70分、2級が80分で、両方とも2次試験はありません。あらためて試験会場に足を運ぶ時間と費用を考えれば、安全かつ安心の併願を行う利点は大きいと言えます。
3級 | 2級 | |
---|---|---|
実施時期 | 夏期(6月) 冬期(11月) | |
試験方式 | マークシート方式 | マークシート方式 (一部記述式) |
検定料 | 7,000円 | 10,000円 |
試験時間 | 70分 | 80分 |
合格ライン | 満点の70%前後 |
今回は色彩検定がどんな雰囲気の試験なのかお伝えしました。
そして、色彩検定2級・3級の違いと併願のメリットについてもお話しました。
次回のテーマには受験費用や学習レベルが関係してきます。ずばり、「3級を省略していきなり色彩検定2級を勉強および受験してもいいのか」です。
この疑問に、筆者の経験を交えてお答えしたいと思います。
参考サイト:
色彩検定公式ホームページ(http://www.aft.or.jp/)
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