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その赤い色、他の人には緑色に見えているかも?!|誰かに話したくなる色のミニ知識

その赤い色、他の人には緑色に見えているかも?!|誰かに話したくなる色のミニ知識

こんにちは。カラーコーディネーターの田巻小百合です。
「誰かに話したくなる色のミニ知識」、第6回のテーマは、今注目されている“カラーユニバーサルデザイン”です。

早速ですが、皆さんは公共交通機関を使って移動する時、何を見て目的地まで行きますか?

普段車を使う方はカーナビ、電車を使う方でスマートフォンをお持ちの方は、乗り換えアプリなどを見ながら移動される方が多いかもしれませんね。
ただ、どちらの場合でも、1度は標識や看板などの案内表示を確認されるのではないでしょうか。

案内表示を確認すると、目的地までの方向を正確に知ることができますね。また、すべての人に情報を即座に正しく伝えるための様々な工夫がされています。
その様々な工夫の中でも、今回は“カラーユニバーサルデザイン”について掘り下げていきたいと思います。

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では、ここで質問です。私たちは何かを見た時、皆一様に同じものが同じ色に見えていると思いますか?

意外に感じられるかもしれませんが、そうではありません。実は、人によって色の見え方は微妙に違っている場合が多いのです。

例えば、自分では赤だと思って見ているものが、他の人には緑に見えていることもありますし、何となくいつも青が見えづらかったりすることもあります。

でも、どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。

同じ色が人によって違う色に見える理由

私たちは色を見ている時、自然に目に入ってくる光を視細胞で感じて、色として認識しています。
その色とは、光の3原色である“赤、緑、青”の3つの光の組み合わせでできています。

そして、視細胞にはそれぞれの色を感知するための3種類の細胞があります。
全ての細胞が働いている状態であればあらゆる色が見えるのですが、どれかが不足したり機能しなかったりすると、実際の色とは少し違って見えるのです。

ちなみに、見分けづらい色の組み合わせで多いのは、赤と緑、オレンジと黄緑、緑と茶、青と紫、ピンクと白、緑と灰色などです。

見分けづらい色の例

このように、様々な見え方の人が混在する社会で、色を使って情報を正しく伝えるというのは、意外と難しいということがわかります。

ですが、印刷物やWEB表示、テレビなど様々な手段がある中で、重要な情報ほど正しく速く全ての人に伝える必要があります。

このようなことから、近年、色使いに配慮された“カラーユニバーサルデザイン”の重要性が高まっているのです。

カラーユニバーサルデザインの実例

それでは、実際にカラーユニバーサルデザインが使用されている例として、東京の地下鉄の案内表示を見てみましょう。

東京の地下鉄には、路線が13あります。とても多いですよね。普段、地下鉄を使い慣れている方でも、初めて利用する駅や複数路線の乗り入れ駅での乗り換えは、難しいものです。

そこで、地下鉄の路線図には、“見分けやすい色相”として彩度の高い(鮮やかな)色が多く選ばれています。

また、路線を示す丸印はできる限り太い線で描かれていますね。ただし、それだけでは見分けづらいこともあるため、各路線の名前が記されたり、大きく表示されたりと、視覚的に色と文字で識別ができるように配慮がされています。

実際に東京メトロの各路線の色を見てみましょう。

東京メトロの路線の色

カラーユニバーサルデザインに推奨されている色が、多くの路線に該当していますね。

参考:東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン

さて、ご覧になっていかがでしたでしょうか。
近年は、このようにカラーユニバーサルデザインのものが増えています。すべての人に対応できうるものとして、カラーバリアフリーとも呼ばれています。

前述した地下鉄の路線図以外にも、多くの場所にカラーユニバーサルデザインが導入されていますよ。ぜひ、身近なカラーユニバーサルデザインを探してみてくださいね。

また、カラー系の検定で有名な「色彩検定」でも、2018年12月試験から「UC(色のユニバーサルデザイン)級」が新設されます。興味がある方は色彩検定協会のサイトをのぞいてみてはいかがでしょうか。

次回はイメージカラーについてのミニ知識をお届けします。お楽しみに♪

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