こんにちは。「誰かに話したくなる、色の持つ心理効果」シリーズ連載も、最終回となりました。
私たちは、普段の生活の中で様々な色の心理効果を無意識に感じ取っているということがわかってきたと思います。今回は、「組み合わせる色によって、色が違って見える」という例をご紹介していきたいと思います。早速、具体例を挙げてみますね。
Q1)例えば、洋服を買いに行ったとします。そこで、カラー展開されているTシャツを見つけたとしましょう。
さて、次の2枚のTシャツに描かれているロゴのデザイン、色はどのように見えますか?
どちらかの色が明るく見えたり、暗く見えたりしていますか?よく観察してみましょう。
実は、正解はどちらも同じ色です。
これは、「明度対比」という現象で、ある色(ロゴ)の明度(明るさ)がその周り(背景)の色によって、本来の明るさよりも明るく見えたり暗く見えたりすることを言います。
白いTシャツのロゴの方が、黒いTシャツのロゴよりも少し暗くみえているのは、その効果によるものなのですね。
肌の色とTシャツの色に置き換えてみると、白いTシャツよりも黒いTシャツの方が、お肌の色は少し明るく見えると言えるかもしれません。
(この“明るく見える”という効果は、必ずしも“お似合いになる“ということではありません。詳しくは「パーソナルカラー」連載記事をご覧ください)
Q2)それでは、次に青のTシャツを見てみましょう。こちらの2枚のロゴの色はどのように見えますか?
実は、こちらのロゴもまた同じ色なのです。到底、同じ色には思えない、と思われた方もいるかもしれません。
これは「彩度効果」という現象で、先ほどと同様に、ある色(ロゴ)の彩度(鮮やかさ)がその周り(背景)の色によって、本来の鮮やかさよりも強く見えたり、鈍く見えたりすることを言います。
左のTシャツは、右のTシャツに比べると背景の青色の彩度が高いので、左のTシャツのロゴの彩度は低く見えている、ということですね。
Q3)では、最後に次のTシャツを見てみましょう。 こちらは2枚のTシャツは色が違いますが、ロゴの色はどのように見えますか?同じように見えるのか、違って見えるのか、少し眺めてみてください。
こちらも、ロゴの色は同じなのです。この例では、背景に置かれた色によって、ロゴの色相(赤や黄など)が違って見えているという現象が起こっています。
赤いTシャツの場合は、ロゴの色が黄色に近い橙色に感じられて、黄色いTシャツの場合はロゴが赤色に近い橙色に感じられるのです。
このような現象を「色相対比」というのですが、隣り合う色同士が影響をしあって、色相(赤、黄など)が少しずれて見えることを言います。
さて、今回は「明度対比」「彩度対比」「色相対比」の3つのお話でしたが、いかがでしたでしょうか。少し難しく感じたかもしれませんね。
身の回りではこのように様々な色の現象を見つけることができます。お仕事の合間や、電車や車で移動中など、少しリフレッシュする時間に、何気なく見ている色について考えてみるのも面白い発見があるかもしれませんよ。
色を通して、皆さんの毎日に少しの発見や喜びがありますことを願っております。
お読みいただき、ありがとうございました!
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