こんにちは。カラーコーディネーターの田巻小百合です。
「誰かに話したくなる色のミニ知識」、第4回の今回は、太陽の色について探っていきたいと思います。
太陽を「赤」で描く日本。世界的には少数派!
皆さんは、太陽を何色だと思いますか?
日本人は“赤”と答える方が多いようです。前回の記事で国旗の色について触れましたが、日の丸カラーの「赤」は、まさに太陽の色を表していました。
実は、日本のように「太陽が赤」だと認識する国は少数派です。
それでは、他の国では太陽をどんな色で認識しているかというと、黄色、オレンジが挙げられます。外国の絵本が良い例なのですが、太陽はだいたい黄色やオレンジで描かれていますね。
そもそも、太陽を赤と認識しているのは、赤道近くの地域が中心です。
日本も、昔は太陽を金色と認識していたようです。
大陸から仏教とともに「太陽を赤」とする文化が伝えられた際、太陽を信仰対象としていた当時の人々はそれを受け入れ、太陽が赤とされるようになったと言われています。
もともとは赤ではなかったというのは意外ですね。
では、太陽の色が国によって違う理由を見ていきましょう。
太陽の色が国によって違う理由 その1「緯度」
太陽の色が国によって違う認識となったのは、まず“緯度”に要因があります。
色を見るためには光が当然必要ですが、地球上のどの緯度の場所にいるかによって、太陽との距離が異なるため、光の感じ方が変わってきます。
緯度が低くなるほど太陽との距離は短くなり、太陽は燦々と頭上を照りつけるようになります。そして赤や黄色の波長が多く届くため、色みは赤く鮮やかで強く感じられます。
逆に、緯度が高い場所になるほど赤道から離れていくので、太陽との距離は遠くなり、太陽は低い位置で動くようになります。すると光は青みを帯びて感じられるようになります。
結果、赤道に近い国では太陽を“赤い”と感じるようになっているのです。
太陽の色が国によって違う理由 その2「メラニン色素」
太陽の色が国によって違う理由として、次に“メラニン色素”の違いが挙げられます。
欧米人の瞳は明るい色である割合が高く、ブルーやグリーン、グレーなど様々な色がありますが、明るい色の瞳にはメラニン色素が少ないです。
逆に、赤道近くの国では、メラニン色素の多い人の割合が高く、瞳の色は落ち着いたブラウンや限りなく黒に近い人が多いのです。
このメラニン色素の量の違いは、瞳の色の違いだけでなく、色に対しての見え方にも影響を与えます。
例えば、青い瞳の人は、青いサングラスをかけているのに似ています。そのため、青い色はやや同化して見えますが、赤い色は際立って見えると言われています。
青い瞳の人が赤道近くの国で太陽の光を見ると、現地の人が見ているよりもさらに強く、赤みを帯びて感じるのではないかと思います。
瞳の色が違うと光の見え方も違うというのは面白いですね。
ちなみに、欧米の方がサングラスをかけているのは、おしゃれというよりも、瞳が光を通してしまうので、そのままだと日差しが眩しすぎるからだそうです。
日本人はブラウン系の瞳が多いですが、欧米人ほど明るい色の瞳ではないので、サングラスをかけるのはおしゃれの意識が強いと思います。瞳の色によって、サングラスをかける目的が違っていることにも驚きですね。
今回は、太陽の色の見え方が各国によって違う理由を考えてきました。
近年では海外旅行にも簡単に行けるようになって、旅行を楽しむ方も増えています。
各国で見られる色が、その国に降り注ぐ太陽に大きく影響されているとわかると、また違った視点でその国を楽しめそうですね。
次回は宝石の色に関するミニ知識をお届けします。お楽しみに♪
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